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カブ110NWJCコンプリートのポテンシャル

カブ110NWJCコンプリートを駆って共に定番の西を楽しんだS・Oさんからレポートが届きました。

1泊2日で1,200KmとS・Oさんにとってカブでは初の1,000Km越えのロングツーリングとなりましたが、意外にも大型バイクよりも疲れることなく楽しめたことを皆さんに伝えたいようでしたが、小排気量での長距離はかなり無理をしているのでは・・・と一般的なとらえ方に上手く伝えるすべもなく苦慮しているとのこと。

何とか伝えたい思いはよくわかるのですが、カブ110NWJCコンプリートで長距離を楽しむ面白さは、楽しんだ人にしかわからない文字や言葉では伝えがたいものがあります。

そんな割切りができるのは年を重ねたおっさんライダーだからでしょうか。

カブ110NWJCコンプリートのポテンシャル

今年は猛暑が続き、なかなかバイクを楽しむ時間が取れなかったですが、最近は気ままにカブ110NWJCコンプリートType4を楽しんでいます。

積載を前提としたカブプロベースのカブコンプリートでは、空荷の状態よりも荷物を積んだほうが調子が良いくらいで、アウトドア用の椅子やお湯を沸かしたりするガスバーナー類も積みっぱなしなので、休日の朝に適当に走り出し、好きな場所で朝食にしたりと自由に楽しんでいます。

知らない風景を見つけるのが好きなので、観光スポットや道の駅よりも、知らない道に入ってみる、普段走る道の対岸を走ってみる、とりあえず高いところに登ってみる、なんてことを飽きもせずやっていたりします。

そんな風にしているとたまに、こんな場所があるんだ!って自分にとっての“発見”をしたり、カメラには収まっても写真には表れないようなスケール感を感じる風景があったり、写真に表現できないような夜空や夕陽などを見てしまうと、やっぱり自分の目で見に行くのが一番だなと感じます。

カブコンプリートで走っていると、所有しているもう一台のSL230TMとも違うフィーリングがあるので、前に行ったあの場所を走ったらどんな感じなのかなと、次に行きたい場所を考えていると、バイクに乗るようになってから数年だけど結構いろんな場所を走って来たんじゃないかなぁと自分でも思ったりしています。

カブに乗っているというと、「お散歩感覚でちょっと走るのにはいいよね」とか、「カスタムしたりとかお洒落だよね」とかちょっと詳しい人は「カブのファンミーティングとか楽しそうだから行ってみたい」とかいろんな事を言ってくれるんですが、大抵の方がカブをちょい乗り向けのバイクと見ているのかなと感じています。

カブも他のバイクと同様に一日中楽しんできたり、遠出もしていると言うと、どうも無理をして頑張っていると思われるようです。

実際にはカブに乗り出してからの方が長時間走った後の疲れは少ないですし、気楽にいろんな場所に入っていけるので、自由に走れている感じがするのですが、話せば話すほどすれ違いを感じ最終的にまだ若いから平気なんだろうねーなんて言われてしまったりして、言葉で伝えるのって難しいななんて思ったりします。


カブコンプリート2台で西の定番ルートへ

カブコンプリートはこれまでGIVIのトップケースを付けていましたが、今後キャンプも再開するつもりだし大容量のアルミトップケースとサイドバック用のラックも装着しました。

サイドバッグラックを取り付けて剛性が上がったためか、サスの動きがまだ渋いのを感じ取りやすくなり、4500㎞を超えてもまだ馴染んでいないんだなと思い荷物をどんと積んで長距離を走りに行きたいなと思っていました。

丁度高田さんもお店のカブコンプリートの慣らしも兼ねて定番ルートを走る予定があるとのことでカブコンプリート2台で1泊2日のツーリングがパパっと決まりました。

夜明け前、5時と少し早めの出発で、VTR TM、SL230TM、CB400ssTM等で走ってきたルートとほぼ同じ道を走っていきます。
以前カブコンプリートType2をお借りしてキャンプツーリングに行った事がありますが、それも結構前の話で、自分のカブで長距離を走ったのは一日600㎞くらいはありますが、300㎞程度のルートを往復するのと片道500㎞を超えるのではちょっと感覚が違いそうだなぁと思いました。

今年は9月半ばを過ぎてから一気に秋っぽくなったように感じましたが、この日はまだまだ夏のようで、午前中でもかなり暑くなっていました。

久々だったこともありますが、走りだして200㎞もしないうちにお尻が痛く感じ、休憩も挟んでいましたが結局1日目はずっと痛みを感じていたので、やはり長時間・長距離のライディングにコンフォートシートが必須だと改めて感じました。

西の定番ルート、と言っても一通りのルートだけでなく、いくつもある道から今回はこんな道を走ってみようという感じで様々な道を楽しむことが高田さんの定番のようです。

今回走った道は私は初めてでしたが、日が暮れる前に広島・三次のホテルまで到着してしまいました。

市街地で36℃になるなど暑さが凄かったので、お昼を作って食べたりというのはしませんでしたが、それでもいつも通りあちこち寄り道をしては川に錦鯉がいるなとか、あそこの木にカワセミがとまってる!とか、きれいな景色で写真を撮ったりと楽しみながら走ることができました。

この日は夕方にカラス達が集まって夕陽を眺めているようにしていたのが印象的でした。
人と同じように陽が落ちる景色に感じるものがあるのか、寄り集まって井戸端会議的なものを開いていたのかな・・・?

2日目も5時に出発。朝のしんと静かな雰囲気と、収穫時期の田んぼの風景は何とも言えずきれいで、以前に来た時も思いましたがこの景色がとても好きです。

時期によって朝の霧が凄く濃いようですがこの時期はまだ薄っすらとかかる程度のようでした。

以前にもCB400SS TMやSL230TMで走った道は、今回カブなら頑張って走らなきゃいけないかなぁと思っていましたが、今回の方がすこしゆったりペースかなと思うくらいで、大きな差を感じなかったというのが自宅まで走り切って実際に感じたことです。

もちろん坂道なんかはよじ登ってる感はありましたが、ペースを上げて走るにも限度がある車両で何を頑張るんだ?といった感じです。

最近西へロングツーリングに行く機会が増えてきて、私は遠くの場所がだんだんと近くに感じるようで楽しいのですが、人に話すとまた同じ所に行くの?と言われちゃったりします。

違うところに行った方が楽しいでしょ?と言われてる感じがしますが、確かに知らない場所のほうが刺激的だろうと思いますし、非日常感があるほうがエンタメとして安易に楽しめるのかもとは思います。

しかし、何度か訪れてだんだんと走り慣れて、ここ前にも通った道だなぁとか、この道がここに繋がるんだとか、風景にも親しみを覚えるなかで、季節や時間によって見え方が違ったり、期待したものが見えなかったりその代わりに思ってもないものが見えたりした時、
自分がどう感じるのかとか、新しいことに気付けたりそういう瞬間があるかどうかが大事なんじゃないかなと思っています。

それは人に言って「分かる、分かる」と伝わる事ばかりでなかったりすると思うし、SNSでどなたかに“評価”してもらう事よりも大事に思っています。

自分らしい楽しみ方のスタイル

車両の事、何にも書いてないなって最後に気付いたんですが、意識させるような突出した凄さを感じさせないというのが、このバイクの凄さなんじゃないかなと思います。

カブの持つおおらかさと旅バイクとしての性能の高さで、一泊二日1200㎞弱のツーリングを無理なく楽しんで走れたことで、カブ110NWJCコンプリートが自分のスタイルにマッチした ”ちょうどいい”道具だと確信できました。

最初は見た目のかっこよさとか、漠然とした憧れとか、アイテムとしての魅力から乗り始めたバイクですが、街乗りでライトに楽しめれば程度に考えていたのに、気付いたらこんなに自分の行動範囲が大きく拡がったり、考え方や感じ方にも多くの影響を与えるものになるとは思いませんでした。

自分なりにスムーズに走れるよう試してきたライディングのことも、最近になってようやく今までいろんな方に頂いたアドバイスが繋がってきた感じがします。

人からどう注目してもらうかなど考えなくてよい、自分なりのバイクの楽しみ方のスタイルが出来てきたんじゃないかなと感じています。

たびたび記事を寄稿させてもらっていますが、自分の感じている事を言葉にするのってけこう難しく感じています。

自分が楽しみつつ模索していることについて書いているだけだけれど、自分自身がメンテナンスの記事を見たのをきっかけにバイクライフの楽しみ方が拡がったので、車両のコンディションに対する違和感や、バイクの楽しみ方に関しても違和感を感じている人に何か伝わるものがあればいいなと思っています。

レポート S・O

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