ボンネビルT100で久々の能登
今年の10月は天候に恵まれて毎週末は晴天となり、今週の17・18日は、昨年の11月にスタッフの明君とNC750XとNC700Xの比較試乗以来、1年ぶりの能登へキャンプに出かけた。
17日の夕方から能登は雨模様の天気予報だったが、郡上八幡からR156を北上して、五箇山から長閑な田園風景がお気に入りの福光を抜けて、能登のキャンプ場を目指した。
キャンプ場ではテントを張り終えるころ再び雨が降り始め、雨が止むと暴風となったが、深夜には空一面に星空が拡がっていた。
先週は村田さんとGoldWing2台で山陰路を楽しみ、今週はストリートトリプルRのスポーツ・ツアラー仕様とボンネビルT100-NWJC2014仕様の2台でキャンプツーリングに出掛けて、相変わらずバイク三昧の日々を楽しんでいる。
楽しみ方は十人十色
今回初めて一緒に走る20代後半の若手ライダーT・K君は、CB400SSに乗っていたころからキャンプツーリング等を楽しんでいて、ロングツーリングやキャンプツーリングを楽しめる機種がメーカー問わず色々ある大型へとステップアップした。
彼の乗るストリートトリプルRは、ストリートファイターなどとPRされて、デイトナのネイキッドモデル版ともいえる車両で、ロングツーリングを楽しむよりも、ワインデイングやサーキットでスポーツライクに楽しむ車両と一般的には思われている。
しかし、彼の駆るストリートトリプルRは、パニアケースとトップケースを装備したスポーツ・ツアラー仕様にカスタムして、ロングツーリングやキャンプツーリングを楽しんでいる。
ストリートトリプルRのパワフルで軽快な走りがお気に入りで、積載力を高めたスポーツ・ツアラー仕様を駆ってキャンプツーリングなどを楽しみ、その良さを満喫していたスタッフの明君は、T・K君がストリートトリプルRをスポーツ・ツアラー仕様にカスタムすることを「それは、好い事だ!」と大賛成。
T・K君は、某メーカーのトップケース取り付けステーを使っていたが、どれだけも使わないうちに強度不足でトップケースのステーが破損したことをきっかけに、サイドパニアとトップケースが取り付け出来る仕様を要望され、ストリートトリプルRのスポーツ・ツアラー仕様が出来上がった。
アドベンチャー系のストロークのある足回りよりも、キビキビした感じのロードスポーツ系の中からストリートトリプルRを選び、カテゴリーなどに惑わされることなく、自分なりの使い方で楽しんでいるところが素適である。
多くの情報に流されて無難な選択をするよりも、自分の楽しみ方を明確にしたうえでの車種選びには、バイク屋のバイク乗りとして共感するものがある。そんなバイクライフをバイク屋North Wing JCは応援したいと思う。
暴風雨の翌朝は快晴。T・K君とは能登の千枚田まで一緒に走りルートを打ち合わせすると、以前CB400SSで千里浜を走ってマフラーが白くなった事があり、昨日千里浜を走ったストリートトリプルRの事が気になるから洗車を早めに済ませたいとのことだった。故に千枚田からはそれぞれのルートで帰路につく事にした。
夕方過ぎに岐阜へ到着してから連絡を入れると、無事に帰宅して大切なストリートトリプルRの洗車も完了して何よりである。
奥能登を楽しむ
千枚田からはソロでボンネビルの心地よい走りを堪能して、能登の秋を楽しんだ。昨夜の暴風のせいか、急斜面では杉の小枝がびっしりと敷き詰められて登りきるのに難儀したところもあったからT・K君を誘わなくてよかった、と内心ホッとした。
日曜日だからか、NHKの朝ドラの影響なのか、狭い道を観光バスが何台も走っていく、でもさらに細い道に入りこむと、車も走ってない何時もの能登の里山の風景があった。
海沿いにある、大きな「はざ掛け」があるところを訪ねてみると、稲が干してある見慣れた風景が待っていた。手入れの行き届いた里山では、あのセイタカアワダチソウを見ることも無く、何も変わることのない長閑な田園風景は何故かホッとするものがある。
R156沿いの五箇山から ひるがの にかけてススキが綺麗に咲き誇っているところがあるが、合掌造りを保存するために管理されているのだろうか、ススキの刈取りが終わり、立てかけて干してあるところもあった。日本の秋にはススキが似合っているから、セイタカアワダチソウが猛威を振るっている風景には出合いたくないものだ。
日が傾き始めると外気温はグッと下がり、御母衣ダムの下では8度、ひるがのでは6度となって、グローブの上からでもブレーキレバーを握ると冷たさが伝わってくる。ツーリングに出掛けるには防寒が必要な季節がやってきたことを感じる。
空冷ボンネビルT100NWJC2014仕様
2001年に復刻したボンネビルから乗り続けて、違和感に思うところを次々と取り除く経過もすべて体験してきたから、バイク屋のバイク乗りとして違和感をもって乗り続ける事がどんなものであるかよく理解している。
バイク屋がバイク乗りとして違和感を実体験することも無いまま「こんなものです」という対応で、マフラーなどのボルトオンパーツの組み付けやテスターチェックによるスロットルボディーの同調程度の作業で、違和感を拭えないまま走り続けると、モダンクラシックのイメージはどんなものになるだろう。
新車状態がベストであるとか、モダンクラシックだからという先入観に惑わされて、違和感に思うところは「こんなもの」と処理されていることが多いのは実に残念な事です。
バイク乗りとしての実体験をベースに、バイク屋North Wing JC独自のメンテナンスにより、NWJC2014仕様へと深化させたトライアンフ モダンクラシックシリーズは、「こんなもの」と思われていた違和感を取り除いている。
速さより心地よさで走り続ける楽しさがあるNWJC2014仕様へと深化していく過程で、数多くの試行錯誤をリードしてきたのが、この’05年式のボンネビル。だから特に愛着を持っている。
Newトライアンフ モダンクラシックは、空冷から水冷となり、排気量は1200ccへと拡大され、フライバイワイヤーやトラクションコントロールなどが装備された最新モデルになるようだ。
時代の流れに抗うように空冷モダンクラシックならではの武骨な走りは、昨今のバイクのような安直さは無いが、操る面白さと心地良く走り続ける楽しさを併せ持つ、バイク本来の魅力があると乗る度に思う。
ボンネビル・スクランブラー・スラクストンの2014仕様に乗るライダー達が、空冷モダンクラシックに愛着を持ってロングツーリングやキャンプツーリングなど、其々のバイクライフを楽しまれているのは嬉しい限りです。
そんな空冷モダンクラシックに、愛着を持っていつまでも乗り続けて行きたい、と思っているライダーをバイク屋North Wing JCは応援しています。