CRF250L-TMで春爛漫の能登へ
3月初旬は、SL230-TMで冬の名残を追いかけて木曽路から飛騨方面を楽しみ、3月中旬は土岐さんと共にCRF250L-ツーリングマスター(TM)を駆って、GoodコンディションのSL230-TMがお気に入りの皆と定番の西を楽しみ、4月に入りCRF250L-TMの仕様を一部変更するなど、日々バイクに関わることを楽しんでいる。
CRF250L-TMは、今回ドリブンスプロケットを同じ丁数のままISA製へと変更し、長距離を何日も快適に走り続けられるコンフォートシートへと仕様変更をして、その違いをチェックしながら春爛漫の能登を楽しんできた。
自由気ままにバイク旅を楽しむために
道を選ぶ事も無く自由気ままにフィールドを拡げバイク旅を楽しむためには、カブ110でも1000ccのBigバイクでも車格や排気量に関わらず70~100ℓ程度の積載力が必須となるが、心地よい走りで楽しめる積載性は難しいところがある。
250クラスの軽量コンパクトな車格での積載力は、キャリアを大型化することやトップケースの装着などにより確保できるように思われがちだが、コストダウンによりサスペンションの出来が悪い場合や積載を前提としていない車体では取り付け位置や積載量により、ある速度域を超えると直線道でも不安定になる場合があり、症状が出ない速度域では心地よく楽しめずつまらないバイク旅となるから要注意である。
また、近場へのキャンプなら簡易の積載で良いかもしれないが、キャンプ道具などを積載して日に300~500Km程度を何日も走り続けるバイク旅となれば、簡易的な荷物の積載では操縦性や安定性などすべてに妥協することになり、心地よい走りのバイク旅は楽しめずストレスをため込むこととなる。
大型バイクは車体の剛性や耐荷重性が高く、フル積載状態での操縦性や安定性も何ら問題は無いが、大きくて重い車体への積載となれば自由気ままに使いこなせず、大型アドベンチャーと云えども脇道へ逸ることは避けて舗装路がメインとなり、ハッとするような風景と出会っても持て余して立ち止まることは億劫になるのが現実のようで、幹線道路を移動するだけとなっているのが現実か。
車格や排気量に関わらず、メーカー出荷状態のスタンダードでは心地よく楽しむ事が出来ない場合が多く見受けられるのが現実だが、売るがための提灯記事は違和感や問題に触れることも無く、僅かな調整で対策できることにも触れていないのは何故だろう。
ブランドやスペック、新製品効果や情緒的な価値観で所有欲をあおる活字の僕(しもべ)となっては素敵なバイクライフを満喫することは出来ない。
何かに特化しない曖昧さは旅バイクに必須
CRF250Lなどのデュアルパーパスは林道をメインのオフ派か、コースも走りエンデューロにも参加の競技派か、気晴らしチョイ乗りの普段使いからたまには150~200Km程度のツーリング派と、大雑把に3タイプへ分けられるように思うがキャンプなどの積載力が問われるバイク旅となれば、メーカー出荷のSTDのままでは少し無理がある。
おっさんライダーが使用しているCRF250Lは初期型のMD38だから、足回りはコストダウン効果かAI効果によるものか、こんな出来で・・・と思うほど酷いもので失望して、長年関わることを避けてきた。
しかし、40年来のバイク仲間でありデュアルパーパスが大好きな土岐さんがCRF250Lを選んだことにより、現行モデルのCRF250LをNWJCツーリングマスター(TM)へと深化させて多様性を具体化して、乗り出してから始まる素敵なバイクライフへの提案とそれを応援することが始まった。
SL230・XR230・セロー250などのデュアルパーパスをNWJCツーリングマスター(TM)へと深化させた経験により、軟らかい足回りと積載性はデイパックで対応する程度のようだからバイク旅には無理がある。
リアキャリアなどボルトオンパーツの取り付けによる積載性だけではヤマハ・ツーリングセローのように不安定になる場合もあり、心地よい走りを楽しむための対策が必要となる。
余談だが、現行のCB250Rは積載性が皆無で、シートレールは細くマフラーは太く跳ね上がりデザイン優先のようだが機能美は感じられず気晴らしのチョイ乗りバイクのようだった。
でも、軽量コンパクトな車格を活かしてトータルバランスを高めたツーリングマスターへと深化させた仕様はフラットダート程度なら楽々と駆け抜けることも出来て、フルパニア仕様は手軽にバイク旅を楽しめると好評。
CB250R-TM同様のエンジンに足回りとリアキャリアKitによるトータルバランスを整えて深化させてきたCRF250L-TMは、バイク屋自らの実体験によりその過程で何度も長距離を走り、チョイ乗りでは気づかない事や走り続けて判る事など仕様変更も含め様々な条件下を走り、自由気ままにバイク旅を楽しめる仕様が出来上がった。
デュアルパーパスならではの何かに特化しない曖昧さと和洋折衷のような大らかさにより多様性を発揮して、気晴らしやチョイ乗りの普段使いから、自由気ままにフィールドを拡げて何日も走り続けるバイク旅にも最適なツーリングマスターへの深化は素敵なバイクライフへの始まりとなるだろう。
CRF250L-TMを楽しむ
この季節の朝晩は寒く、温度変化に対応して脱いだり着たりのウエアー類の装備は多数となり積載量が増えるがバイク旅では当然の事。小さなロールバッグにはオーバーパンツにレインウエアーやグローブなど一まとめにして、親亀の背中に子亀が乗っているような2段重ねの積載はいつものスタイルとなっている。
サイドバッグは小ぶりなウルフマンから、着脱が簡単で積載容量が大きく寒い時期でも素材が柔らかく開閉や使い勝手が良いエンデュリスタン製モンスーンEVOを装備できるようCRF250L専用のNWJCオリジナルのリアキャリアKitへと仕様変更した。
前回の定番の西から、使い勝手のよいパッキングを検討中だが、容量があって何でも入れとけばと雑な使い方となっているのが現実だが、ソフトバッグはハードケースに比べて使わないときは折りたたんで省スペースとなり、万が一の転倒でも車体へのダメージが少ないことも魅力である。
老いが進んでいるのか最近のキャンプは下からの冷えや背中の当たりも苦になるようになり、コットを使うようになって寒い時期のキャンプも快適になり、コットで荷物が増えてかさ張るようになったが、のんびりと良い時間を過ごすためのタープや椅子と同様で装備は多少かさ張っても積載方法で対応したいと思う。
おっさんライダーのあれもこれもの欲張りな積載への要望に応えて、CRF250L-TMはフル積載状態でもワインディングやフラットダートでも操縦性と安定性は抜群でGood!
ビッグアドベンチャーでは入り込みたいとは思えないような砂利道や砂地の脇道へ逸れても悠々と自由気ままにバイク旅を楽しめる仕上がりは最高で素敵なバイク旅への予感がする。
CRF250L旅バイク仕様のNWJCツーリングマスター(TM)は、セミダブルクレードルフレームの剛性感とNWJC独自のモディファイによりトータルバランスを高めてフル積載でも操縦性や安定性など、すべてに妥協することなく能登の春を自由気ままに心地よい走りで楽しむことができた。
バイク屋自らの実体験に基づいた提案は売ることが最終目的ではなく、メーカー出荷の工業製品を価値ある道具へと深化させて、乗り出してから始まる素敵なバイクライフのため提案であると考えている。
今回は久々のキャンプを楽しむつもりで走り始めたが、青空をほとんど見ることの無い花曇りの1日となり、氷見でも海の向こうに雪を被った立山連峰を見ることは出来なかった。
能登のあちこちを訪ね歩いて夕方前にはキャンプ地へ到着したが、翌日は確実に雨予報となり予定を変更して岐阜へ向けて再び走り始めた。
先が見通せないワインディングの夜間走行では、フル積載状態でもトータルバランスが整っていることによる操作感は心地よく、ISA製スプロケットによるエンジンブレーキの滑らかさとスルスルとスピードが乗る面白さにハイペースでの安定感を存分に楽しむことができた。
白鳥辺りから雨の中を走る事となったが、オリジナルスクリーンの暴風雨効果も確認できてCRF250L-TMの旅バイクとしての実力はこれからが楽しみで、走行距離は定番の西と変わらず733Kmとなった。