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CB400SS-TMを借りて西へロングツーリング

  • CB400SSからNWJCツーリングマスターへと深化させたCB400SS-TMの試乗を兼ねて、西の定番ルートでバイク旅を楽しんだS・Oさんよりレポートが届きました。

5月は高田さんから西へ向けてのツーリングのお誘いがあり、久々のロングツーリングを楽しむことができました。

高田さんがボンネビルT100、寺山さんはスクランブラー、M・GさんはCB1100で参加するということで、SL230TMでは少し無理かなと思いましたが、「飛ばして走るわけではないけど、少し余裕のあるCB400SSを貸し出せるから試乗を兼ねてこれで楽しんでみたら?」と提案があり、ナビからバッグからまとめてお借りしてしまいました。

ツーリングマスター仕様になる前のCB400SSに乗らせてもらった時の印象は「400㏄の余裕は感じるけれど、よく言えばマイルド、ゆったり走るならいいけど小排気量でも力強いSL230TMのほうが好きかなぁ…」というものでした。

しかし、高田さんからは、ツーリングマスター仕様になってから以前のCB400SSとは別物でかなり力強く軽快に走るように仕上がってるよ!と言われたとおり、足回りもきびきびとした軽快感と不安のない安定感が両立した走りになり、特に高回転にかけてパワーが盛り上がるような加速感はフリクションなく滑らか、軽快なフィーリングが楽しい車両へと深化していました。

長距離の移動で感じる余裕

今回、高田さん達は一足先に西へ向かっていて、私は後から合流するというスケジュールだったので、仕事を終えた夕方から高速を使い500㎞越えの大移動となりましたが、高速をしばらく走った時点でSL230TMじゃなくて良かったと思いました。

SL230TMでも専用のスクリーンによる防風効果も高く、高速の巡行がつらいわけではないけれど、走りきる距離を考えるとある程度のペースで走りたい。

以前乗っていた大型バイクを思うように扱えなかった思いがあったためか、排気量を上げることにはあまり気が向かないというか、小排気量でもきちんとメンテナンスがされていれば問題なく楽しめると思っている部分もあったように思います。

しかし、スロットルの開度は明らかにCB400SS-TMの方が少なくて済むし、軽量なSL230-TMと比較すると車両の重さがあるためかロードモデルの足回りのためか安定感もあり疲れにくく、スケジュールを合わせて前日に淡々と距離を稼ぐにはこういった車両の方にアドバンテージがあるのをはっきりと感じられました。

皆さんと合流しホテルでしっかりと休みをとりましたが出発は6:00前とちょっと早めのスタート。ホテルで朝食をとらないのか~、と少し思ってしまいましたが(笑)、走りだしてすぐそんな気持ちは消えました。

朝日が昇ってくる時間の、うっすらともやがかかるような時間、こういった清々しい空気の中を走れる気持ちよさ、ホテルで朝食なんかとっていたらこんな風景は楽しめない!

途中、高田さん定番の休憩スポットに停まり、それぞれキャンプ道具を取り出して簡単な調理をして朝食をとりました。こういうのは自分たちだけの時間っていう感じで贅沢だなと思います。

私自身は島根より西を自分で走ったことがなかったから、高田さんの定番ルートはどんな感じなのかな?と思ってましたが、高田さんは「ある程度定番としているポイントはあるけれど決まりきったコースはなく、西をこうやって楽しむこと自体が定番なんだよね」と。

岐阜だとどうしても超えられない山が多く、このルートか、あのルートかとある程度決まってしまいがちですが、地図を見てもあちこち道がつながっていて、どの山も越えていけるような感じがあり、程よいワインディングが続くルートで、確かに西はバイクを楽しむのに最高!

山を越えるルートが多かったですが、CB400SS-TMは荷物を載せた状態でも軽快に曲がり、コーナーでも安定していて、力不足を感じることなく余裕をもって坂を登ることもできて、自分の愛車には悪いけれど、このくらいの車格と排気量であれば過不足ないなぁという・・・。

鳥取ではサラサラの砂の溜まった道が続くこともありましたが、これもトレッキングごっこの要領で楽々抜けていけました。何も我慢することや気負う事もなくどんな道でも楽しめる、まさに欲張り仕様ですね。

また、途中で高田さんからバンクさせている時の体の動かし方やタイミング、細かいところでは足のつま先の向きでも安定感のあるコーナリングに影響するよと何度かアドバイスも頂きました。

言われてみて、こんな感じかな?と試していましたが、ワインディングの続くルートだったから、今度はこんな感じでと繰り返し試していくうちに上手くタイミングが合ったと思える時と今のは少し違ったなと、分かる瞬間があり段々とイメージすることができてきました。

ちょっとした体の動かし方でバイクの挙動が変わることに気づくことができると、前よりも操ることの歓びを感じられますね。バイクを走らせる事には慣れてきたと思いますが、思い通りに走らせるにはまだまだだなぁと思うと同時に、これからもっと一体感のある走りができるんだなという楽しみも見つけることができました。

一期一会の風景を楽しむ

今回は朝から走りはじめて鳥取で夕陽を眺め、そこから岐阜まで帰宅という長丁場で、なかなかハードな一日でしたが、皆さんで一緒に笑い「楽しい一日だったね」と言える良い時間を過ごすことができたと思います。

特に鳥取での夕陽など、いつもだと帰る時間を考えるとちょっと余裕ないかなと走りだしてしまいそうですが、沈むまでの時間の雲の表情、沈む間際の赤く赤く染まっていく空を眺めていると、これを見逃すのはもったいないよなと。あっ、と思う風景を見ても通り過ぎてしまった日を思いだし、以前走った時に見た風景ももっとじっくり見ていられたら、こんな風に思い出に残るものになったのかなぁと、そんな風に思いました。

今回、限られた時間の中で楽しむために少し頑張って移動してのロングツーリングでしたが、CB400SS-TMのおかげで、ちょっと辛くなりそうな部分を補ってくれたように思います。

余裕はあるけれどもて余すほど過剰ではない、そういうバランスだったから何か気負うことも我慢することもなくもっともっと走っていきたくなりました。

これまで乗ったことのないタイプの車両を、1000㎞を超えるツーリングでじっくりと楽しめる機会を頂けて自分の中の価値観もまた広がったように思いますし、これからもスペックや速さに捉われることなく自分の楽しみたいこと、大事にしたいことは、ライディングを通して見つけていきたいと感じました。

あとがき

西の定番ルートを先行して楽しんでいる我々に仕事を終えてから合流するために、夜間の高速道をSL230-TMで一気に500Kmを移動しても、翌日は早朝から走り始めることも含めるとやはり無理だから断念しようかと迷われていたが、CB400SS-TMを走らせてみては・・・と提案しました。

気負うことも持て余すことも無い250クラスの車格を楽しんでいるS・Oさんが、一気に500Kmを駆け抜けて、経験豊富なおっさんライダー達が駆る排気量が倍以上ある車両と共にワインディングを駆け抜けて、脇道へそれる事も厭わず自由気ままに楽しむバイク旅で、身の丈に合った車格と使いこなせる排気量と思えるCB400SS-TMを存分に駆って、その意外性と実力を体感して頂きたいと思ったのが発端でした。

最新の電子制御満載の空冷シングルには勝るとも劣ることは無く、空冷ボンネビルやスクランブラー900、CB1100などの空冷ツインショックのNWJCトラディショナルと比較しても、CB400SSから深化したCB400SS-TMは積載状態でも何ら遜色の無い走りで、その実力を実感されたことと思います。

売るがための提灯記事ではコンディションも定かではない状態の借り物を「絶妙」などと適当な表現でお茶を濁すのは常ですが、乗り続けているバイク乗りが出会う文字や言葉にしがたい感覚の「絶妙」とは意味合いが違うことも納得されたと思います。

積載状態でも操縦性と安定性が両立したSL230-TMにも通ずるCB400SS-TMの意外性を実感された事によりS・Oさんのバイクライフに拡がりや可能性など新たなヒントを提案できたのは何よりであると思います。

この記事の車輌・パッケージ(仕様が異なる場合があります)

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