カブと云う名のツアラーについて 前編

2016年8月に購入したカブ110NWJCコンプリートの走行距離が30,000kmを越えました。
この節目を機に遅ればせながらカブ110NWJCコンプリートについて感想や大型バイクとの比較を綴ろうと思います。

カブ110NWJCコンプリートとの出会い

近距離ツーリング兼生活の足として”積める原付二種”をWEBで検索していたところカブ110NWJCコンプリートに辿り着きました。

カブ110NWJCコンプリートの仕様がどうなっているか知りたくて諸元表(相当)を探すもその様な物はあるはずも無く、代わりに実体験を記したブログが全てを物語っていました。

実際に乗ってツーリングをした感想をそのまま披瀝している訳ですから読んでいて実感が湧きやすいのは必然。ブログを読み進むにつれカブ110NWJCコンプリートが何故カブProをベースに作られているのか、どんなコンセプトで作られたのか伝わってくると共に、バイク屋としての在り方も他店と違うなと感じ始めました。

物売りがバイクを商材として販売しているのではなく、バイク屋のバイク乗り自ら仕立てたバイクをバイク乗り自らの手で提案(共有化)している唯一無二のお店。
思い起こせば、仮に諸元表があったとしてもそこから得るものは何も無かったかと。

カタログやデータシートを見たところで、そのバイクに乗ってみた時のことをリアルに想像することができないでしょうから。
ALUTECの箱にも惹かれました。トップケースはバイクのマストアイテムだと信じていますので。

NWJCを訪問し高田社長からカブに対しての思い等々を拝聴、そして実車を一目見て「これ以外の選択肢は無い」と感じ現在に至ります。

ツアラーの定義とは

カブ110NWJCコンプリートを購入した当時は、大型バイクとカブで二足のわらじと棲み分けを想定していましたが、今となってはカブ110NWJCコンプリートばかり乗って、大型バイクはメンテナンスこそしているものの盆栽と化しています。

決して大型バイクに不満があって乗らなくなった訳では無く、カブ110NWJCコンプリートで事足りてしまっているから出番が無いのです。

所有している大型バイクですが、カワサキのER-6fという650cc乾燥重量が170kg台、マス集中設計、パラツインという仕様の乗りやすいバイクです。取り回しが楽で乗り手に優しいバイクです。

前置きはこのあたりで・・・
私は「カブ110NWJCコンプリートはツアラーである」と声を大にして言いたい。異論は認めない。

カブ110NWJCコンプリートと出会うまでは、荷物をてんこ盛りに積めて、高速巡航できるバイクこそツアラーだと思っていました。
カブ110NWJCコンプリートが、ツアラーと主張する理由が3つあります。

ツアラーと主張する理由その1は、車体剛性の高さと安定感。

所有のER-6fは、サードパーティーのキャリアを装着してフルパニア仕様にしているのですが、積んだ分だけ車体の重心がずれてしまい走りにくくなり、コーナーで車体がよれてお尻がワンテンポ遅れて反応する感じが顕著になります。

積載時に車体がよれる現象について「バイクってこういうものなのだ」と割り切っていましたが、カブ110NWJCコンプリートの特性はそれと異なりサイドバッグを装着しても、或いはトップケースの上にさらに荷物を積んでも安定性に変化なしの平常運転。

14インチホイールにより車体剛性が高いことと低重心による安定感で、いつも通りの走りができるという事を実感しました。

14インチホイールのカブProは積載を前提として設計された車体をベース車にして、バイク屋自らが実走行を繰り返し、細部までモディファイされたカブ110NWJCコンプリートだからこそこの剛性感と積載時の安定感を実現できているのだと思います。

私のER-6fにも当てはまる事ですが、積載を前提として設計されていない、もしくは単にキャリアを着けただけのバイクだと、積載時に車体がよれてしまい終始荷を意識してしまうのではないでしょうか?

荷物があるから峠を避けようとか、車体の倒し込みを少なくしようとか思いながら自重した走り方になってしまうと思います。

それに対してカブ110NWJCコンプリートだとそんな事は要らぬ心配で、つづら折りの坂だろうと中高速コーナーだろうと、フル積載で遠慮無くいつも通りの走りが可能です。

ツアラーと主張する理由その2は、疲労感の少なさ。

バイク乗りにありがちな”今日一日よく走ったなぁ”という感覚が良い意味でありません。

カブ110NWJCコンプリートは”よしっ、今日は走るぞ”と意気込んで乗るバイクではなく、例えるなら自転車で近所のコンビニへ行くような軽い気持ちで繰り出して気づいたら遠くまで来てしまった、という感覚で乗れてしまうので疲労を感じにくいのです。

シートの厚み故にお尻も痛くなりませんし体力の続く限りエンドレスで走れてしまいます。
一見、パワーのある大型バイクに分があるように思えるのですが、同じ距離を走ったとしてカブの方が明らかに体は楽なのです。

ツアラーに積載力は必須です。フル積載での走行中の安定感や走行後の疲労感の少なさは、他を凌駕しているでしょう。間違いなく。

1日991kmの距離を走行したこともありますが、カブ110NWJCコンプリートなら頑張って走ったという感じではなく、軽い気持ちで繰り出して気づいたら遠くまで来てしまった、という感覚です。

まさに旅バイク、これぞツアラー。

出先で駐輪場に悩むことが少ないという精神面のメリットも大きいかと。

ツアラーと主張する理由その3は、誰でも気兼ねなく扱える性能である事。

スロットル全開で走らせられるカブは乗っていて実に気持ちいいです。決して非力だから全開にしている訳では無く、大型ツアラーと比べても遜色のない積載量でも、持て余すことなく使いこなせることに充実感と満足感があります。
日本の道路事情を考慮すると400cc未満で事足りるかと。

私的偏見ですがサーキット走行をしたいのならまだしも、明確な目的もなくオーバースペックのバイクを購入したら、持て余して扱いきれない「じゃじゃ馬」に躊躇して、乗る機会が遠のくだけではないでしょうか?

乗らないバイクなんて1/1スケールのプラモデルでしかないと思っています。カブ110NWJCコンプリートなら使い切れてその上ライテクも必要としない。

カブ110NWJCコンプリート以上に”万人受け”の言葉がぴったりなバイクって他にない気がします。

カブ110NWJCコンプリートの積載力は、大型のマルチパーパス系に勝らずとも劣らないですが、走行中の安定感や走行後の疲労感の少なさは他を凌駕しているでしょう。間違いなく。

後編に続く

文:H.H

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