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SL230TMを永く乗り続けるために 後編

  • SL230TMのシリンダー上部をOHしたS・Oさん(SL230TMを永く乗り続けるために 前編)から、1000Kmの走行を終えてバルブクリアランスの再調整も含んだ良きバイクライフを楽しむレポートが届きました。

エンジンのシリンダー上部OHを終えたあとは、エンジン内部は時間が経った旧い部品(シリンダー)と新しい部品(ピストン・ピストンリング)が混在しているからということで、徐々に各部を馴染ませていく感覚で、少しずつ速度の上限を上げていく感じで慣らし走行を行いました。

OH直後の力強さはあるものの軽く回るような感じではなかったのですが、距離を経るごとに抵抗感が少なく、なめらかに回るようになってくるのが分かりました。

初めてバイクに乗った頃は回転数を上げるとエンジンに負担がかかると思っていて、なるべく低回転で走るのが良いと思っていましたが、こうして適度な負荷をかけることで各部がスムーズに動くことを体感すると、やはり新しいものが一番調子が良いわけでもないのだなと感じます。

バルブクリアランス再調整

慣らしを終えた後はオイル交換もしたいと思っていましたが、今回はバルブクリアランス調整のみにしたほうが純粋にクリアランスの違いでの差を感じやすいということで、基準値で再調整をしてもらいました。

慣らし走行の1,000㎞を走り終えたあたりでは、新しくエンジンを組みなおしてバルブクリアランスが変化することは聞いていましたが、OH直後のフィーリングは少し感じられなくなっていて、正直なところ再調整したときに違いを感じられるのかな...とも思いました。

実際に走らせてみると、エンジン内部の各部にアタリがついて軽く回るようになる感覚にOH直後の力強さが戻った感じがあり、顕著に違いを感じられて、やはりコンディションを整えるうえでバルブクリアランスが必須であることを実感することができました。

これまでもエンジン調整を依頼したことはありましたが、0.01㎜単位という数字で見ると差がないように感じても、実際に変化を体感するとやはり必須だと思います。

ストレスなく走れることの大事さ

今まで、SL230TMで長距離も荷物を積んだキャンプツーリングも、セッティングを変更してトレッキングごっこも楽しんできましたが、エンジンOHを終えたフィーリングと比較すると、以前は何となくスロットルを大きく開けて安定させようとしていたようにも感じました。

ちょっとした違和感でも長い距離を走っているとストレスになってくることは分かっていましたが、SL230TMはある程度年数の経っている車両だからちょっとのことは仕方ない、と思っていた部分もあったのかもしれません。

車両を走らせる事を楽しんで夢中になるのとは違って、走らせるだけで精一杯の状態だと目に留まった景色も見過ごしてしまったり、黙々と走らせるだけになってしまいがちで、やはり目いっぱい楽しむためには車両に対して不安や不満がないことは大事だと思います。

道具か小道具か

バイクに限らずですが、存在感や所有欲、上質な質感、○○なイメージを演出、そんな言葉で様々なものが飾られているように感じますが、自分を演出するための小道具として必要なのか、実現したいことのために必要なのかで道具との関わり方は大きく変わってくると思います。

対外的にこう見られたいというイメージのために持つのであれば、一つのものを永く使わずとも、アクティブなアウトドアなイメージ、上質な大人のイメージなど、その都度欲しいイメージの物を持ったりレンタルすれば良いという考えもあるのかもしれません。

しかし、思い通りに道具を扱えるようになりたいと考えるなら、時間をかけて自身が道具の事を理解する必要がありますし、自分の用途に合わせて道具として使い続けるためにはやはりメンテナンスも必要になってきます。

SL230TMは、乗っていない人からするとただの旧型のこれといった特徴のないバイクかもしれませんが、私にとっては知らない土地や景色に触れることができたり、自分の価値観を広げることのできる良い道具です。

乗れなくなるまでずっと楽しみたいと思っている車両だからこそ、こうしてより楽しめるような提案をしてもらえたことは嬉しかったです。

EV車両も増えていくだろうこれからの時代、いつまでアナログなバイクを楽しめるんだろう、と思ったりもすることもありますが、これからも大事にメンテをしながら永く楽しんで行きたいと思います。

レポート S・O

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