SL230とXR230 ダウンサイジングしてツーリング
GWはカブ110NWJCコンプリートで九州へ走り、7月恒例の十和田湖へはゴールドウイング1800をタンデムで走り、9月はSL230で久々のキャンプツーリングに出かけ、空冷ボンネビルT100ではロングツーリング気分のフル積載で日帰りツーリングを楽しむなど1人のバイク乗りとしてチョイ乗りからロングツーリングまで楽しんでいるが、相変わらず雑用に追われる日々である。
先月のカブ・キャンプツーリングで次回のツーリングはトライアンフ空冷スクランブラーを久々に皆で楽しむ予定であったが、村田さんがちょっとした事から腰を痛めて軽量なXR230なら無理をすることなく走れるとのことで、空冷スクランブラーからダウンサイジングした軽量コンパクトなSL230とXR230でツーリングを楽しんできた。
Kさんは町内の寄り合いのため半日遅れで空冷スクランブラーからXR230に乗り換えて後追いで合流することになった。
御大のオジは、家事手伝いのため一日遅れで翌日の早朝より空冷スクランブラーからSL230ツーリングパッケージに乗り換えて、大雑把に打ち合わせたルート沿いのどこかで合流できればと西へ向かって走り、いつものメンバーらしく極々自然に合流してきた。
SL230ツーリングパッケージに乗る里見君と料理長のNomu君、休日出勤苦労様です。
速さより心地よさで走り続けて楽しむ
村田さんは、おっさんライダーが最近ボンネビルT100を走らせた県道メインのルートを共に走り伯耆若桜へ向かった。若桜からKさんとの合流ポイントへのルートは何も決めていなかったから、村田さんの要望で収穫を終えた田園風景を眺めながら蒜山高原を目指した。
Kさんは高速道を使って合流ポイントを目指す道すがら高速道で新型のR1200GSは見かけたが旧型の1100・1200系はまったく見かけることは無く、一般道では新型の1200系も見かけることはなかったとのこと。また、アフリカツインCRF1000は1台も見かけなかった事がかなり気になるようで、乗っている人はどこを走っているのだろうか、前評判だけで本当に乗っている人は意外に少ないのでは、と首をかしげていた。
Kさんは、アフリカツインCRF1000を増車して毎年恒例の十和田湖へ走らせたが、空冷スクランブラーやBMW R100GS/PDと比べてアフリカツインCRF1000の良さや楽しみ方を未だ見出せずにいることも影響しているようである。
翌日は再び蒜山高原へ向かい大山を眺めながらのんびりとした時間を過ごした後、御大のオジと合流して地方道をメインに走りつないで帰路に着いた。
峠の九十九折れではヒラヒラと切り返して軽量である良さが存分に発揮されるが、オジのSLに装着されているハンドルバーはトレッキングと獣道を楽しむようトライアルバーを装着しているためかポジションが辛そう。オジ曰くハンドルは早々に変更したいとのこと。
村田さんとKさんは、トレッキングや林道ツーリングをメインに使ってきたXR230を走らせて、エンジンや足回りのバージョンアップをはじめ、快適に走り続けるために改良したシートの座り心地など各部をチェックする良い機会となったようだ。ロングツーリング用に積載力UPのツーリングキャリアが出来上がり次第キャンプ等を楽しみ積載時の操安をチェックしたいとのこと。
日本の道を旅するなら大型バイクよりも軽量コンパクトな車格へダウンサイジングしたほうが気負わず細いわき道へ逸れることも躊躇することなく立ち止まることも億劫ではなくなり、軽量コンパクトな軽2輪230へのダウンサイジングは大型バイクとは一味違う多様性のある面白さを其々が実感されて、次回はキャンプツーリングで楽しみたいとのこと。
バイク屋自らが楽しんでこそのフィードバック
SL230は発売から20数年経った旧い車両ではあるが、軽量コンパクトな扱える車格と使いこなせる230cc単気筒2バルブエンジンの特性など、おっさんライダーのお気に入りである。
ロングツーリングを楽しめるようエンジンや足回りなど各部を見直すと、トレッキングごっこや林道を楽しんだSL230とは異なる懐の深いツーリングバイクの顔を見せ始めるから面白い。
ロングツーリングにおける積載時の操縦性と安定性は、車格にかかわらずエンジンのコンディションや足回りなども含みトータルバランスが求められるから、バイク屋ノースウイングJCでは其々のバイクの良さを充分に引き出すためのメンテナンスやモディファイは、バイク乗りとしての実体験に基づいているから車両販売のための商品知識とは異なる事が多々ある。
バイク屋のバイク乗りとして自らが心地よく楽しむのであれば違和感や問題点などは、実体験に基づいた対策やモディファイとして形になり始めるから、様々な情報からの疑似体験+αだけでさもありなんのコピー&ペーストとは似て非なるものである。
積載力はロングツーリングを楽しむための必須項目
バイク旅の必須項目である積載力について考えてみると、ロングツーリングは積載力のある大型ツアラーで楽しむのが一般的のように思われているが、大柄な車体と重い車重に積載を加えると道を選ぶことなく自由気ままに楽しむにはライダーとしての経験とスキルアップが求められることになる。複雑な線を描くルートよりも高速道や幹線道路を走ることが多くなり、限られた時間でより遠くへと距離を稼ぎ出す傾向となる。
大型バイクに比べて気負うことなく扱える車格と使いこなせる排気量へダウンサイジングした軽量モデルは道を選ぶことなく自由気ままに速さより心地良さで走り続けて楽しめるのだが、ロングツーリングを充実させるための必須項目である積載力は重要視されていないのが実情である。
今回のツーリングでは普段使いを考慮したトップケースを装着して取り付け位置等のチェックもできた。取付け位置や容量などにより操縦性と安定性が欠けて心地良い走りを楽しめない場合があるから、取り付け位置や取付け方法などは重要である。また、取り付けベースとなるリアキャリアの強度不足により破損することもあるから信頼性の高いモノ選びが肝要である。
リアシートが小さく積載性に乏しい車両にツーリングネットを掛けただけでは荷物がグラグラと不安定で積載した荷物が横へずれて傾いたままの状態で走っているのを見かけるが、積載性は安全にも関わるため重要項目であると考えている。
年に1、2回の事だからと、車格の大小にかかわらず安易な積載方法による不幸な事故が起きていることも見逃せない事実である。
カブ110プロをベースとしたカブ110NWJCコンプリートがロングツーリングを楽しめる仕様として提案できるのは、積載力がありフル積載時の操縦性と安定性が巧くバランスしていることがロングツーリングを楽しむためには必須であると自らの実体験で実感しているからである。
軽2輪の250クラスで旅を楽しむ
シングルエンジンのCBR250では北海道を走り、九州へはゴールドウイングと共にツーリングを楽しんだが積載性とポジションには違和感があり早々にVTRのツーリング仕様を準備することにした。
VTR250はハンドルポジションをはじめ積載力や足回りを見直しツーリングバイクとしてのポテンシャルを高め大型バイクと共に北海道ツーリングを楽しんできた。積載力を付加してトータルバランスを整えたVTR250は、動力性能に不満はなく、軽量コンパクトであるが故に気負うことなく走り続ける楽しさがあり、ダウンサイジングした250クラスの多様性と面白さをロングツーリングで実感した次第である。
その後、道を選ぶことなく自由気ままに旅を楽しめるよう扱える車格とエンジン特性がお気に入りのSL230をベースとした「欲張りなおっさん仕様」を準備することが始まったのである。
スラクストン900に乗って北海道ツーリングを共に楽しんだ里見君は、今年の4月末からダウンサイジングしたSL230ツーリングパッケージで約1ヶ月間 日本各地をキャンプして旅を楽しみ、道を選ぶことなく自由気ままな旅の面白さを彼も実感した模様。
齢を重ねた経験豊富なベテランライダーたちがダウンサイジングの傾向にあるのは自明の理であり、カワサキやスズキからは250クラスで積載力のあるクロスオーバー的ツーリングバイクが発売された事は熟年ライダーには喜ばしいことだが、Hondaの250クラスでは積載力のあるクロスオーバー的ツーリングバイクが現行モデルに存在しないのは残念である。
おっさんライダーは、250クラスで存在感やスペックを誇示することよりも、気負うことなく扱える車格と使いこなせるエンジンを持つ軽量コンパクトなSL230でオン・オフ問わず自由気ままに速さより心地良さで走り続けて旅を楽しみたいと思う次第である。