バイク屋の備忘録

CB400ss-TMとSR500TMで能登へ

11月に入ると朝晩の冷え込みも厳しく10度以下となるところも増えて、山々は紅葉も終わり高いところは落葉しているから冬将軍は間も無く降りてくる。これからの数ヶ月は天候にもより少々窮屈となるが、今シーズンはどんなふうに楽しむ事が出来るだろうか。

先月は天候にも恵まれ、空冷ボンネビルT100とSR500TMを駆って定番の西を連続して楽しみ、カブ110NWJCコンプリートType2でもキャンプを楽しみ、バイク三昧の日々を満喫する事が出来て何よりであった。

10月最後の土曜日はカブ110NWJCコンプリートType2を駆って皆とキャンプを楽しんできた。

恒例となっている飛騨のアツシ主催のキャンプツーリングが予定されていたが、皆それぞれに忙しく日程が決まらないままどうするのかなと思いつつ、おっさんライダーは新調したテントを早く試したくてその前にキャンプに行くことを伝えると、予定の合ういつものメンバーは一緒に行こうかなとのことで、アツシ主催のキャンプも兼ねることになった。

カブキャンプは、西やんが乗るJA07型のプロトタイプ仕様からGさんとKTRさんが乗るType4まで、カブ110NWJCコンプリートが初代から現行のType4まで歴代の仕様が揃い、NWJC独自のカブComp歴代の楽しさや面白さなどその過程を振り返り、SL230TMをはじめツーリングマスター群の深化の過程や皆のバイクライフなど深夜までバイク談義で盛り上がり楽しい時を過ごす事が出来た。

翌日は新旧入り混じってワインディングを存分に楽しみ、紅葉が綺麗なところではスロットルが緩み夫々が思い思いに良き時間を過ごした。Type4を駆るGさんは午後一番からの仕事の為、朝一で引き返すことになったがソロでのワインディングや紅葉も存分に楽しむ事ができたとのこと。

キャンプを終えたその翌日、RBRのオヤジから電話があり、おっさんライダーがSR500TMで定番の西を楽しんだブログ「バイク屋の備忘録」を見て、SR500TMの旅バイクとしての乗り味と積載状態での操縦性や安定性など、他のSRとは一線を画した仕様を再度確かめたくてSR500TMを走らせたいとのこと。

元SRのカスタム屋としてはSRを旅仕様で楽しむことなど考えた事も無かったようで、以前SR500TMを走らせた乗り味は予想以上であり、SRのカスタムはカフェスタイルだけではないことに気づかれたようだが、積載状態での安定性や軽快な操縦性はカフェスタイルと比べても勝るとも劣らないその走りは意外であり、最近ではSRの旅仕様への問い合わせが時々あるようで、あの走りを再確認したいとのこと。

良き時代のアナログバイクを楽しむために、CB400ss-TMとSR500TMで能登へキャンプに行く相談が出来上がり共にキャンプに出かけるのは3年ぶりのこと。

TraditionalなSR500TMとCB400ss-TMの素朴な乗り味に旅バイクの機能を付加したツーリングマスターを存分に楽しむ事ができたのは何よりで、元SRのカスタム屋であるRBRのオヤジは、さらに熟成したSR500TMの走りは以前にもまして意外であり、SRの懐の深さと新たな魅力を実感されたようである。

(追記)RBRのオヤジさんは、TraditionalモデルのSR500(400)やCB400ssをツーリングマスターへと深化させることにより、フル積載でも気負う事も持て余すことも無く、自由気ままにフィールドを拡げてバイク旅を満喫できるその意外さと懐の深さを実感されたようで、「SR500TMとCB400ss-TMでキャンプツーリング」がブログでアップされました。

また、今回の能登でSR500TMを終始リードしたCB400ss-TMの走りは想像以上であったのではと思う。さらに熟成したSRを凌ぐその走りはワインディングでもヒラヒラと軽快で気を抜いているとあっという間に小さくなっていくのがミラーに写っていた。

XR400がベースの4バルブエンジンは回転が上がると力強さが増してくる特性を存分に発揮して、フル積載での操縦性と安定性などメーカー出荷のSTDからでは想像もできない走りは、NWJCツーリングマスターへの深化により新たな価値が付加されたようでSR同様に意外な走りを目の当たりにされたことと思う。

CB400ssを旅バイクNWJCツーリングマスターとして楽しむ

CB400ssのメーカー出荷のSTDでは積載力も無くリアサスはプリロード調節も出来ないシロモノで、純正のリアキャリアにも不具合があり販売中止となりとてもバイク旅を楽しめる車両ではなかったが、飛騨のアツシの要望によりNWJCツーリングマスターへと深化した経緯がある。

その後リターンライダーS・YさんのCB400ssもツーリングマスター(TM)へと深化させて、5月には3台のCB400ss-TMでツーリングを楽しんできたが、おっさんライダーはCB400ssをツーリングマスターへと深化させるコトになるとは思いもよらぬことで飛騨のアツシからの要望により具体化したのが真相である。

SR500(400)のカスタムと云えばカフェスタイルとなるのが一般的のようだが、それとは異なる発想で自由気ままにフィールドを拡げてバイク旅を楽しめるようSR500をツーリングマスターへと深化させる過程を興味津々で眺めていたアツシは、SR500をツーリングマスターへと深化させることができるならCB400ssでも同じようにツーリングマスターとして楽しみたいとの要望があった。

アツシはCB400ssがツーリングマスターへと深化すると確信していたようで、それは、林道や獣道を楽しんだトレッキング仕様のSL230が、欲張りなおっさん仕様から自由気ままにフィールドを拡げてバイク旅を楽しめるツーリングマスターへと大化けして、新たな価値が付加されたその過程をよく知っているSL230ツーリングマスターを共に楽しんでいるトレッキング仲間の一人だからである。

バイク屋のおっさんライダーが40数年ぶりに再びSR500に乗る機会を得たことにより、SRでは定番のカフェスタイルとは一線を画して、自らが自由気ままにフィールドを拡げてバイク旅を楽しむためにツーリングマスター仕様を企画して、違和感や問題点を見出し対策する過程はバイク屋の実体験としては面白く楽しいことで、SR500(400)による新たなバイクライフを提案できることにもなった。

アツシの場合は、カミさんと共に長年楽しんできた愛着のあるCB400ssは家族のようでもあり、ダウンサイジングしてバイク旅を楽しめるツーリングマスターへの深化であり、同じツーリングマスターへの深化でもその成り立ちには大きな違いがあったように思う。

余談だが、アフリカツインのネーミングとトリコロールのカラーリングに所有欲をあおられて、売るがための提灯記事に止めを刺されたアツシだったが、CB400ssがツーリングマスターとして新たな価値が付加されたことにより、価値ある道具は所有欲に勝るとしてガレージの奥でオブジェ化し始めていたアフリカツインを早々に手放した事は何よりである。

ダウンサイジングしてバイク旅を楽しむための問題点

SR500(400)やCB400ss等も含み持て余すことの無い車格へのダウンサイジングは、より自由気ままにフィールドを拡げてバイク旅を心地よく楽しめるのではと思いはじめたのは12年前に水冷シングルのCBR250Rで北海道ツーリングを楽しんだ事からで、ダウンサイジングすることはゆるやかな放物線を描くようなバイクライフを満喫できることにも気づいた次第である。

その後、より小排気量のカブ110NWJCコンプリートを企画して列島縦断を楽しみ、日本の道はダウンサイジングすることにより、持て余すことなく単調な線からより複雑な線を描きながら自由気ままにフィールドを拡げてより面白く楽しめると、バイク屋のおっさんライダーは確信することができた。

しかし、カブ110NWJCコンプリートを除き排気量や車格が小さくなればフレームも細くきゃしゃになるため、大型のツアラーやアドベンチャーのような積載を前提とした耐荷重性と剛性は無く、心地よい走りを楽しめないのが現実であった。

気負うことも無く自由気ままにフィールドを拡げてキャンプなども楽しむバイク旅では積載力が必須となり、VTR-Fも積載力への対策などを施してBigバイクと共に北海道ツーリングへ出かけて遜色の無い走りで楽しむ事が出来たが、ダウンサイジングした軽量コンパクトな車格への積載は、メーカー出荷のSTDでは操縦性や安定性に違和感や問題があり存分に楽しめないことも現実である。

積載力はメーカー出荷のSTDに大型リアキャリアを組み込めば対策できるようにも思われがちだが、積載状態で走らせればすぐに判ることで、積載量が増えたりある速度域を超えると、フレームがよじれた様な感じでグニャグニャしてハンドルが振られたりして心地よい走りが楽しめない事は、メーカー出荷のSTDのツーリングセローやCRF250ラリー等でも多くのライダー諸兄が実体験されている。

積載状態を気にすることも無くバイク旅を楽しむためのNWJCツーリングマスターへの深化は、足回りをはじめ各部に対策を施す事により、同じ車両とは思えない操縦性と安定性を発揮して自由気ままにフィールドを拡げてバイク旅を楽しめる納得の1台であると自負している。

TraditionalなSR500やCB400SSを駆ってバイク旅を楽しむ

昔ながらのCB400ssやSR500はNWJCツーリングマスターへと深化することで、判りやすいことと物足らなさは、人車一体により五感で操ることによる面白さと楽しさに気づくことであり、ツーリングマスターのコンセプトである「速さより心地よさと、何かに特化しない曖昧さに、和洋折衷のような大らかさ」の本質を実体験できる魅力でもあると考えている。

また、フル積載で何日も何百キロと走り続け道すがら自由気ままにフィールドを拡げて心地よく楽しむために、スペック、カテゴリーなどに囚われることのないSR500やCB400ssの軽量スリムな車体と空冷Bigシングルによる素朴な乗り味はそのままのTraditionalモデルによりNWJCツーリングマスターのコンセプトを具体化して提案するに至った次第である。

昨今流行の昔っぽい外観のモダンクラシック風バイクは、ABSブレーキ・電子スロットル・トラクションコントロールなど電子制御満載で、ライダーの技量の低さを補うことでスキルアップの妨げになっているようでもあり、操っているつもりが操られていることに気づかない勘違いしたライダーも多く、死亡事故が増えているのも事実であり、所有欲は満たしても得るものより失うものが大きいようにすら思う。

バイク屋のおっさんライダーは、バイクは危険な乗り物であるがバイクのスペック任せの道具主義ではなく、価値ある道具でもあり良き相棒として共に素敵なバイクライフを満喫するために、Goodコンディションのバイクによるライダーのスキルアップが必須であることを常に提案したいと思う次第である。

この記事の車輌・パッケージ(仕様が異なる場合があります)

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