カブ110NWJCコンプリートで初のロングツーリングへ
SL230TMを日々走らせ、ジャストサイジングの魅力に触れて、これからのバイクライフについて色々な方面から考えることが楽しくなってきた。
カブ110NWJCコンプリートについて気になることがある。それは、カミさんとキャンプの予行演習に行ったときのこと。
トップケースに冷えたビールやお茶などと食材などを積み込んで、カミさんが九十九折れの峠を悠々と登って行くのを後ろから見て驚愕した。ウソだろあり得ない。そんなに乗りやすいのか?
一応、カミさんの為に増車したカブ110NWJCコンプリートではあるが、残念ながら盆休みは暦通り仕事らしく車庫に鎮座していた。
そうなればこの機会を逃すはずも無く、東北の地図をずっと眺めていた私は、北を目指すと宣言。
ただ、今まで長距離ツーリングをしてきたのは、自動二輪と称されるバイクで、高速も自動車専用道路も走ることができ、ツーリングの計画は今までの経験により私にもできた。
しかし、今回は原動機付自転車二種甲のカブ110NWJCコンプリート、ALL一般道いわゆる下道を延々と走るしか無いのである。一日に走れる距離は?給油は?疲労感は?判らない事ばかり。
唯一判っているのは!『荷物は十二分に積める、そして、安定して走ることができる!!』この安心感は、何事にも代えがたくありがたい。
目指すは、秋田鳥海山。
その先は出たとこ勝負ということで、カブ110NWJCコンプリートでは初めてのロングツーリングに出かけた。
初日は200Km
初日は、久々のロングツーリングそしてALLキャンプということもあり、準備に手間どり15時を過ぎての出発となってしまった。
先日、カミさんと近場のキャンプで予行演習をしていたので、荷物満載には不安は無かったもののやはり長距離を走るとなると、多少の不安は残っていた。
しかし、それも富山県境を通過するときには、カブ110NWJCコンプリートの軽快に走るフィーリングにより不安はどこかに消えていた。
普段は、チョイ乗り散歩で走っていたカブ110NWJCコンプリートは、不慣れでコーナーで少しふらつくような感覚になったこともあったが、荷物満載のカブ110NWJCコンプリートは、その本性を現したのかコーナーでのふらつきなんて皆無、むしろ満載のほうが安定して走らせられる。
そんな性能にヘルメットの中で笑みを浮かべながらの初日、上越までの200kmを走行。
二日目は350Km
二日目は、朝から猛暑の新潟。汗だくでテントを撤収し山形に向け出発。今回初めてのカブ110NWJCコンプリートツーリングでは、1日どのくらい走れるのか、分からないままの出発であったが、昨日から感じてはいたが2日目になりより実感したことがある。
周囲の流れを乱すことなく、軽快に走れて更に疲れないのである。スクリーンのフェアリング効果やファイナルレシオなど、絶妙なトータルバランスがその要因の大半なのかなと、感じつつ走らせる。
どこまでも行けそうだと好奇心を駆り立てられる。脇道寄り道も気負うことなく、行き止まりならクルリとUターンも楽にできる。
大型バイクならこうはいかないと車庫に入っているアフリカツインを思い出す。間違いなく今から私を楽しませてくれるのは、ダウンサイジングで楽しめるSL230TM仕様とカブ110NWJCコンプリートのようである。
そうこうするうちに、山形に入り酒田市の山の中でキャンプ。二日目は350kmを走り達成感と充実感に包まれてカブ110NWJCコンプリートを満喫することが出来た。
三日目も350Km
さて三日目の朝、鳥海山はすぐそこ。
沸き立つ気持ちを抑えつつテント撤収。山の中のキャンプ場ではバンガロー付近の整備はしっかりしてあるが、テント場は獣道のような道を入った所だった。
しかし、そこは荷物満載でも扱いやすく軽いカブ110NWJCコンプリートなら、遠心クラッチ効果も活かせて歩くような感覚でそろりそろり行けば問題なく行けてしまう。
そういえばこの前行った山之村キャンプ場では、カミさんが砂利道を同じように登ってきてしまい、『足つき良いし、軽いし余裕だよ』と言い出した。
最近車検を受けたCB400SSならば『よろしく上げて』の一言だったであろう
三日目ともなると、走るペースもわかってきて軽快に鳥海山の麓を走り、そしてつづら折れのブルーラインの登り坂を走らせた。
どうしても登り坂では、小排気量の宿命かスイスイという具合にはいかないが、だからといってストレスを感じることもない。
道脇の自然を感じながら開けたところでは、遠くに日本海を見ながら優雅に登って秋田入り。
カブ110NWJCコンプリートならではの、今まで気が付かなかった景色がたくさん見られた。
大型バイクではアクセル操作など走らせることに集中して気を遣いつつ、そんな景色もそこそこに高原の駅に着いていたようだ。振り返るとなんだか勿体ない気がする。
涼しい鳥海山をゆったり味わい軽快に下って、今度は会津若松へとカブ110NWJCコンプリートを走らせる。信号の少ない東北の道は、このうえなく気持ちがいい。
峠越えで福島県に入り、喜多方ラーメンを味わい会津若松に着いた。三日目も余裕の走行350kmである。
四日目の帰路は500Km
翌日から台風の予報なので、帰路につくことにした最終日の4日目。
会津若松を出発する時はそれほど感じなかったが、徐々に気温が上がり、只見を抜け魚沼市に入る頃には30℃を超える気温だった。
そんな中でもカブ110NWJCコンプリートは、軽快に前に進むのであるが、私が少々ダウン気味で上越のコンビニで凍ったスポーツドリンクを身体に当てて涼をとり、熱中症にならないよう予防した。
これまでの3日間を振り返って思うのだが、本当に気負うこと無く走れ、必死に頑張って距離を延ばすのではなく、気が付いたら『ここまで来てしまっていた』なんて感覚は初めての経験。
様々な状況下で煮詰めつつ進化を遂げてきたカブ110NWJCコンプリートだからこそ体感できる事であると断言できる。
クロスカブかC125かと迷うこともあったが、高田さんからの的を射たアドバイスにより、荷物を満載してのロングツーリングで、カブ110NWJCコンプリートの懐の深さとその実力に触れることが出来て良かった。
十数年前にエイプを購入し近所を走り回っていたが、雨具と多少の荷物は、なんとか括り付けて持って行けるが、一泊ツーリングに行こうなどとは考える余地もなく、ましてやキャンプなんて無謀きわまりない。
娯楽としては楽しめるが、やはり物足りなさを痛感する。趣味という域に達するには、同じ原動機付き自転車ではあるが、カブ110NWJCコンプリートには到底及ばないのが現実だと再認識している。
ただ、このエイプがきっかけで、うちのカミさんが中型二輪免許を取得し二人で楽しめるようになったことは、エイプに感謝している。
フェーン現象で38℃を記録した上越を抜け、R8にて親不知から富山に入り一気に飛騨まで走り、最終日の走行距離は500kmとなっていたが、軽快に走れて更に疲れていない。
私自身ロングツーリングでは初めての不思議な経験となった。
総走行距離は1,400km
カブ110NWJCコンプリートは、気負わず悠々と旅をしている充実感を十二分に味あわせてくれたが、小排気量のバイクでのロングツーリングは疲れるだろう、という一般的な感覚だけでは理解できないことだと思う。
「アツシ、若くないことを自覚したバイクライフは、新たな発見もあり、まだまだ面白く楽しめる事が沢山あるぞ。また、気負いやてらいでの若作りは見苦しい」と、高田さんからよく聞いていた。
そこで、今までのバイクライフとはひと味違った経験をさせてくれたカブ110NWJCコンプリートと、ジャストサイジングで楽しめるSL230TM仕様など、トータルバランスの整ったこだわりの車両の提供は、スペックやカテゴリーに囚われないNWJC独自の提案であることと、よく聞いた話を今回のツーリングで再認識できた。
総走行距離は1,400Kmとなり、まさに気負わず速さより心地よさで頑張らず走ることができて、今回のツーリングの充実感と共に、次回のツーリングでの出来事に期待を膨らませてくれる。
文:あつし