バイク屋の備忘録

SR500-TMでも定番の西を楽しむ

春は心地よく始まったが、猛暑の夏は長く、バイクを心地よく楽しめる秋は瞬く間に過ぎ去り、今年もあと2か月となり飛騨では雪が舞い冬将軍がすぐそこまでやって来ているようである。

定番の西をそれぞれに魅力的なお気に入りで楽しんでいるが、空冷ボンネビルT100をタンデムで楽しむ事もまだ残っているし、SL230-TMをバージョンUPすることも少し遅れ気味で・・・と、まだまだ楽しみたいことばかりであれこれ思う今日この頃。

定番の西にて、9月中旬はカブ110NWJCコンプリートType4を駆り約1,100Kmを自由気ままに駆けて最強の旅バイクを満喫。10月初旬は元祖モダンクラシックの空冷ボンネビルT100-2014仕様ならではの心地よいアナログ感で1,900km程度ほど楽しんできた。

10月中旬は少し肌寒いなか、何かに特化しない曖昧さによる素朴な乗り味が魅力のSR500-TMで一般道から高速道まで1,600Kmほどを駆け抜けて楽しんできた。

定番の西は800Kmから2,000Km程度の道のりで、日帰りから最長2泊までで長年楽しんでいるが、日本神話から南北朝時代ゆかりの地なども訪ね歩き、定番だからこその季節の移り変わりの一期一会を楽しみ、道標的な地点のいくつかは毎回立ち寄っている。
それぞれに魅力的なお気に入りを駆って素敵なバイクライフを満喫できることは何よりである。

今回楽しんだSR500-TMのベース車であるSR500は、時代に流されること無く40数年守り続けた不変性はバイクと人の間に電子制御装置などが介在することやスペック云々でも無く、操る人の五感を第一とした拘りと一貫したモノ作りが魅力の名車である。

昨今流行の昔っぽい外観とネーミングのバイクは、ABSブレーキ・電子スロットル・トラクションコントロールなど電子制御満載は快適性や安全の為とのことだが、ライダーの技量の低さを補うことでスキルアップの妨げになっているようでもあり、操っているつもりが操られていることに気づかない勘違いしたライダーも多く、最新テクノロジーが人にやさしく優れているわけでも無く、得るものより失うものが多くあるようである。

SR500(400)は、キックによるエンジン始動に始まりブレーキング、アクセルワーク、コーナーリングなど、ライディングは何度も繰り返すうちにそのコツを掴むことでスキルアップしていることが実感できる。素朴な乗り味は判りやすく物足りないことは人車一体で補い、操る楽しさによりライダーの感性が磨かれている。

SR500(400)は乗り続けることにより、バイク本来の面白さに気づかせてくれる素朴な乗り味が魅力のよき時代の名車であり、希少だから云々市場価格が云々などの価値観とは異なるその価値に気づくことができれば幸いである。

SR500ツーリングマスター(TM)を楽しむ

今回楽しんだSR500-ツーリングマスター(TM)は、積載状態でも操縦性や安定性には何ら問題も無く自由気ままにフィールドを拡げてバイク旅を楽しむ事が出来るが、メーカー出荷のSTDは工業製品としては完成品だが、ボルトオンパーツを組み込んだ程度では積載状態での操縦性や安定性には違和感があり、旅バイクとしては未完成で未熟であることはツーリングマスターへと深化させる過程で実感している。

STDのSR500にメンテナンスを施しコンディションを整えて普段使いから自由気ままにフィールドを拡げてバイク旅を楽しむためには、積載状態での違和感や問題の症状を日帰りツーリングで確認することから始めてその後対策のモディファイを施し、フル積載でも心地よく走ることができるようリアキャリアKitや専用スクリーンなどNWJCオリジナルを企画してバイク屋の実体験に基づき心地よく楽しむために具体化している。

SR500-ツーリングマスター(TM)は、フル積載状態でも自由気ままにフィールドを拡げてバイク旅を楽しめるが、STDのSR500では積載状態で操縦性や安定性に違和感を覚えることも多く、こんなものと妥協することとなり、心地よい走りを楽しめることが意外に思うライダー諸兄が多いことであろうが、SR500(400)の良さを引き出してバイクライフを満喫して頂くキッカケとなれば何よりである。

NWJCツーリングマスターは積載力に拘る

バイク旅の楽しみ方は10人10色でそれぞれだが、おっさんライダーは人車一体でライディングを楽しむ事はもとより定番ルートならではの見慣れた風景の中で季節の彩り等、速さより心地よさで道草も含みバイク旅を楽しんでいる。

季節にもよるがソロで出かけるときは夜明けと共に走り始めてお気に入り地点ではコーヒーを淹れて何かを口にしてノンビリすることもあり、日本神話や南北朝時代ゆかりの地などを訪ねて楽しむことや、はっとするような風景に出会えばその場でしばらくノンビリ過ごすことはよくあることで、そのための小道具は常備しているから積載力は必須であり、積載状態でもそれを気にすることの無い心地よい走りは必須である。

経験豊富なライダー諸兄も、大型ツアラーや大型アドベンチャーへの積載では重く持て余すだけで違和感や問題はなかったが、持て余すことも気負うことなく楽しみたいと軽量コンパクトな車格へとダウンサイジングすると、積載状態では安定性に乏しく速度が上がると乗りづらくて楽しめないという事はよく耳にするが、ツーリングマスターへと深化すると大型バイクの時より乗る機会が増えて走行距離も延びているようである。

また、STDでエンジンコンディションが整っていれば積載量が僅かであれば何ら問題が無くても、量が増えると操縦性や安定性に違和感や問題が発生する車両が多く、キャンプ道具等を積み込んで操縦性や安定性に違和感があればバイク旅を心地よく楽しむことができないのが現実である。

しかし、こんなモノと妥協することではなく、お気に入りのバイクを心地よく楽しむための対策は必ずあるから、バイク屋NorthWingJCでは乗り出してから始まるバイクライフをバイク乗りの目線で応援している。

SR500で素敵なバイクライフを満喫するために、バイク屋の実体験に基づいたNWJC独自のメンテナンスとモディファイを施して、普段のチョイ乗りからフル積載のバイク旅まで自由気ままにフィールドを拡げて楽しめる意外さと懐の深さを引き出し、何かに特化しない曖昧さが魅力のSR500ツーリングマスターとして蘇らせて楽しめることは嬉しい限りである。

SR500-TMの心地よい走りを楽しむ

エンジンコンディションを整えて、長い時間走り続けるためのコンフォートシートは人車一体のためにも必須で、防風雨効果の高いオリジナル専用スクリーンを装備して、積載状態でも軽快にワインディングを駆け抜けるリアキャリアKitを組み込んだSR500-ツーリングマスター(TM)でのバイク旅が面白い。

一般道ではエンジンが2,000回転を超えていれば5速のままでタッタッタッタと蹴りだすような鼓動感が心地よく、自動車道では3,000から4,000も回っていれば小気味良い鼓動感は薄れて滑らかさを増しながら流れをリードして悠々と長距離を走り続けることができる。

因みにファイナルドリブンスプロケットはSTDの56から54Tへとロングに変更しているためか、蹴りだすような心地よい走りは軽快感を増しているようにも感じている。

積載状態でワインディングを少しオーバーペースで駆けるとフレームがたわんでいる感もあるが、オリジナルのリアキャリアKitによる補強はヨレで前後が違う動きをすることも無く積載を意識することは全くない。

下りでは少し強めのブレーキングでフロントフォークがたわみ少しバタつく事もあるが、判りやすさは何ら不安も無く、物足らなさは人車一体で補う面白さで軽快に駆け抜けて、SR500-TMの何かに特化しない曖昧さはトータルバランスの良さでもあり、素の良さを引き出した心地よさで存分に楽しむ事ができる。

エンジンや足回りにブレーキなど、パーツの組み換えによる高性能化が一般的に定番のようだが、自由気ままにフィールドを拡げてバイク旅を楽しむためのシートは重要な機能パーツだがSRのSTDシートでは頂けないから、長時間走り続けてもストレスもなく安定感があるコンフォートシートは必須である。

日本車の場合、売るために足つき性を高めるローシートへの提案が大半で、快適に走り続けるためのコンフォートシートなるものが殆ど存在していないのが現実で、乗り出してからのバイクライフを意識した海外のバイクメーカーとは2輪文化の違いを痛感することがよくあったが最近ではどうでもいいことで、バイク旅を楽しむための相談があれば過去からの実体験により最適な提案が出来ればと思う。

余談だが、トライアンフ空冷モダンクラシックのシートはボンネビルでもスクランブラーでもシートが前下がりのため、腰が前へ前へと押し出されて止まるたびに腰を後ろへ下げることを繰り返していたが、NWJC2014仕様は燃料タンクとシートの裏側を僅かに追加工することで腰のすわりは全く別物で快適となり、シートは人車一体で楽しむための重要な機能パーツであること改めて実感したことがある。

エンジンや足回りにブレーキ等の高性能への特化は一般道では気負うことも無く自由気ままにフィールドを拡げて楽しむ事が出来なくなるようで、全てがわかりやすく、物足らなさも人車一体で心地よく、SR500のSTDの良さを最大限引き出したSR500-TMの何かに特化しない曖昧さによる素の良さと意外さを存分に楽しみたいと走らせるたび思う次第である。

この記事の車輌・パッケージ(仕様が異なる場合があります)

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