バイク屋の備忘録

CRF250L旅仕様で定番の西へ

3月初旬は、SL230-TMを駆っておっさんライダーのためのハンドルカバーをチェックするために冬の名残を追いかけて木曽路から飛騨方面を楽しみ、3月中旬は土岐さんとNWJCオリジナル旅バイク仕様のCRF250Lツーリングマスター(TM)を駆って、GoodコンディションのSL230-TMがお気に入りのみんなと共に定番の西を楽しんできた。

CRF250L-NWJCツーリングマスター(TM)を走らせる

ホンダの250クラスは、ヤマハ・ツーリングセロー250、スズキ・Vストローム250、カワサキ・ヴェルシス250等のようなバイク旅を前提に積載力やライダーの快適性を高めた仕様のバイクが見当らないが何故だろう。

現行モデルのCB250Rは、積載などまったく考えていないストリートファイターのデザインだから旅バイク仕様として楽しむならばそれなりのモディファイが必要となるが、フル積載でもフラットダート程度なら楽々と駆け抜け自由気ままにフィールドを拡げて楽しめるNWJCオリジナルCB250-TMへと深化させた仕様を準備することができた。

デュアルパーパスモデルのSL230は積載が得意ではないから旅バイクとしては無理もあったが、欲張りなおっさん仕様からツーリングマスターへと深化した仕様は、バイク旅には最適な1台として乗り続けている皆から良き相棒と大切にされている。しかし、SL230は生産が終了した車両だから現行モデルのデュアルパーパスCRF250Lでバイク旅を楽しみたい人には新たな提案が必要であると常々思うところであった。

現行モデルのデュアルパーパスCRF250Lは、旧型のXR250と比較すると足回りや他にも問題があり林道などのダートを楽しむには少し躊躇するが、チョイ乗りの普段使いから道を選ぶ事も無く自由気ままにフィールドを拡げてバイク旅を楽しむのであれば、積載性や足回りをはじめその他の問題も対策済でCRF250Lツーリングマスター(TM)へと深化させた仕様を提案したいと思う。

また、ベース車両はローダウン仕様だから足つき性もよく、フル積載状態でも取り回し等の使い勝手はとても良い仕上がりとなっている。ビッグアドベンチャーでは入り込みたいとは思えないような脇道でもCRF250L-TMであればフル積載状態で楽々、ビッグバイクからダウンサイジングする良さを実感できる1台である。

昨年の10月はSL230-TMで、11月はCRF250L-TMで、今年の3月はCRF250L-TMの仕様を少し変更して各部のチェックを定番の西ルートで楽しみその違いを確認できた。チョイ乗りでは分からないことでもある程度の距離を走ることでよく判るようになり、色々な事が見えて解ってくるから面白い。

CRF250L-TMの今回の主な変更点

  • ★ハンドルはレンサル好みのライディングポジションに変更
  • ★グリップヒーターの装備とナックルガードはDF製に変更してライダーの快適性をUP
  • ★クタクタのリアダンパーは強化した仕様へとモディファイが完了
  • ★バイク旅必須の積載力を高めるためにNWJCオリジナルのサイドラックはエンデュリスタン製モンスーンEVOを装備できるよう仕様変更。

いつものメンバーとNWJCツーリングマスターを楽しむ

土岐さんのCRF250Lはツーリングマスター(TM)仕様へと深化が始まった最初の車両で、2020年2月に鳥取方面へ西やんと一緒にSL230-TMで伴走して、CRF250Lの違和感や問題点などの意見交換も含めてTM仕様へと深化させる事は40年来のバイク仲間とバイク屋が共同作業で進めている。

CRF250Lの足回りは乗らなくてもクタクタになりヘタリが早いのはコストダウン効果かと皆からの評判も悪く、対策を施すとダンパー問題が浮き上がり次なる対策が必要となるなど色々と問題もあったが、SL230TMに替わる現行のデュアルパーパスモデルのCRF250Lを心地よい走りで楽しめるツーリングマスターへと深化させることが出来た。

西やんはSL230-TMがお気に入りで、土岐さんのCRF250LがTM仕様への深化が始まった2020年2月にCRF250LとSL230-TM2台で鳥取方面を共に走った。

あれから3年が過ぎてCRFとSLがどのように深化したかを確かめながら心地よい走りを皆と楽しみたいとのこと。

里見さんもSL230-TMがお気に入りで、エンジンと足回りのリフレッシュメンテナンスを終えて、少し苦になっていたオイル下がりによるオイル消費の症状はものの見事に消え失せた。

駆け足で日本1周したときのようなオイル消費によるストレスは無くなり、足回りはメンテナンスとモディファイにより刷新したことで安定感が向上して再び日本1周を楽しむ為に使い勝手の良い積載方法などをこれから検討したいとのこと。

S・Oさんは旧いSL230が深化する過程を楽しみ、エンジンのリフレッシュメンテナンスが終わり、キャブレターの仕様変更でエンジンの力強さが増して使い勝手の良さもUPして、走らせる楽しさの中から楽器との共通点を見出して実感されることが多々あるよう。みんなの中では最も若くバイク歴も7~8年と短いが、経験豊富な西やん達と共にツーリングを楽しむことで質の高いスキルアップが見て取れる。

今回のようにハイペースで長距離を走り続けることは初めての経験で後半は少しお疲れ気味のようだったが、多くのことを吸収してライダーとして成長しながら素敵なバイクライフを満喫されている。

トレッキングごっこから始まったSL230はツーリングマスター(TM)へと深化して、御大Oji、アツシに村田さんNomuさんカミちゃんと、アナログのシンプルな乗り味を楽しむメンバーは数多く、メンバーの実体験とバイク屋の実体険をすり合わせることで素敵なバイクライフを満喫できるよう応援したいと思う次第である。

本日の走行距離は886Km

今月初旬はSL230-TMで木曽路から飛騨へと駆け抜けて楽しみ、今回はCRF250L-TMでキャンプ道具などフル積載状態にして走らせ、エンデュリスタン製モンスーンEVOバックLの使い勝手と足回りなどをチェックすることにして、昇る朝日を皆で眺めていつもの定番ルートを西へ向けて走り始めた。

安八スマートICから関ケ原までの区間は高速道を走り、まずは皆の目を慣らすことから始まった。

フル積載状態のCRF250L-TMで走るのはおっさんライダーだけで、他の皆は空荷で軽量な仕様を走らせている。

一般道を流れに乗って西へ西へと走り、九十九折れの峠道はかなりハイペースで駆け上りフル積載状態のCRF250L-TMの足回りと、サイドラックの取り付けと連結バーなどをチェックしてその出来はGood。

フル積載状態でもフレームの剛性感はビッグバイクにも似た安定感があり、素早い切り返しにもヨレ感はまったく無く前後のタイヤは同じ方向へ気持ちよくバンクを繰り返しているのが判る。

後方からはS・Oさんや里見さんがSL230-TMを駆り、今までにない軽快な走りで交互に続いている。

少し荒れた路面の高速コーナーでは、フル積載でもチューニング済のサスペンションがギャップを軽くいなしながら軽快に駆け抜けていく。フレーム剛性とチューニング済の足回りの良さを存分に発揮して今までとは段違いの心地よい走りを楽しむことができた。

余談だが、戸倉峠の手前にある百葉箱は、SL230-TMで定番の西を楽しんだ昨年の10月には取り外されて見当たらなかったが、メンテナンスを終えて厳冬前には設置されていたのか再び百葉箱を見ることができて安堵した。

若桜から蒜山高原までのワインディングをハイペースで駆け上がり、大山の見えるポイントで折り返すことにしてそれぞれに昼食を楽しみ帰路についた。

夜間の峠道をハイペースで駆け抜けてみたが九十九折れではハンドルと同じ方向へ動くヘッドライトはタイトコーナーでは見やすくGoodであることを実感。

おっさんライダーにとって寒さは大敵であり帰路は氷点下2度と厳しい寒さとなった。しかし、グリップヒーターと大型ナックルガードの効果は存分に発揮され、ウインターグローブだけで寒さを充分凌ぐことができた。

また、氷点下2度と厳しい寒さの中で、エンデュリスタン製モンスーンEVOバックは寒さで硬くゴワゴワになることも無く、CRF専用のサイドラックにより装着も簡単で、軟らかく開閉も楽々で、扱いやさを確認できた。

SL230-TMのエンデュリスタン製モンスーンEVOバック専用のサイドラックも近々に完成予定である。

全体に良い仕上がりのCRF250L-TMだが、シートはレーシーな雰囲気で運動性を高めた仕様で長時間走り続けるバイク旅には少し苦痛だから、SL230-TM用のコンフォートシートのように心地よく走り続けられる仕様に近々変更する予定である。

CRF250L-TM今後の仕様変更は・・・・

  • ☆シートはSL230-TMと同様のコンフォートシートに変更予定
  • ☆スプロケットは定番のISA製に変更してその違いを確認のこと
  • ☆NWJCオリジナルスクリーンの形状を変更
  • ☆その他もろもろ現在進行形で深化しています。

日本の道を気負うことなく自由気ままにフィールドを拡げて楽しめるCRF250L-TMは、旧型のSL230-TMに替わる現行モデルのホンダ・マルチパーパスモデルがベースで、バイク屋のバイク乗りが実体験で培ったノウハウに基づき旅バイクとして深化できたことは納得である。

今回の走行距離は意外に延びて気づくと886Kmとなっていた。それは「速さより心地よさ」「何かに特化することのない曖昧さ」「和洋折衷のような大らかさ」による旅バイクNWJCツーリングマスターのコンセプトを実感できたように思う。

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