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SL230TM 使い続ける楽しみについて

  • SL230-TMを長年楽しみカブ110NWJCコンプリートはType3からType4へ乗り換えて、どちらも自由気ままにフィールドを拡げ最近では道草ツーリングがお気に入りとなり一期一会の風景を楽しまれているS・Oさんから、良き相棒のSL230-TMのレポートが届きました。

6月に入り梅雨の季節になりましたが、休日に晴れてくれるおかげでバイクを楽しめています。

最近のSL230TMはキャブレターのセッテイング変更を行ったりもして、3月には900㎞を超える大山への日帰りツーリングも楽しんでくることができ、バイクとしてのポテンシャルは数年前に乗り出した頃と比べてより高くなっていると感じます。

とはいえ流石に20年以上経っている車両なので最近ではスイッチ類の経年劣化も出てきたりもしていますが、部品交換のたび仕組みを知ることができ、メンテナンスも楽しんでいます。

今のうちに交換しておけばこの先も長く楽しめるはずなので、全体的にリフレッシュして楽しめる状態をキープしていきたいです。

定番の富山の麦畑と水田を楽しむ

五月の末には麦畑と水田を楽しみに富山へ走りに行きました。去年は同じ時期にカブの慣らしでも行きましたが、この時期の富山の風景を見に行くのが個人的に定番になりつつあります。

今年はいつもより大きく回り道をして、農作業をされている様子を眺めながらのんびりと走っていました。

SL230TMの魅力的なところはいろいろありますが、急かされることなく走れるというフィーリングはスペックでは判断できない部分だと思います。

気になる風景があればスロットルを戻して眺めていたいし、知らない道であったりいつも見ていても走ったことのない道は通ってみたい。

元々そういう楽しみ方ではありましたが、遠くまで走っていくとなるとちょっとここで止まってると時間かかっちゃうよね、なんて思って通り過ぎることも多くありました。

最近ではせっかく来たんだから寄り道も楽しまなきゃと思っていて、通り過ぎてからやっぱり行ってみようとなることが多くなりました。

同じ場所に何度も訪れるのは自分の目で見て楽しまなきゃと感じているからで、写真や動画が綺麗に撮れるからといって、実際に見て感じた風景そのものではなくて、写真を見返しても、人に見せても半分も伝わらないなと思っています。

私が写真を撮るのも、見返したときにちょっと思い出せるためのメモ程度の気分で、その度にやっぱり実際に見に行きたいなと思っちゃうんですよね。

この日は高田さんに教えてもらった眺めの良い公園で景色を眺めながらのお昼ご飯。

バイクに乗り出す前はちょっとカメラや写真に凝っていて、大きなカメラとレンズをたくさん持って撮りに行ったり、デジタルもフィルムも使って実際の目で見た風景を写真に収められないかなって思ってました。

この風景も実際にはもっと広く感じたし、もっといろんなものがよく見えていたし、日差しや風も気持ちよくていい時間を過ごせました。

去年カブで訪れた時に夕陽を眺めていたところで、今年も陽が落ちるまでのんびりと過ごしました。

昨年麦だったところが水田になっていて、逆に水田だったところは今度麦に替わっていて、何度も同じ時期にきていて面白いなと思うのは、こうした変化に気付くことですね。

同じ場所に訪れる度、勝手に親しみを覚える事ってあると思うんですが、こうした観光地でない場所だから人の生活感に触れられるというか、ちょっと大げさに言うと慣習や文化みたいなものを感じられるんじゃないかなぁと、そんな風に思っています。

調子を整えて

実は少し前にキャブレターの分解清掃したのですがその時から調子が悪く、富山を走った時もちょっと原因を探っている途中でした。

摩耗があったために交換した部品の組み合わせが悪かったのか、調整がうまくいっていないのかと思っていましたが、実際には本体内部に詰まりがあったようで、再度全ての部品清掃と組みなおしをしたら不調だったのが嘘のように正常に戻ったようだったので、そのチェックも兼ねてまた走りに行きました。

日本海側に走ってみたい林道があったので今回はそれがお目当てでしたが、しばらく走ってみるとエンジンの動きがスムーズで走らせるのがかなり楽になっているのを感じました。

一日走って300㎞弱という距離を走りましたが疲れを感じず、やっぱり違和感があることがストレスになっていたんだなと思いました。

ちょっとしたトラブルを挟みましたが、結果的に摩耗や変形のあった部品に気付けて交換もできましたし、そのおかげか以前よりアイドリングやスロットルのレスポンスは良くなった印象です。

チョイ乗りで楽しむのであれば気になる部分ではないかもしれませんが、一日楽しもうというのであれば、いい意味でバイクの事が気にならないような状態であることが大事なんじゃないかと思います。

林道は始点から終点まで20kmちょっとで体感では半分ほどは舗装路でしたが、全部未舗装路でもいいのになと思うくらい走りやすく、山の高いところを走るので景色も良く、こんなところがあるんだなぁとちょっとした非日常を味わった気分です。

トレッキングごっこ以前では、こんな未舗装路が続いていたらこの先はちょっと走れないところだなと思っていましたが、おっかなびっくりで通り抜けるのと違って楽しみながら走れるようになって、自分もちょっとライダーっぽくなったんじゃない?と少しばかり自分自身の成長を感じる瞬間でした。

長く使い続けて感じる事

SL230TMとの付き合いももう7年となり、それなりの時間と距離を楽しんできましたが、今が一番楽しめる状態になっていると思います。

上手に乗れなくて悩むときや、トラブルに対して四苦八苦したりしたことも含めて自分のバイクの様々な一面を知ることができて、ようやくこのバイクとの付き合いかたとか私のスタイルというのが出来てきたように感じます。

今も違うバイクを知ってみたいという気持ちを持ってはいますが、SL230TMはこんな楽しみ方ができるのかと新しい一面を度々見せてくれて、自分自身が使えるようになるにつれてその奥の深さを感じることもできました。

それは使い続けてきてようやく分かってくることだし、そういう楽しみかたを模索し続け提案してくれるお店のサポートがなかったら難しいことだろうと思います。

バイクに限ったことではないですが、そんな風に楽しみたいというユーザーがいた時、その年月に耐えうる道具やお店が世の中にどのくらいあるだろう?そんなことも考えてしまいます。そう思うと、好きなバイクに乗り続けることができる楽しみ・歓びは当たり前ではないのかなと感じますし、これからも楽しんでいきたいなと思います。

レポート S・O

NWJCより

S・Oさんは旧いSL230を大切に乗り続けて7年が経ち、そのバイクライフを楽しんできた過程ではバイク旅に必須の積載力を高めて、キャンプ道具等を満載しても操縦性や安定性には不安や違和感も無く、「速さより心地よさ」「何かに特化することのない曖昧さ」「和洋折衷のような大らかさ」をコンセプトとして自由気ままにフィールドを拡げて心地よく楽しめるSL230ツーリングマスター(TM)へと深化している。

エンジンコンディションから足回りまでのメンテナンスやモディファイによりトータルバランスを整える等の深化は、モノが道具へと生まれ変わることであり、持て余すことのない車格と使いこなせる排気量は五感で道具としての価値を知ることができるが、人車一体でその価値が判るバイク乗りとしての成長が求められることでもある。

新しいモノがすべてに良いとして、売るがための提灯記事のイメージ等による流行り廃りに惑わされることも無く、大切に乗り続けたバイク乗りにしか判らないその価値と、販売目的のスペックやカテゴリー・ブランド等のイメージによる市場価格なども含む価値観との違いも納得できる良きバイクライフを満喫されているのは何よりです。

この記事の車輌・パッケージ(仕様が異なる場合があります)

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