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僕んちのバイクライフ その2 積載について

飛騨のアツシさんより、カミさんと共に深化したSL230ツーリングマスターを楽しむようになって、コロナ禍での遠出は無理でも、気分はバイク旅とばかりにカブ110からCB400SS-TMまで、キャンプ道具を積み込こんで飛騨を駆けまわって楽しむことが増えているとのこと。

キャンプツーリングを楽しむのであれば、カブ110で出かけてもSL230-TM、CB400SS-TMあるいはCRF1000アフリカツインでも最低必要な道具は量的には同じである。小型は車格に対して積載量が多い場合不安定な状態となり、大型は車格のわりに並みの積載量のようでも総重量となると持て余して思い通りにならず自由気ままに楽しむことができないのが現実でもある。

ソロキャンプなどのブームに便乗してアドベンチャーと掛け合わせた提灯記事が多く、必要な道具が何とか積み込めればキャンプツーリングが楽しめるような話題つくりのバイク記事も多く、積載できたからと言ってフラフラで不安定さの連続では、心地よいツーリングは到底楽しめないことなどライダー目線からの実体験による「僕んちのバイクライフ」 その2 積載に関するレポートが届きました。

NWJCツーリングマスターの積載について

本来なら秋本番の今頃は、熟成と深化を遂げたツーリングマスターで荷物をたんと積んでキャンプに出かけているはずなのではあるが、蔓延なんとかだの緊急事態だので自粛ムードが漂い、なんとなく遠駆けやバイク旅をするには後ろめたく感じる。

そして僕の最近の気がかりは、飛騨のバイクシーズンが終盤に差し掛かってきていることである。AM5:00ではまだ暗く6・7月のように朝駆けもできなくなってきた。

デイトナHenly Beginsのツーリングシートバックとラフ&ロードのサイドバックにキャンプ道具の全てを詰め込み、遠くには行けないが行くための準備をし、夜明けが遅くなっている今だからこその朝日を感じにふらっとSL230TMで出かけてみた。

昇る朝日を感じながらコーヒーを淹れ、拡張されたキャリアKitに固定されたシートバックを眺めながらツーリングマスターの懐の深さというか凄さを実感する。

ツーリングマスター化の前のSL230とCB400SSには、メーカー純正キャリアをツーリングの必需品だと装備していた。

今思えばそれらはシートレールに固定されていただけのキャリアで、バーナーと水、コッヘルセットを積んでのランチツーリングくらいなら良いが、キャンプ道具を満載でのツーリングは不安定で、今の走りは想像すらできなかった。

しかし、NWJCツーリングマスターとなった今のSL230TMとCB400SS-TMは、本来ライディングを制限されてしまうだろう荷物をわざわざ積んで走りたくなる程に熟成して、カミさんと僕のバイクライフには無くてはならない良き相棒となっている。

荷物の量は車格や排気量に無関係

キャンプツーリングをする荷物は、着替えの量に多少の変化があるものの一泊二日でも四泊五日でも持って行きたい装備は同じ量で、キャンプシートバックと称されるサイズの最大積載量(70L)は必須である。

あとは個々に何を持って行きたいかではあるが、僕の経験だと、あと20~30Lの荷物は必要になる。現に今回積み込んだ荷物もシートバックとサイドバックをいっぱいにした。

それは、大型バイクでもカブでも排気量や車格に関係なく、必要なものは必要である。

それだけの荷物をシートレールに固定されただけのキャリアに積み込むには無理があり、本来ライディングに必要な自分のスペースであるはずのシート側まで荷物が押し迫ってきて快適なツーリングにはならなず、非常に窮屈な旅になってしまうのが想像できてしまう。

しかし、雑誌やWebなどでは荷掛フックがあれば上手く積み込みができてキャンプツーリングもできて何ら問題が無いように書いてあるが、積載状態での道中は見せることが無くいきなりキャンプ場でテントが設営されているシーンとなっているのは何故か。

道中の快適さを紹介するのがバイク関連の情報で、キャンプに感する情報はアウトドア関連のように思うが、現状アウトドアブームに便乗して売るためのヤラセ記事なのか、道中に関することはまったく触れる事が無いのは何故か。

過去の経験から新車状態でリアキャリアを取り付けただけでは、キャンプツーリングでの荷物を積み込んで軽快に走ることはできず、積載には不向きな車両が多いことは絶対に伝えていないのは何故か?疑問に思う。

言い方をかえれば、リアキャリアなどのボルトオンパーツを組み込んだだけでは、キャンプツーリング等で大容量となれば決して心地よい走りで楽しめず、我慢を強いられて危険極まりない決死のアドベンチャーとなる場合があるから要注意となる。

現に今回、20年程前を思い出しXL250Rにほぼ同じ量を積んでみたが想像の通りであったのと、更には荷物の重量に耐えきれないフレームが悲鳴を上げ快適な走りができず、昨年の木曽路でご一緒したRBRさんの記事と同じ、まさにその通りであると納得した。

RBR公式サイト「積載についての大切な話」

だだあの当時はそれが普通であり、なんら違和感も無く受け入れていた気がする。今は絶対やらない無茶(無謀)であろう。

カブ110NWJCコンプリートについても思う事がある。

なんで14インチホイールのカブプロをベース車に選び、アルミトップケースは最初から70L以上の容量を持ち、更にサイドラックを装備しているのか、他のカブでも同じような仕様を準備しなかったのは何故か、それはツーリングマスターでキャンプツーリングをやればよく解かる。

欲張りなおっさん仕様からのフィードバック

NWJCツーリングマスターは高田さんの“SL230欲張りなおっさん仕様”に端を発して、ツーリングマスターのリアキャリアは、サイドフレームがシートと同じ高さで幅もわずかに広く、バック類を確実に固定できるレイアウトになっている。

また、サイドバックを確実に固定できるサイドラックはシートレールのみに固定される巻き込み防止のステーとは異なり、それ自体がリア廻りの補強を兼ねてよじれ等での荷物の不安定さを消し去り、走っている時には荷物の存在を忘れてしまうほどの安定感がある。

一度これを経験してしまうと、柔らかいシート上に積んだ荷物はどんなにベルトを締め込んでもズレの収まらないままの不安定な状態で走るのはどれだけ危険で、それこそ違った意味でのアドベンチャーであることを実感する。

また、トップケースも装着できる仕様は、ソロを前提に荷物を満載しても積載を忘れてしまうような軽快な走りができる絶妙な取付位置がGoodでありNiceである。

トップケースをリアシートの後ろのほうに取り付けてリアシートの上にも荷物を積み込む仕様が一般的だが、トップケースが後ろになるほど安定感がなくなる事も伝えたい。

トレッキングごっこでバイクは感性で楽しむことを気づかせてくれたあのSL230が、ツーリングマスターへと深化したことはとても想像できないことだったが、高田さんの欲張りか強欲さなのか、その拘りがフィードバックされていることは紛れもない事実であり、NWJCツーリングマスターはすべて同じコンセプトで深化と熟成が進んでいる。

高田さんがダートフリークさんとコラボしているセロー250も、実体験からのフィードバックで心地よい走りへと深化して熟成されセロー250TMとなることは、SL230からSL230TMへの深化の過程を経験した僕には容易に想像がつく。

バイク屋orバイクショップからのフィードバック

新製品の話題性などで所有欲を煽られて手に入れたバイクの場合、新しいからすべてが良いわけではない。十人十色でそれぞれに価値観があると思うが、気負うことなく使いこなせるか、持て余すことはないか、そのバイクにどんな楽しみ方を求めているのか、明確な目的もないままに新製品効果の話題性による所有欲を満たすことは結果的に負担になることでもあると思う。

バイクに乗らないバイクショップでは、消耗品のパーツ交換やボルトオンパーツの取り付けなど色々なことができても、今回の積載に関しての事でも、最低70Lが必要でプラス20~30Lが必要となることは、110ccのカブでも1000ccのアフリカツインでも同じであるが、積載状態で安定した走りを楽しむためのアドバイスを得られる保証はない。

バイクに乗る事のないバイクショップではせいぜい消耗部品効果のみで、積載状態で安定した走りを楽しめるSL230TMやCB400SS-TMのようにモディファイして熟成させることができないことが解るようになってきた。

次もどこかへ行きたくなる車両、軽快に何処へでも行けてしまう車両としてトータルバランスとコンディションが整えられ、多目的でもジャストフィットな装備をされた車両の提案と現実化ができるのは、欲張りなおっさんライダーである高田さんの経験とそれに基づいた裏付けがあるからだと毎回のことながら確信している。

本来の性能(グッドコンディション)や潜在能力を引き出す環境として、ライダーとしての目線で対応して頂けるバイク屋さんがあれば、乗り込んでどんどんとワクワク感が増していく本当の意味での素敵なバイクライフがあるように思うが、カーディーラー感覚の専門店は何かが違うように思うのは僕だけだろうか。

この記事の車輌・パッケージ(仕様が異なる場合があります)

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