2016年はカブ110 NWJCコンプリートで始まった
老いに抗いながらもまた一つ歳を重ねることになった。歳を経るうちに価値観というか価値基準が変わり、バイクライフに於いても少なからず変わり始めている事を実感している今日この頃である。
昨年12月はHondaのフラッグシップGoldWingを駆って、乗り納めのロングツーリングを楽しんで2015年バイク三昧の日々を無事に締めくくることができた。
乗り始めはいつものメンバーと始まるのだが、今年は其々の都合により日程が合わず、2016年バイク三昧の日々は、昨年末のGold Wingとは対照的なカブ110コンプリートを駆っての3泊4日キャンプツーリングから始まった。
早朝5:30はまだ闇の中、夜明けは遅く日没は早いから、ツーリングを楽しめる時間も短くなっているこの季節。
冬期ツーリングは、突然の凍結路面や積雪路面に出くわすこともあるから、スノータイヤに履き替えたカブ110コンプリートであれば道を選ぶことも無いのだが、日没と同時に寒さが身に染みることを実感するようになったこともあり、走行距離は200Km~300Km程度に抑えて楽しむ事にしている。
平均年齢
ソロでのんびりフラフラと楽しむ予定だったが、村田さんが1日遅れで合流できることになり、知り合いのバイク屋の小藤さんも参加したいと連絡があり、カブ110コンプリート3台でツーリングを楽しむことになった。
→バイクショップ可児 『2016年初乗りはカブ110NWJCコンプリートで中四国へ』
ライダーの平均年齢は昨年で52歳とも53歳とも云われている。今回のツーリングは40代 50代 60代の各世代が其々一人ずつ参加して平均年齢54.6歳となっているが、少年時代となんら変わることのない熱い遊び心でバイクライフを満喫できるのが、オッサンライダーの真髄である。
キャンプツーリング
四国本島を走るのは、山梨の谷名さんとボンネとスクランブラーで走って以来だから10年ぶり、キャンンプは20数年前にHONDA ST1100を駆って、阿南方面の綺麗な入り江の松林でキャンプしたとき以来となる。
再び同じところでキャンプできればと、ツーリング記録を見てもキャンプ場の名前が無い・・・、うろ覚えの記憶をたどってもどこのキャンプ場だったのか思い出せない。でも阿南方面でキャンプしたいと思っていたから和歌山港よりフェリーで徳島港へ渡った。
1泊目阿南方面、2泊目しまなみ海道の見近島、3泊目中国山地を超えて鳥取北条砂丘附近、とすべてキャンプの予定だったが、小藤さんにトラブル発生のため3泊目はキャンプを中止して岡山県津山のビジネスHで宿泊することになった。
村田さんは、宇野港からフェリーで高松へ渡り、打ち合わせ通りに伊予三島附近のR11を走りながら待ち時間なしで自然に合流できた。3台のカブ110コンプリートは見近島へ向かう。
→七馬力紀行『カブ110NWJCコンプリートで1,000km越えのロングツーリング』
キャンプ2泊目の見近島は貸切状態で、キャンプするのは我々3人だけのよう。強風の中で其々にテントやタープを張るが、小藤さんのタープはポールが曲がって設営前に撤収となった。
村田さんのタープは強化されたポールで強風でも問題なく、冬季のキャンプツーリングも楽しめるよう装備は万全のようだ。今回は小型の焚火台を使って炭火で暖をとり、ウイスキーの湯割りを呑みながらくつろいでいた。
それに比べて小藤さんは寒さが相当こたえて眠れなかったようだ。まだまだ若いつもりなのか、年甲斐のない軽装備では当然のこと。バイク用のプロテクターや防寒装備と同様に、キャンプの装備も重要である事を骨身にしみて実感されたようだ。
バイクライフ同様に、何等かの情報による疑似体験よりも、実体験により経験を養うことは何よりだと思う。
オッサンの定番は西日本
見近島でのキャンプを終えて、しまなみ海道を抜けて尾道から北上して、庄原、日南、北条を目指す予定だったが、小藤さんが軽装備のためキャンプを取りやめて津山を目指すことにした。
西日本は瀬戸内海と日本海に挟まれて、中央にはなだらかな中国山地を中国道が貫いて、一般道は縦横無尽に張り巡らされて変化に富んだ色んな道を楽しめる魅力がある。カブ110コンプリートであれば道がつながっていれば細く険しい峠道もBigバイクとは一味違う面白さで楽しめる。
道沿いに拡がる綺麗な田園風景のなかに、旧いFORDのトラクターがいつもポツンと停まっているが、それはオッサンだけの道導である。
定番ルートの道すがら、お気に入りの風景を眺めるポイントなど独自の道導をいくつか設けて、感覚的に走行距離や所要時間をつかむ目安にしている。カブ110コンプリートからBigバイクまで車格や排気量に関わらず、走行距離に囚われることなく、ゆとりのあるツーリングを楽しめるのである。
バイク屋としての実体験
バイク屋North Wing JCは、乗りこなすよりも使いこなせる車両を駆って、速さより心地良さで走り続ける楽しさを提案しているから、皆さんからの違和感や問題点などについての声は、バイク乗りとしての実体験により同じ目線で捉えるためにも欠かせない活動だと考えている。
より良いコンディションに深化させるために、違和感の原因について100~200Km程度のチョイ乗りでは気づかなかったことでも、走り慣れたロングルートであればこそ、違和感を見極めて対策のヒントを得る場合もあり、深化させる絶好の機会が生まれていることを過去の経験から実感している。
メーカー出荷状態では違和感を覚えることが多かったトライアンフ 空冷モダンクラシックシリーズでも、心地よい走りのNWJC2014仕様へと深化したのは、定番ルートをバイク乗りとして楽しんだ実体験がベースとなっている。
違和感について
メーカーや車種を問わずシックリこない、という感覚は違和感である。乗り続けて消え失せる場合も有れば、長い距離を走ってバイクとの一体感を探っても違和感が解消されない場合もあるが、雑誌等のレビューでは、良い点だけを強調して、違和感に触れていないのはなぜだろう、単なる商品紹介だからなのか・・・・。
それは、ライダー自身のスキルの問題か車両本体の問題なのか、一般的には乗り慣れれば・・・というライダーのスキルによる対処となっているように思えるのだが・・・・。
各部を馴染ませた後、初回点検にてオイル・オイルフィルターの交換と診断機によるチェック程度では問題が解消しない場合も当然あるが、違和感の原因を見極めることも無く、対策としてマフラー等のボルトオンパーツを取り付けるだけでは違和感をすり替えるだけで何ら問題は解決しない。
カブ110コンプリートは深化している
カブ110コンプリートも、長く走り続けると違和感を覚えるところが色々あったが、各部を見直して更に心地よい走りを得る為にもロングツーリングを定期的に楽しみたいと思う。
今回はNWJCオリジナルパーツのシートスタビライザーなるものを装備して走らせているが、昨年5月の列島縦断ではスクリーンやサイドラックなどの試作を実走チェックしたが、楽しみながら列島縦断することにより、新たな違和感がヒントになり、NWJCオリジナルパーツが生まれた。
村田さんのカブ110コンプリートは、カブ110コンプリート専用のサイドラックに、少し入荷状況が思わしくないが、完全防水でカブには程良い大きさのWolfman製サドルバックとシートスタビライザーを装着して、バイク屋NWJCのオッサンライダーが使っているカブ110コンプリートと同じ仕様となっている。
サドルバックにより積載量がUPしても安定感のあるライディングポジションを得ることが出来て、その深化を実感されてご満悦のよう。また、冬期用に準備したEPL製エンジンオイルの試作品をモニター依頼している。
ツーリングの後半、日本海側は雨か雪予報だったから最終日は覚悟していたが、雨にも雪にも降られること無く湖北で夕暮れを迎えた。今回のツーリングでは初めての綺麗な夕日を眺めながら、無事にツーリングを終えることが出来た。
Cub110コンプリートから始まった今年も、排気量や車格に関わらず大いにバイク三昧の日々を過ごしたいと思った次第である。