JA07型 カブ110NWJCプロトタイプでキャンプに

お盆恒例のキャンプツーリングは、タイガー・エクスプローラーを予定していましたが、参加予定だった皆さんも、台風の影響により予定が前後したり、キャンプ当日の天気予報も雨の為、今回は中止としました。しかし、社長といつものメンバーは、雨でも予定通り、カブでいつものキャンプ場へ出かけるとのこと。

フリーとなった私は、カブ110コンプリートでは初めての、キャンプツーリングに急遽参加することにしました。

バイク屋NWJCとして、カブ110NWJCコンプリートを数多く組み立てて、納車していますが、ライダーとして、カブ110に乗ってキャンプツーリングに参加するのは初めてのことです。初心者のころ初めてのロングツーリングに出掛けるようでもあり、子供のころ遠足に出かけたときのように、ウキウキして楽しみでした。

キャンプ道具を積み込む

社長が旧型のJA07を使っていた時は、76Lのアルミ製トップケースを取り付けてツーリングに出掛けて、色々とチェックしていましたが、現行のJA10を使うようになってからは、JA07にはGIVIのV46を装着しています。ですから、タイガー・エクスプローラーに積み込んであったキャンプ道具を全部積み込む事は無理のようです・・・。

Moto fizzのキャンピングシートバッグにキャンプ道具を入れてカブに積み込もうかと思いましたが、明日も明後日も雨模様のようです。ウルフマンの防水バッグに入れようかとも思いましたが、敢えて普段使いのまま、少し小ぶりのGIVIのトップケースを試して見ることにしました。

トップケースを丸型のV46から、スペースを有効に使える角型のTREKKRシリーズ46Lを伊藤さんのCT110からお借りして、テントはNWJCコンプリートの顔とも云えるコンプリート専用のフロントキャリアに、幅のある椅子は、シートとトップケースの空いたスペースに取り付けて、最低限必要なキャンプ道具はトップケースに収納できました。これでキャンプツーリングにでかける準備が整い一安心です。

意外に積み込めるもので、1泊程度のキャンプならこれでも充分かもしれないと、思っていたのですが、やはり少々無理もあるようです。カブでのキャンプツーリングは、初めてでしたので、カブならではのパッキングについて貴重な体験ができました。

カブ110プロには76Lアルミトップケースがベスト!!

社長や、いつものツーリングメンバーは、以前MotoFizz製のキャンピングシートバッグ2を使っていましたが、防水性、施錠が出来ること等、76Lの容量を持つアルミ製トップケースに変更して、積載力と使い勝手が大幅にアップしたようです。

ロングツーリングはキャンプ道具などを適当に詰め込めるのでパッキングが楽なようです。NWJCオリジナルの取り付けキットは、工具なしで簡単に着脱できますから、テーブルとして使う事も出来て、ノンビリと過ごすキャンプの夜には最適のようです。

後ろには其々の好みで、仕様の違う水タンクやガソリンの予備も取り付けています。水タンクは、名水百選と云われる湧水を汲んで、好きな所でコーヒーブレイクと・・、アルミ製トップケースを取り付けることにより、使い方、楽しみ方に拡がりが生まれているようです。今回も湧水を汲みに行きましたが、私は見てるだけ・・・となりました。

ドリーム125から、Made In Japan最後のカブに乗り JA10型カブ110NWJCコンプリートに乗り換えた、キャンプ料理長の野村さんは、キャンプツーリング前に届いた76Lアルミボックスを取り付けて、調理器具がたくさん入る事にご機嫌です。

新旧サスの違いを実感

JA07型は、キャンプ道具など満載すると、現行のJA10型に比べてサスが柔らかく、絶えず腰砕け状態で、無理をした走りを強いられていたようです。

JA07型プロトタイプに乗る、Nakaさんと、村田さんからの要望も有りましたし、新旧を比較して使っている社長の、バイク屋の目線とライダーとしての実体験から、この違いはあまりにも大きいから早急に変更しようということになり、問題もあるのですがクロスカブのリアサスを流用することにしました。

JA10のリアサスでは、硬すぎて前後のバランスが悪くなるため、クロスカブ用を流用しましたが、JA07のFサスは柔らかすぎるため、Fサスのセッティングを変更して、前後のバランスを整えています。

セッティング変更したJA07は、社長がキャンプ道具などを満載して、山口県までロングツーリングに出掛けて最終チェックもできていますから、荷物満載の時でも腰砕け状態で不安定になることも無く、積載状態でも安定したライディングを楽しめる仕様に仕上がっています。

仕様変更したJA07型の安定感ある走りは、ノーマル状態のJA07型に荷物を積み込んでは、とても楽しめないだろうと容易に想像が出来ました。

先行するJA10型の動きを観ていると、車体が上下に動くことなくサスペンションがショックを吸収しているが、底突きはしていない。さすが、積載を重視した新型カブ110プロだけのことはあると、納得です。

積載重視のカブ110プロの実力に納得

ツーリングしている車輌にトップケースを装着しているのをよく見かけますが、リアシートより後方の取り付けになる為、重い荷物を収納すると、ビッグバイクと云えども車体が振られたりして怖い思いをします。

しかし、カブ110Proは、リアシートに当るところに、荷物の積載ができて、タイヤも17インチから14インチにサイズダウンして剛性を高めています。原付と云えども、ビッグバイク以上に荷物を積み込んでツーリングを楽しめることは、前を走る皆さんの走りを見ても、車体が振られることなく安定感があり、納得です。

JA07型に乗るNakaさんは、私とは比較にならない程に積み込み、更に濡れたビッグタープをトップケースの上蓋に載せて走る後ろ姿をみて、カブ110プロが積載重視でバランスが良い事に驚きと共に納得です。

ファイナルレシオと積載力

少しロングに設定した現行のファイナルレシオと、よりロングに設定した旧型のプロトタイプ2台を300Km程、ツーリングで比較したことがあります。よりロングにした仕様は、平坦路や下りでは車速がのり快適ですが、登りになると3速に落とさないと上れませんが、現行ファイナルレシオの仕様は、4速のままでも上がる事が出来ました。

よりロングの仕様では、ワインディングでもトップのままでは車体が不安定で怖い思いもしましたが、現行のファイナルレシオは、ワインディングでも安定した走行をすることができました。

カブ110NWJCコンプリートで、心地よく走り続ける為に選んだファイナルレシオは、比較テストでもはっきりと違いを実感することが出来ましたから、市街地からロングツーリングまで最適な設定となっています。勿論、積載状態でもOKです!!

2台で走り比べてみると、ほんの少し「0.06」のファイナルレシオの違いは、小排気量のカブならですが、ファイナルレシオについて解りやすく体感することが出来ました。このことは、巨大なタイガー・エクスプローラーが扱いやすいのは、エンジン特性は勿論の事、ファイナルレシオが絶妙である、と気づいたことでもあります。

今回のツーリングは、急な峠を登り、九十九折れを抜け、緩やかなアップダウンのワインディングと、変化に富んだルートです。前を行く皆さんのカブ110にはタップリの荷物が積載して在るにもかかわらず、抜群の安定感ある走りは、変更してあるファイナルレシオが最適であると判ります。急な登りでもストレスが溜まることなく楽しむことができましたから、最適な設定だと改めて実感することが出来ました。

チェーンのフリクションを考える

キャンプツーリングの前日に、新旧2台のカブを点検しましたが、前回、違和感を覚えたチェーンはそのままです。登り坂で少しずつ離れて行くカブの後ろ姿を見ながら、チェーンの違いに泣きました。

スズキの隼から現行カブ110NWJCコンプリートに乗り換えた、名古屋のKakuさんもツーリング前にチェーンを強化タイプに変更しています。

Nakaさんと一緒に一日早い出発でしたから、出発前にエンジンを点検したら、基準範囲内でしたが最大値だった為、基準値に調整したら、チェーン交換で得た軽い走りに加え、さらに低回転から力が出て気持ち良い走りとなり、「ビッグバイク同様にロングツーリングも楽しめる」とカブ110に大満足でした。

小排気量のカブだから、フリクションの少ない最高の強化チェーンはお勧めです。心地良い走りを得るには、カタログスペックより実体験に勝るものは無いでしょう。

カブでのキャンプツーリングを振り返り

今回のカブツーリングでは、ビッグバイクでは思ったことも無い、カブへの労りや励ましなど、今までにない体験があり、バイク屋として、ライダーとして良い勉強になりました。

バイク屋として、バイクに乗る実体験が無いと、知識として知っているだけでは感覚的には何も判らないから、こんなものです・・という対応になるのではないかと思いました。小排気量カブだからこそ感覚的に分かりやすいことも沢山あり、バイク屋として大きな収穫がありました。やはり、バイク屋はバイクに乗ってこそバイク屋だ、と実感しました。

これらの経験も活かしてして、皆さんの素適なバイクライフをサポートできればと思います。また、ライダーとしても共にバイクライフを楽しみたいと思いますので、今後とも宜しくお願いします。

この記事の車輌・パッケージ(仕様が異なる場合があります)

お問い合わせ