カブ 110NWJCコンプリート で初のキャンプツーリング

2年ほど前に大型バイクからSL230 TMにダウンサイジングし、キャンプツーリングなどを楽しんでいますが、最近あまり排気量やスペックなどを気にすることがなくなってきました。

大型バイクから乗り換えてしばらくは、大きなバイクへの好奇心がありましたが、今は、自分らしいバイクライフはどんなものだろう?ということの方が気になります。

今自分が楽しんでいるバイク『SL230 TM』と『VTR TM』に不満があってというわけではないけれど、自分らしい楽しみ方を考えていくうちに、浮かんできたのはカブ110 NWJC コンプリート。

旧型のSL230やVTRでキャンプツーリングやロングツーリングなどを気負わず楽しめるTM仕様として蘇らせて、今までにない新たなバイクライフを提案して頂いた高田社長にちょっとわがままを言って、旧型のType2をお借りしてキャンプツーリングなど1,000kmを超える距離を楽しむことができたので、少し振り返ってみようと思います。

初めの200km

SL230TMでお店に到着し、カブ110NWJCコンプリートType2に乗り替えて走り出してみると、シフトチェンジなど普段と違う部分にはすぐに慣れなかったりはしましたが、しばらく走っているうちにそれも掴めてきました。

シフトのフィーリングはゆったりめな、これぞカブといった感じでしたが、スロットルをめいっぱい開けて走れる楽しさがあると思います。

はじめは岐阜市内をぐるっと回ったりして、こんなバイクなんだって感じることができれば良いかな程度に思っていたのですが、もうちょっと先に行ってみてもいいかなという気分でなんとなく走っているうちに、滋賀県を抜け、福井県に着いてしまいました。 

正直なところ、普段のバイクの半分も排気量が少ないバイクだから、公道の流れに乗るのにも頑張らなくてはいけないかもと想像していたけれど、だいたいが4速(トップ)で走れる気楽さがあるし、スロットルを開ければ加速力もしっかり。

福井と滋賀の県境は少しカーブのきついところもあるのですが、ホイール径が小さかったり、車体の軽さのせいなのか、「あれ?こんなに楽に曲がれるところだった?」と思うくらい曲がりやすくて気軽に走ることができました。

残念ながら福井に着いて雨に降られてしまいすぐにUターンとなりましたが、お店から福井県までの往復で200kmを超える距離を走るくらいはお散歩感覚で、疲れも感じられませんでした。

カブ 110 NWJC コンプリートの実力

200km程の試乗を終え、楽しかったからもう少し乗ってみたい、荷物を積まずに走っていたからできたらキャンプもしてみたい。そんなことを伝えると、旧型となったType2なら引き続きキャンプツーリングで使っても良いと言って頂けて、その後1泊2日のツーリングをすることができました。

カブ110 NWJC コンプリートが気になる理由の一つに、社長(以下高田さん)やHHさんたちがキャンプ道具をどんと積んだ状態ですらすらと走って行く姿を見ているからなので、やっぱり荷物を載せた状態を知りたいなと。

NWJCのカブコンプリートを初めて見た時は、正直なところ、小さいバイクで頑張って走ってるんだなぁと思っていました。800〜900ccもあるトライアンフ ボンネビルやスクランブラーに大きなアルミケースが着いているのは納得がいくのですが、110ccあってもカブじゃ大変だろうと思ったのです。

しかし、どうやら無理して頑張って走っているわけじゃなさそう、と思うようになったのは、大型バイクからSL230 TMへダウンサイジングしてすぐに、高田さんとXR230 TMのKさん、私の3人でキャンプツーリングに行った時からです。

先頭を走るカブ110 NWJC コンプリートType3は SL230 TMの半分ほどの排気量なのに、軽やかで、楽しそうに見える走りをしていたからです。

その時は私がSL230TMに慣れてないこともありましたが、カブを操る高田さんよりも私の方が頑張って付いて行ってるという感じでした。

和歌山へキャンプツーリング

キャンプツーリングは、いつもカブ110NWC コンプリート Type2を走らせてあちこちでキャンプやツーリングを楽しんでいるHHさんと一緒に行けることになりました。

HHさんのType2は、オイル交換やタイヤなどの消耗品交換と10,000Kmごとの健康診断でコンディションが維持されているそうですが、走行距離はあと僅かで40,000Kmになるようです。走りは快調そのものでカブ110NWJCコンプリートでの楽しみ方を熟知されているというか、Type2との一体感が良き相棒という感じでした。

荷物を積もうと思うと、アルミケースはかなり容量があって楽に詰める箱型なので、普段のキャンプ道具に加えて余分なものまでポンポンと積んでしまったけれど、走り始めると荷物を積まない時と積んだ時の差を感じないのは意外や以外で、ふらついたりする事もなかったです。

出発時間は朝の8時というのんびりスタートでしたが、寄り道したりゆっくり食事をとったり、道を間違えたりもしたけれど、日が暮れる前には和歌山のキャンプ場に到着。荷物を積んでいるという意識がないまま和歌山まで着いてしまったという感じでした。

キャンプ場についてからももちろん、買い出しに出かけたり、HHさんは焚き火用に薪を積んだりとカブの積載力と手軽さが活躍しました。

キャンプを楽しみながら、いい意味でのバイクで数百キロ走った疲れや達成感はなく、カブ110NWC コンプリートで1日よく遊んだなぁという感覚だけが印象に残ったように思います。

ラフロードで感じたカブの気楽さ

復路ではコースを変えて渓谷を超えて帰ることになりました。
荷物を積んだまま、延々と続く登り坂はカブにとっては頑張りどころかと思いきや、思っていたよりも楽に登っていきます。途中、ちょこちょことバイクを停めて写真を撮ったりして、ちょうどいいシーズンは過ぎたようでしたが紅葉も楽しんできました。

そして、登りあれば下りあり。日の当たる登り坂の次は山の陰で落ち葉と水の流れる坂道を下って行きました。いつも乗っているバイク、SL230 TMならまぁまぁ、VTR TMでは行きたくないと思うような道でしたが、カブの場合は不思議となんとかなる!大丈夫!と怖い気持ちもなく下ることができました。

オフ車に乗っている時の様な安定感とかとまた違って、カブならなんとかなりそう!という曖昧さで、難しく考えず走って行けたなと後から思いました。繰り返しますが、思い返してもやっぱりVTRでは走りたくありません。

カブの楽しさには気づいていたものの「そうは言っても物足りないところがあるんじゃないか?」という気持ちもありましたが、この渓谷を超えるころにはすっかり消えてしまいました。

「速さより心地よさで走る楽しさ」とは

今回、カブ110 NWJC コンプリートのことを思い返してまとめようと思ったところ、意外にバイクのことが言い表せないなと思っていました。

自分のバイクじゃないから、まだ長く乗っていないから。そういう部分もあるけれど、バイクのことを考えるより、見た景色とか、会話とか、そういった楽しかったという印象の方が強かったから、のような気がします。

正直、バイクに乗っていると、このバイクを乗りこなせなきゃと思ってしまう時があるのですが、カブ110 NWJCコンプリートはそういう感覚とは無縁だと思いました。

ポンポンと適当に荷物を積んで、ちょい乗りでもいいしツーリングでもいいし、通勤に使ってもいいし。と、気軽さは他のバイクとは何か違うなと感じます。

キャンプツーリングは初めてじゃないし、特に変わったことをしたわけじゃないけれど、今回のツーリングは今までとはまた違う楽しさを感じることができました。

お店でよく聞くキーワード『速さより心地よさで走り続ける楽しさ』というのは、VTR TMやSL230 TMでも実感していますが、カブ110 NWJCコンプリートはすべてを受け入れて更におおらかで曖昧だから、高田さんがよく言うところの「適当」を形にするとこういうことだろうか。

もし自分がカブ 110 NWJC コンプリートを手にしたら、こんな風に楽しんでみたいとか、行き慣れた場所にこのバイクで行ったらまた違った楽しさを感じられるんだろうかと期待を抱いています。

ライダー S.O

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