バイク屋の備忘録

カブ110NWJCコンプリートType3で木曽方面を楽しむ

カブ110NWJCコンプリートで木曽路を走るのは久しぶり。春先の木曽路は山々が若葉の勢いによって蘇った感があり、一斉に花が咲き春爛漫とはこのことかと思う、まさにそのタイミングで木曽から飛騨方面へと、ある時間を切り取ったような一期一会の風景を楽しめたことは幸運であった。

今回は、CB400ss-TM3台で木曽方面を楽しむ予定だったが、長期予報では雨模様が続くようだったので仕切り直しとなっていた。

しかし、前日の天気予報では曇りだが雨は降らないようで、CB400ss-TMから久々のカブ110NWJCコンプリートに乗り換えて木曽から飛騨方面をノンビリと楽しむことにした。

今回は長年愛用のChinaカブJA10型のType2ではなく、JA42型のType3を走らせて楽しんできた。

CB400ss-TMを駆って一緒に楽しむ予定だったアツシとS・Yさんは「お仕事ご苦労様です」ということで、春爛漫の木曽路から伊那谷へ向かい再び木曽福島から開田高原を経由して飛騨へと駆け抜けて、カブ110NWJCコンプリートならではの大らかさにより思う存分自由気ままに楽しんできた。

春爛漫の木曽から飛騨を駆け抜けて

薄暗いうちから走り始めてFogランプのチェックをする予定だったが、目が覚めて外を見ると綺麗な朝焼けが見えた。朝寝坊して走り始める時は朝日がまぶしい時間となっていたが、渋滞前に岐阜市内を抜けて19号沿いでは僅かに渋滞らしきものがあったがそれ以降は心地よい走りを満喫できた。

岐阜―土岐―中津川―馬籠―大平峠―飯田―松川―伊那―奈良井―木曽福島―開田高原―日和田高原―飛騨小坂―金山―岐阜 へと県道と国道を走りつないで楽しんできた。

桜やリンゴの花をはじめ名前も知らない色んな花が咲き乱れている風景の中で、大好きな大型トラクターを見つけてはUターンや脇道へ逸れて立ち止まることを繰り返した。

軽量コンパクトなCB400ss-TMでも横目で見ながら素通りとなっただろうと思えるようなところがいくつかあったように思うが、カブ110NWJCコンプリートならではの使い勝手の良さで楽しむことができた。

脇道から林道を抜けた峠付近でお昼を食べるつもりで走っていくと道が崩落して通過できない。なんて事もあったが、どんな状況でも何ら躊躇する事のないカブ110NWJCコンプリートならではの大らかさは、慌てる事も無く悠々と引き返して、木曽から飛騨方面へとルートを変更した。

雲一つない乗鞍岳を眺めながら昼食を終え飛騨小坂へ降りることにした。御岳も綺麗に見えていた下りのワインディングでは、フロントサスのメンテナンス効果によりカブ110NWJCコンプリートならではの一味違う軽快な走りを楽しめたのは何よりであった。

JA42からヘッドライトはLED化されて光は眩しいが決して見やすくはない。バイク旅を楽しむ為にNWJCコンプリート専用の補助ランプを装備することで見やすくなり、黄色の光は相手からの視認性も高く、帰りの夜間走行では見にくさで緊張することも無く、気負わず悠々と移動出来ることが実感できた。

カブ110NWJCコンプリート

カブ110NWJCコンプリートは、JA07のプロトタイプから始まりJA10のType2 JA42のType3へと続き10年目を迎えた。乗り続けてGoodコンディションで楽しむために多くの事を得ることができた。

カブに限らず、どのバイクでも乗り続けて初めて判ることがいくつもあり、その過程においての違和感等は何故だろうと探求することで、売るがための提灯記事のイメージとは程遠い本来の姿が見えてくるから使い続ける面白さを実感している。しかし、乗り続けなければ何も始まらないし疑似体験で終わる。

パーツの組付けとは異なるメンテナンスやモディファイは実体験に基づくことが第一であり、蓄積したデータは1mmから0.1mm、0.01mmまですべてに価値があり、バイク乗りとして実体験により磨かれ鍛えられた感性が更に楽しむための深化には不可欠であると過去からの経験により実感している。

次期モデルはキャストホイールとなり、NWJCではチョイ乗りの普段使いから荷物満載のバイク旅までNWJCコンプリートの良さを存分に発揮させたType4を予定している。

JA07はプロトタイプの2台のみで、スタッフの明と共にロングツーリングやキャンプを楽しみ、その後JA10との比較やフル積載での操縦性や安定性など様々なことで、カブ110ccNWJCコンプリートの良さを最大限引き出す為に意見交換しながら2人3脚でトライ&エラーを繰り返して具体化する事ができた。

その後NWJCツーリングマスターへの深化も共に進めてきたのだが、明が悪性リンパ腫により鬼籍へ入り4年が過ぎた。その後のツーリングマスター企画は、バイク屋のバイク乗りとしてトライ&エラーの実体験は継続して蓄積しているが、バイク屋のバイク乗りとして意見交換する相手を失ったのは寂しい限りである。

JA42Type3やTM(ツーリングマスター)への深化は土岐さんをはじめ村田さん、西やん、アツシ達のいつものメンバーの協力も得て、バイク屋RBRのオヤジのインプレなど皆の協力を得て今日に至る。

バイクに乗らず実体験が乏しいバイクショップはイメージだけを便乗する場合が多々あり、扱うバイクが同じであれば料理はしないがレシピがあれば同じ味にできるようなイメージで、カブやトライアンフ空冷モダンクラシック等はダシに使われ、誤解を招くことも度々あり実体験か疑似体験かの違いは顕著であり、似て非なることをお伝えする次第である。

バイク屋も、売るが為なのか乗り始めてから楽しむ為なのか意見が分かれるところだが、売るが為の提灯記事の疑似体験に便乗するか、乗り始めてから楽しむためにはバイク屋のバイク乗りとしての実体験による独自の提案が求められていると、おっさんライダーは考えている。

カブ110NWJCコンプリートの旅バイクとしての実力

カブシリーズはCT110など長年楽しみ、フル積載で旅も楽しめる仕様はNWJCコンプリートとして始まり、おっさんライダー自らがフル積載で日本列島を縦断して旅バイクとしての使い勝手を実証している。

何故、列島縦断で実証したかと云えば、CT110を楽しんでいた当時、郵便配達専用MD90が積載状態での使い勝手では最強で、その後郵便配達仕様と色や装備がわずかに違う110プロが発売となり、快適に走り続けられる環境を整えれば最強の旅バイクとして楽しめる事を過去の経験から確信していたから、その実験としての事である。

それまでのカブシリーズで最大の排気量はCT110の110ccであり、頑張って流れに乗る事が求められて、CT110は少数派で国内仕様の販売が終了してからは逆輸入車となり、誰でもが楽しめる車両ではなく、趣味性と灰汁の強い個性派であったのが実情である。

現在ではCT110もどきのCT125が、機能よりも古き良き時代の雰囲気を演出してリバイバルしている。

長年バイクライフを共に楽しんできたいつものメンバーの多くはタイカブ125から始まり、積載力と積載時の操縦性や安定性で勝るType2やType3をチョイ乗りの普段使いからキャンプツーリングなどでも楽しみ、それぞれのバイクライフを満喫している。但し御大のオジは今でもCT110がお気に入りである。

カブ110NWJCコンプリートでのキャンプツーリングも恒例としていたが、皆も歳を経て管理職となったりして時間に余裕が無くなり、ここ数年はコロナの事もあり一同に会してのツーリングは開催することが無くなったが、それぞれに顔を合わせて少人数でのツーリングやキャンプは相変わらず楽しんでいる。

バイク屋RBRのオヤジもバイク乗りとしてカブ110NWJCコンプリートのファンの一人であり、JA10型のType2で6年目を迎えている。

つい最近も四国の剣山スーパー林道へ出かけるなど、カブと云えどもその奥は深く、バイク乗りとして乗り続けて初めて判ることも多々あり、それらの実体験に基づいていつまでも良き相棒とのバイクライフを提案している模様である。

RBR『カブ110NWJCコンプリートで剣山スーパー林道へ』

最近、JA44型のカブ110とキャンプツーリングに出かけて、積載力とそれに伴う操縦性や安定性などカブ110NWJCコンプリートの実力を再認識した寺山さんは、世間一般ではカブならどれでも似たり寄ったりであると思われているが、その違いを目の当たりにできたのは何よりであったとのこと。

ユーザーボイス『カブ110NWJCコンプリートType2とJA44型カブでキャンプ』

バイク屋のおっさんライダーは、「速さより心地よさ」「何かに特化しない曖昧さ」「和洋折衷の大らかさ」をコンセプトに、トライアンフ空冷モダンクラシックをはじめ其々のツーリングマスターを更に深化させることや、乗り始めてから始まる新たなバイクライフをバイク屋のバイク乗りとしての経験から応援している次第である。

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