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2024年のバイクライフのはじまり

バイクを乗り始めた頃は、休みの度に次はどこに行こうかとバイク中心の生活だった気がするけれど、去年から1年間ほどは仕事の楽器についての勉強や作業を優先していたので、最近なかなかバイクに関わる余裕がなかったように思います。

作業の合間を縫って、3月の雪解け前と4月に入って桜の咲く風景をSL230TMで楽しむことができたので、最近感じるバイクと楽器に共通することなどをお伝えできたらと思います。

ここ数か月は休みの日でも自宅で作業をしないと仕事が追いつかないこともあって、好きでやっている楽器製作もコンマ何ミリといった数値を正確に仕上げたり、時には数値には表れないようなことをイメージして…とやっているとちょっと行き詰まることもあり、そんな時にちょっとした距離でもバイクに乗るのは良い気分転換になりました。

扱い慣れた相棒だからこそ

3月末はいつも雪解けの頃に走りに行く場所があるのですが、今年は少し早めに行ってみようと思い、思い付きで走り出しました。

寒さに対するレッグシールドのフェアリング効果や気になった場所で停まりやすい気楽さで考えるとカブ110NWJCコンプリートでもいいかと思いましたが、もしかしたら雪が降ってくるかも、高速を使う場合があるかもとか、路面がどうか分からないなと考えてSL230TMで行くことにしました。

今年で8年目になるSL230TMと2年目のカブ110 NWJCコンプリートでは付き合ってきた時間や体験してきたことも断然違って、SL230TMでは毎年雪の残る場所を走りに行ったりしていたので、どのくらいなら走っていけるか、どんな路面なら引き返した方がいいかのイメージはしやすいです。

カブコンプリートはスタッドレスタイヤも履けるそうで、ゆくゆくはカブもSL230TMのように、これならどこへでも行けると言えるようになれたらと思います。

この日は快晴で、御母衣湖の水面がエメラルドグリーンとでも言うような鮮やかな色をしていました。風もちょうど止んでいて、湖面に映る雪景色も見応えがありました。

道の脇は雪が積もっていましたが、スリムな車両なら端に寄せて停まれるくらいのスペースはあったので、こういう時に軽量で小柄な車格のありがたさを感じます。

大きく重い車両だったらまず停まる気にはならないだろうなと思いました。

この季節に走りに来るのは何か観光スポットがあるわけではないんですが、澄んだ青空に白く雪の積もった景色を見るのが好きで、雪解けの時期になれば川の水量が増して大きな水流の音が響くようになり、それを聴きながら少しゆったりとした時間を過ごしたりもします。

最近、地元では年に一回降るかどうかというくらいになっているのですが、子供の頃は冬になればどっさりと雪が降る日が何日もあったので、場所は違ってもどこか懐かしさを感じているのかもしれません。

人にはこんな時期にバイクで行かなくても…と言われてしまうこともありますが、これまで良いと思った景色をカメラで撮っても写真には映らないことが多く、やっぱり自分の目で見て感じたいという気持ちがあります。

暖かくなると空が霞んでぼんやりとしてしまう日が多くなるので、鮮やかに見える季節に訪れる事ができて良かったです。

一時期カメラやレンズに凝っていた時があったんですが、いろいろ試して分かったのが自分の目で見なきゃ感じられない風景があるということでした。それを気負うことなく、より自由に楽しませてくれるSL230TMは自分にとって良い道具であり、相棒だと思っています。

バイクとバイク屋の付き合い方について

今年は日帰りでちょっと花見をしに行こうかという気軽さで、明確なルートも決めずあちこちの桜の花見を楽しみながら鳥取まで走っていく事ができました。

去年にフロントフォークのスプリング交換、リアサスペンションは純正品をオーバーホールし、積載してもより安定感のあるセッティングに変更してもらっています。

積載をしない時でもよりキビキビと走れるようになった印象で、既に20年以上経っている車両が、むしろ年々道具として調子よくなっているという事はあまり一般的ではないのかもしれません。

これまで、SL230TMを旧い車両だからそろそろ次を…と考えたことはなく、それはNWJCからのより楽しめるような提案があったからで、メンテナンスの度にこのバイクの新しい一面を感じることができたからだと思います。

NWJCには時々かなり旧い車両が作業場に入っていることがありますが、より楽しみたい時の提案が、新しい車両のへの代替ではなく使い続けるためのメンテナンスであることがユーザーとしてはほっとするというか、焦らずに楽しめばいいんだなという気持ちになります。

SL230TMは高田さん自身が楽しんで、「これは僕の、わがままなおっさん仕様だからね」といつも笑って言いますが、バイク屋さんが実際に楽しんでバイクを乗っているからこそ、デコレーション目的のカスタムではない、この車両を楽しむためのアイデアが出てくるんですね。

バイクを使い続ける事、使い捨てにしないことに関しては、バイク屋のrbrさんもお店のブログにまとめられています。

R.B.R公式サイト『CB250Rへのダウンサイジングに思う事』

ユーザー目線から言えば、道具を手にしてからバイクライフがスタートする訳で、車両についての違和感、使い方に応じたセットアップやどのように楽しめばいいのかは後々悩むこともあると思います。

販売側は売ったあとにどんな提案をしてくれるのか?雑誌の情報や、ネットを頼りに自分でメンテナンスできれば問題ないとか、特定のバイク屋と付き合うことなく、その時お得に交換できる洋品店を選んでいる人もいるかもしれませんが、ユーザーは車両を選ぶことと同等にどんなバイク屋と付き合っていくかも大事だと思います。

もし、最低限の部品交換程度で車両の違和感があればそれはそういうものだからとか、それならこういう車両はどうですかという対応ならば、rbrさんのブログのように“ 使い捨ての消費文化“と言われるのも仕方ないのでは…。

私も、以前乗っていたVTR250を購入する時は昔から製造している耐久性のあるエンジンですからとか言われたのに、走行距離が20,000㎞になった頃にそろそろヘタリも来てるから次の車両を…と言われたこともあります。

250㏄はこんなもんですから、リヤサス交換をすれば少しは良くなるかもしれないですよと高額なパーツを勧められたりしたことに呆れて、自分でネット情報を頼りに前後サスのプリロードのセッティングなどをするようになりましたが、素人には加減がわからず、変化はあるが適切なかけ具合すら分からなかったのが正直なところです。

初心者の頃はモノが欲しい気持ちもいっぱいですから、次はこれに乗り換えちゃおうかなとかすぐに考えたりもしましたが、その後に車両の良さを活かしてより楽しみ方を拡げるNWJCの提案により、ドレスアップやスピードよりもストレスのない体感フィーリングの良さ、存在感や所有感よりも扱いやすい車格で気負わず気軽にどこまでも行きたいという自分らしい楽しみを見つけられたと思います。

そうこうしているうちに、バッテリーやタイヤは交換時期を迎え、よりフレッシュなコンディションでSL230TMを楽しめるタイミングがやってきた。シーズン前にメンテして今年もまた充実したバイクライフを送りたいと思います。

レポート S・O

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