バイク屋の備忘録

其々のバイクライフ

今年は、猛暑に集中豪雨、地震に台風などの異常気象が続いている。バイク乗りの多くが、今夏はバイクに乗る機会が少なかったから、秋からの天候が良いことを期待しているとの声が多い。

ビッグバイクはチョイ乗りでは乗る気になれず、ダウンサイジングしたバイクで僅かな時間をチョイ乗りで楽しんでも意外に距離が伸びてダウンサイジングして楽しむのも悪くない、そんな声も多くなったようだ。

そんな声が多いなか6年の海外勤務から解放された土岐さんは、バイクに乗れなかった時間を取り戻すかのように雨もまた楽しいと、毎週末にはどんな天気でもカブ110NWJCコンプリートTypeⅢで日帰りツーリングに出かけその帰りには必ずNWJC南店へ立ち寄っている。

土岐さn

最初の海外勤務の時はXR250を手放し、今回の海外勤務ではGS1150GSを手放し、併せて11年の海外勤務の間に孫も生まれて「おじいさん」になった土岐さんは、のんびり楽しむバイクとしてカブ110NWJCコンプリートTypeⅢを手にしたが、同時にCRF250Lも準備している。

WP

30年も前には一緒に林道ツーリングを楽しみ、R1150GSには電動でプリロード調整が可能な国内ではほとんど紹介されていないWP製のサスペンションのモニターを依頼したこともある。モトクロスやエンデューロを楽しんできたオフ好きだが、CRF250は一般道を主体としたツーリングバイクとして楽しみたいとのこと。

80年代はRS250でロードレースに情熱を燃やした西やんは、JA07型カブ110・SL230と大型はトライアンフ タイガー955iを楽しんでいたが、歳のせいか目がついて行かなくなり気持ちよく楽しめなくなったから、タイガーを手放してのんびり感と操ってる感で楽しめるBMW R100CSに再び乗りたいとのこと。

西やん

早速、某バイクショップに展示で貸出したこともあるR100CSをメンテナンスしてコンディションを整えることになった。

今年の異常気象は、心地よくバイクライフを楽しむ時間の多くが奪われるなか、夫々が過去のバイクライフを振り返り、楽しみ方や価値観に少しずつ変化が生まれつつある気配を感じている今日この頃である。

バイク屋のバイクライフ

バイク屋としてバイクライフを楽しんできたおっさんライダーも、体力的なこととバイクの進化も含みバイクの好みに変化が生まれている。

大型バイクの重量級や電子制御が満載の最新モデルにはすっかり興味が無くなった。相変わらずアナログ感でバイクとの一体感を楽しめる昔ながらの素朴な乗り味をもったトライアンフ空冷モダンクラシックやR100RT・RSはお気に入りで、気負わずに自由気ままに乗れる重量やサイズ感も何となく納得である。

バイク屋のバイクライフ ダウンサイジング編

ダウンサイジングして自由気ままに楽しめる250クラスは、普段使いから旅バイクとしても多用途で楽しむのであれば、スペックよりライディングポジションやシート形状、積載性も重要なところである。250クラスではフルサイズよりもコンパクトであることが使い勝手の良さで行動範囲を広げて楽しめると思う。

SL230TMとVTRは、バイク屋が自ら楽しむ為に積載力や使い勝手を高めている。動力性能はおっさんライダーが速さより心地よさで楽しむには何ら不満も無く、ダウンサイジングした楽しさと面白さを実感できてどちらもお気に入りであるが、生産は終了して新車は販売されていないし、中古車の程度の良いモノも少ないからバイク屋として安易に勧めることが出来ないのは残念である。

バイク旅必須の積載性や積載力のある250クラスのバイクは数少なく、最近気になるバイクとして良さそうに思えるのがスズキのVストローム250。

乗ったことは無いがツーリング途中で止まっているのを何度か見かけて、よくよく見みると旅バイクとして可もなく不可も無い感じが自由気ままに多用途で楽しめるのでは・・・・。どんな乗り味なのかコンディションを整えてロングツーリングで乗ってみたいと思う、気になるバイクである。

バイク屋のバイクライフ カブ110NWJCコンプリート編

より速く走ることを目的としたのがGPマシーン、荷物を運ぶことを目的としたのがカブ110プロ。バイク屋としての経験と勘から使用目的が明確なカブ110プロの良さを生かしてバイク屋自らが自由気ままにバイク旅を楽しむ為に企画したカブ110NWJCコンプリートとの始まりは2012年から。

北条砂丘

速さより心地よさで、道を選ぶことも季節に捉われることも無く、抜群の積載力と積載時の安定感は、気負うことなく悠々と自由気ままにバイク旅を楽しむには最適だと乗るたびに思う。

来年あたりからカブ110NWJCコンプリートをはじめ、お気に入りのバイクで思いっきりバイク三昧の日々を過ごしたいと思っている。

バイク屋のバイクライフ 空冷モダンクラシック編

バイク屋のバイク乗りとしてトライアンフ空冷モダンクラシックとは発売当初からの付き合いで、まもなく20年となる。

ボンネビルT100

バイク屋として水冷ボンネビルにも僅かに関わったが、ライドバイワイヤーをはじめトラクションコントロール等の電子制御を満載した水冷ボンネビルにはなじむことが出来なかった。外観のみが伝統的なクラシック風となりモダンクラシック本来の魅力であるアナログ感がバイクとの一体感を高める素朴な乗り味が失せたことは残念に思う。

ストリートツイン

水冷化されたボンネビルに乗ることで、バイクと人の間に電子制御などのハイテク技術がほとんど介在することなく、あくまでも操る人の感性を第一とした空冷モダンクラシックとの一体感は魅力的であると改めて実感できた。

勿論一人のバイク乗りとして思うことだが、サイズ的なことも含んで「速さより心地よさで」走り続けて楽しめる空冷モダンクラシックも、おっさんライダーのお気に入りである。

カブ110NWJCコンプリートを駆ってロングツーリングが楽しいと思う日が来るとは夢にも思っていなかったが、メーカーの技術革新により良いことも悪いことも含みバイクの価値観が大きく変わり始めたことを実感する今日この頃である。

バイク屋としての観点も其々

バイク屋のバイクライフも、自らがバイク乗りとして楽しみ実体験の蓄積を重視するか、継続性は無いもののSL230・VTR・スクランブラー・カブ110等を使ってトレッキングごっこをはじめツーリングやキャンプ等はブログのネタ集めやメンテナンスの情報収集の為に参加することもあるようだ。

ブログのネタ集めが目的の場合、もっともらしく「ノウハウをフィードバックする」などとなっているようだが、お気に入りのバイクを多用途で楽しむためにトータルバランスを整えるには、継続的な実体験を蓄積したノウハウが必要となるが、横文字の「ノウハウ」よりも日本的な「こつ」となる場合が多いように思う。

スクランブラー

「フィードバック」も同様にバイク屋として、素敵なバイクライフのために「何故」「どうすれば」と継続的に探究して積み重ねた実体験を反映させるということになると思うが、得た情報を公開することがノウハウのフィードバックという捉え方もあるようだ。

バイク屋自らがバイク乗りとして楽しみ、違和感や問題を当事者として「何故」「どうすれば」と探究するか、情報を集めてもっともらしく語るか、傍観者として「こんなものです」としてやり過ごしてライテク云々とするか、その対応には価値観も含み大きな違いがある。

VTR

どんなバイクでも慣らし程度のチョイ乗りや乗ったことがある程度では大雑把なことしか分からないが、乗り続けることにより色々なことが観えてくる。

長年乗り続けてきたライダーからの違和感や問題には同じバイク乗りとしての観点からその違和感について向き合うことで意外なことを知る事もあるし、バイク屋のバイク乗りとして実体験を蓄積した基があればアドバイスや提案が役立つこともあるようだ。

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