VFR800Xを定番ルートでチェック
相変わらず雑用に追いまわされる日々が続いているが、僅かな時間の合間を縫ってXR230はエンデューロでも楽しめるよう、SL230は積載力も高めてのんびり旅の相棒として其々の目的に見合ったモデファイやメンテナンスを施して、近くの河川敷などでの試し乗りでバイク三昧の日々への復帰を連想しながら、ささやかなバイクライフを楽しんでいる今日この頃である。
昨今話題のアフリカツインが発表になり、おっさんライダー最後のビッグはアフリカツインを・・・と思っていたが、実車を前にするとBigオフらしいシート高など、この車格では構えることなく気軽に楽しめるものではないと実感した。
ナラシで少し乗ってみたが、本格的なBigオフであることを実感。日本の道路事情ではアドベンチャー系よりもクロスオーバー系のほうが気負うことなく『速さより心地良さで走り続ける楽しさ』を満喫できると実感した。
亦、オフに特化して楽しむのであれば、エンジンから足回りに至るまでモデファイしたXR230は、CRF250よりもコンパクトで軽く扱いやすく、獣道でもおっさんライダーには充分満足できるからアフリカツインに乗る事は止めた。
BMW/GS系やトライアンフ タイガーなどアドベンチャー系の輸入車も乗り継いできたが、少し遠いハンドルポジションやミッションレシオ、ファイナルレシオが日本的ではないなど、良さもあったが其々に不満もあった。
VFR800XのV4エンジンはロードスポーツのイメージも強いが、2バルブと4バルブに切り替わるVTECエンジンと、フラットダートなら充分のサスストローク量とアップライトのポジションなど、クロスオーバー系としての可もなく不可もない曖昧さが魅力だから『速さよりも心地よさで走り続ける楽しさ』には最適であるように思う。
積載力や使い勝手については実体験に基づいてNWJCオリジナルパーツの企画などにより、バイク屋のおっさんライダーが自ら楽しむためにバイク屋のバイク乗りとしての長年の経験からVFR800Xを選んだ次第である。
西日本の定番ルートへ
色々なバイクで楽しんでいるお気に入りの定番ルートを思うがままに走り繋いで、トライアンフやBMWなどの輸入車も含みカブからGold Wingまで車格や排気量に捉われることなく楽しんで来たバイクと、VFR800Xを様々な面から比べながら1,500Kmほどツーリングを楽しんできた。
まずは山口県岩国まで移動するために19時過ぎに岐阜羽島ICから山口県岩国まで、午前0時前に到着する予定で走り始めた。高速道を走るVFRのV4エンジンは力強く軽快で、6500回転辺りから2バルブから4バルブに切り替わり吸入音が一際大きくなると同時に気持ちいい加速が始まる。
気負うことなく走り続けるには、NC700Xも足回りとエンジンなどを若干カスタムすることにより楽しめるバイクとなり、扱いやすい軽さは捨てがたい魅力がある。NC750Xの排気量は745cc、VFR800Xの排気量は781ccその差はわずか36ccだが、登坂車線のある長い登り坂等では動力性能に大きな違いを感じる。
時間に余裕があって楽しむのであれば、カスタムしたNC750Xの乗り味や使い勝手も良いが、限られた時間を最大限に生かして行動範囲を広げて楽しもうとすると、少し物足りない感は否めない。
アップライトのポジションが個人的好みだが、ハンドルポジションがシックリくるバイクは少ない。輸入車の場合は総体的に低く遠い感じでNC700・750Xも輸入車に近いポジションのように思う。タイガーエクスプローラーは好みのポジションでファイナルレシオも最適だったが、アナログ人間のおっさんライダーは、ライドバイワイヤーのアクセルフィーリングには馴染めなかった。
オンでもなくオフでもない曖昧さのクロスオーバー系は日本の道路事情に最適だから、トライアンフ空冷モダンクラシックのボンネビルやスクランブラーも何かに特化することのない、その曖昧さが魅力であると改めて思う。
ツーリング必須アイテムを準備中
HONDAが云うところのクロスオーバーのカテゴリでは、弟分のNC750Xや400Xではハイスクリーンを標準装備してナックルガードやフォグランプなど色々とアクセサリーが揃い、タンクバックの装着まで想定した造り込みとなっているが、兄貴分のVFR800Xは、純正のハイスクリーンもナックルガードも用意されていない。
旅を楽しむ装備はサイドパニアとトップケースなどの積載に関するアクセサリーのみであるが何故だろう。
エンジンや足回りなどはこれから色々とチェックしていくのは当然であるが、心地よく走り続けるためのアイテムは純正ではまったく揃っていないが、ハードな走りを連想させるエンジンガードやフェアリング効果の高いスクリーンなどが社外品で出揃っているから少し前から準備を始めていた。
高速道を使って一気に距離と時間を稼ぎだすうえで、スクリーンのサイズはフェアリング効果による疲労軽減にも有効だが、標準装着のスクリーンではその効果は期待できない。
社外品のハイスクリーンを装備すると、ヘルメットのシールドには全く虫が張り付くこともなかったから視界が悪くなり不快になる事も無く、風切音も小さくヘルメットのシールドを上げたままでも走れてその効果には満足である。
純正ナビの取り付け位置もタンクバッグの装着などは考慮せず、取り敢えず取り付けが出来る程度のモノ。取り付け位置を変更してタンクバッグの装着が可能になったが、VFR800Xは発売当初から随分適当に扱われているように思うが、ヤマハのSRのように歳月を掛けて育て上げクロスオーバー系の定番バイクとしてほしいものだ。
余談ではあるが、同じ仕様のVFR800Xがすでにもう1台いる。
BMW R1200・F650PD・F800GS・タイガー955I・タイガー800XCと乗り継いできた飛騨の上ちゃんはアフリカツインかVFR800Xか迷っていたが、ほとんどが一般道を走り少しダートを走る程度ならV4エンジンのVFR800Xも面白いかも・・・とナラシを早々に済ませて、仕事の合間に300Km程度のツーリングを楽しみ、今までのどのバイクと比べても総てに満足できるとVFR800Xの虜となっている。
ワイドステップはまだかナ~の催促とツーリングに行きましょう、と頻繁にお誘の電話がある。ワイドステップが出来上がったら、アフリカツインのKさんとアッシを誘って、4人で林道を走りたいと楽しみにしているようだ。
バイク屋のバイク乗りが自ら楽しむために
バイク屋のおっさんライダーは、トライアンフ空冷モダンクラシックシリーズNWJC2014仕様やカブコンプリートなどと同様に、自ら心地好く楽しめて納得出来るよう、エンジンコンディションを始め足回りから、積載力と使い勝手の良いNWJCオリジナルパーツに至るまで、バイク屋のバイク乗りとしての実体験に基づきVFR800Xを納得のいくNWJC仕様に仕上げることが楽しみである。
バイク屋のバイク乗りとして自ら楽しみ、心地よく楽しむためのメンテナンスの要点や優先順位はどこから・・・、この違和感はどうすれば取り除けるか・・・等々、実体験に基づいて養われた経験と勘は独自のノウハウとして蓄積されて無意識に活用しているが、バイク乗りとしての実体験が無いと新製品に関する商品知識とボルトオンパーツの装着や消耗品交換にテスターチェックが主流となるから、違和感などの訴えには「こんなもの」という対応は残念だが致し方ないとことだと思う。
原点回帰
ささやかなバイクライフを満喫するためにコンディションを整えたSL230やXR230は何のためにメンテナンスしたのか、いつものメンバーは不審に思いながらもチョイ乗りでチェックしていた。
Kさんは試乗したXR230をベースに、トレッキングごっこ兼林道仕様へのバージョンアップをいつものメンバーの協力を得て着実に深化させて、アフリカツインを少しでも楽しめるようスキルアップのために休日は早朝から林道を楽しんでいるようである。
キャンプ料理長のNomu君も、長らく放置状態だったSL230トレッキング仕様を南店へ持ち込み、御大のOjiをはじめいつものメンバーの協力を得て、トレッキングごっこ兼旅仕様へバージョンアップすべく毎週奮闘していた。
キャンプツーリングで東北や北海道を共に楽しんでいるスラクストンの里見君も、SL230をバージョンアップさせて、早々に近くへキャンプに出かけてSL230の良さを見直し、来年の北海道はSLでもいいかな・・、とのこと。
村田さんには、バージョンアップしたSL230を1週間程度通勤快速も含みチェックを依頼した。手軽に使えてキャブ車のアナログ感タップリで楽しめるSL230の良さを改めて実感され、マニアックなトレッキングマシンGASGASパンペーラから再度SL230に乗りたいとのこと。
いつものメンバーが所有するSL230やXR230は、粘りのあるエンジン特性の良さから丁寧な操作によるライディングの基となる「トレッキングごっこ」では随分お世話になったから、その価値には特別なものがある。
それぞれのSLやXRは、経年劣化も進み随分くたびれた感じだったが、僅かなメンテナンス+αを施して、その使い慣れた道具の良さを改めて実感されていた。
バイク屋North Wing JCは、バイク乗りとしてこのような提案も大切な事だと考えている。