バイク屋の備忘録

バイク屋のバイクライフ2017が始まった

相変わらずの成果主義が総てに優先している世の中だが、それらとは異なる価値基準をバイク屋のバイク乗りとして実感しながら、新年を迎えてまた一つ歳を重ねることになった。

スイセン

今年の初乗りは、いつものメンバーとカブ110NWJCコンプリートでキャンプの予定だったが天候が悪いため中止して、冬の花見ツーリングを楽しみ2017年のバイクライフが始まった。

「扱いきれる車格」「使いこなせる排気量」と「アナログ感」をテーマに、今年もバイクライフを大いに満喫できる日々を過ごしたいと思う今日この頃です。

2016年の乗り納めはVTRで

バイク屋のバイク乗りとしてその年を振りかえり、バイクライフを締めくくる乗り納めはソロで走るのが恒例だが、昨年とは少し勝手が違い、VTR に興味を持ったBSKの小藤さんから一緒にツーリングに行きましょうと意外なお誘いがあり、周りの山々が白くなりはじめた12月中旬にVTRを駆っての一泊二日のツーリングに出かけた。

VTR

天候が悪いのでフェアリング効果のあるVTR-Fで出かけることも検討したが、手ごろなサイズにダウンサイジングした効果を最大限に引き出して、ロングツーリングを自由気ままに楽しめるツーリングパッケージを準備中だから、前回の中国地方を走らせてから少し手を加えたその後の変化もチェックしたくて再びVTRを走らせることにした。

天候は全国的に雨模様で西日本から天候が回復するようだったから西へ向かって走り始めたが、外気温度が6度前後の中で雨も降り始め、おっさんライダーには寒さが身に凍みる季節であることを実感した。
しかし、速さより心地良さで走り続ける楽しさは四季を問わず変わりない。

VTR2

自由気ままなソロでもなく、いつものメンバー達とのツーリングは其々が楽しむスタイルをお互いに承知のうえだが、小藤さんのツーリングスタイルは何を求めているのだろうか。

何かと勝手が違うこともあったが、片道350km程度の乗り納めツーリングを楽しみ、バイク屋のバイク乗りとして2016年のバイクライフを無事に締めくくることができた。

バイクライフ2017

昨年5月のGWにスクランブラーでチョイ乗りツーリングを楽しんだいつものメンバーとカブ110NWJCコンプリートで花見ツーリングに出かけて2017年の初乗りを楽しんできた。

スイセン2

北陸方面へ向かって走り始めるとバイクと出会うことは一度も無く、午後より雨模様となったが、スイセンの花はちょうど見ごろを迎えて一面に咲いていた。

Kさん・NOMUくん・村田さん達のカブ110NWJCコンプリートは其々がお気に入りのカラーリングを施して楽しんでいる。その3台が揃うと赤・黄・青とまるで信号機のようで面白い。

トンネル

昨年の初乗りで村田さんにモニターを依頼していた冬季限定EPLオイルを今回は参加メンバー全員が使用している。寒さが厳しいこの季節でもシフトタッチは軽く、エンジンは滑らかに吹き上がりも良く、すべてにベストコンディションで軽快な走りが楽しめる。その違いにはメンバー全員が満足している。

ビッグバイクでは何ら気にすることもない僅かなことでも、持てる力を余すことなく使いこなして楽しむカブ110NWJCコンプリートでは、その違いを明確に感じられるのは面白く新鮮である。

いつものメンバーは、ロングツーリングのために積載性と使い勝手の良さそうなツーリングバックを見つけて、固定方法に少し改造を加えて使い勝手など、今シーズンのツーリングに備えて其々がチェックしていた。

長年バイクライフを共に楽しんできた「いつものメンバー」の多くは、SL230やXR230でトレッキングごっこを楽しみ、すべてにコンピューター制御された最新のビッグバイクには興味がなく、アナログ感があり快適さよりも感性で楽しめるトライアンフ空冷モダンクラシックのスクランブラー・T100・スラクストンやBMW R100シリーズなどのビッグバイクも楽しみ、ライディングは感性で楽しむことを長年の経験により培っている。

スクランブラー4台

また、ビッグバイクでのツーリングでは、より速くより遠くへの単純な線を描くのが一般的だが、カブ110NWJCコンプリート等へのダウンサイジングにより、複雑な線から面へと多様性が発揮される面白さも知っているから雪を期待していたようだったが、残念ながら雪は降らず雨の中を走り続けて無事に初乗りツーリングを終えた。

冬季の積雪路面ではロードインフォメーションに細心の注意を払い、感触を確かめながらすべてに丁寧な操作が求められるから、トレッキングごっこ感覚も楽しめてカブ110NWJCコンプリートならではのバイク・ワールドにはシーズンオフが無く、四季を問わずバイクライフを存分に楽しむことが出来るのが魅力である。

長年に渡っておっさんライダーにお付き合い頂いている、村田さんやいつものメンバー達と共に今シーズンもアナログ感とダウンサイジングをテーマに、次元の違うバイクライフを楽しみたいと思う次第である。

→NWJC公式サイト『バイクは健康療具:平成29年 初乗りツーリング』

アナログ感とダウンサイジングで楽しむ

大型免許を取得して経験の浅いライダーやブランクのあるライダーは、全てにコンピューター制御されたビッグバイクにも興味があるようで、長年にわたりバイクライフを楽しんできたベテランライダー達の多くが、ダウンサイジングやアナログ感を意識する傾向とは対照的であるように思う。

ビッグバイクでもコンピューター制御などの技術革新により、初心者でもいともたやすく扱えるかのようなレビューが雑誌やインターネットで見かけるが、メーカーの商品説明を代弁しているようにも思える。また、違和感や問題点などにはほとんど触れることもなく、ライダーのスキルアップにもほとんど触れていないのが最近の傾向では・・・。

生活用品としての家電やコンピューター制御などを駆使した車は、少子高齢化などの要因も含み、より便利に安全性を求めて事故を抑止するかのようなブレーキシステムから自動運転へと進化し続けているが、趣味のバイクではライダーのスキルアップがあってこそ安全に扱える乗り物だから大きな違いがあると云える。

ゲームやパソコンは操作を誤ってもバイクのように不幸な結果を招く危険性は無いが、50代の死亡事故が10年前に比べて倍増している現状と、コンピューター制御などにより高性能化したバイクであればスキルアップもしないで操れると勘違いするような情報も氾濫しているが、無関係といえるだろうか。

スマホゲーム

日本のバイク業界は市場規模の縮小に伴い、各バイクメーカーや輸入車を扱う各インポーターの○○ジャパンなどでは、コンピューター制御を満載したビッグバイクの販売台数を最優先する台数至上主義が更に激化して、自動車ディーラーと同じようにメーカーカラーを鮮明にした店舗での販売が最優先のバイクビジネスが主流となって行くのがこれからの時流のようだ。

人とバイクの間にコンピューター制御など余分なものが介在しないトライアンフの空冷スクランブラー、空冷ボンネビルやR100RTなどの「アナログ感」と、カブ110NWJCコンプリートをはじめ軽量コンパクトなVTR・SL230・XR230など「扱いきれる車格と使いこなせる排気量へのダウンサイジング」は、線から面への多様性が発揮されて、速さより心地よさで走り続ける楽しさにも次元が違う充実感がある。

バイク屋のバイク乗りとして自らがバイクライフを楽しみ、実体験に基づいた素敵なバイクライフへの提案など、販売がすべてに優先される台数至上主義のバイクビジネスとは一線を画したバイク屋でありたいと思う次第である。

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