ユーザーボイス

愛知県 M・Mさん / ボンネビル 2003年式 / 17,161Km

購入したショップはトライアンフの取り扱いを辞めて、近くでトライアンフを扱っていたショップも現在はトライアンフを取り扱っていない。車検とオイル交換のみだったのでメンテナンスをしたいから、見積もりをお願いしたいとのこと。近くですから一度ご来店くださいとお伝えしましたら、近々来店するとのことでした。

「過去のことですが、エンジンの調子が悪いと思い、ショップに相談したことがあるが『問題ない』と言われた。『やはりおかしい』と思い、通販でIGコイルとプラグコードを交換したら調子よくなったので、ショップには少し不信感があった。」と伺いました。

「全体の調子は悪くないと思うのですがどうでしょう」と問われてエンジンをかけると、低回転では若干もたつき、ピックアップも鈍く、微妙に左右のバラツキもあるので、乗り難い車両であることがすぐ判りました。


ボンネビル 2003年式

言葉で細かく説明するよりも、違いを体感していただくのが最良の方法ですから、当店のボンネを試乗して頂きました。

試乗から戻られて、乗り易さが別物であることを体感されました。その違いについて、エンジンコンディションや、足回り等に関しても説明させていただき、予算を考えたうえでメンテナンスの優先順位について提案をさせていただきました。

まずはエンジンコンディションを整える事からお願いしたいとのことでした。それ以外は、帰ってから家族に相談してから決めますとのことでしたが、後日、すべてお任せしますから宜しく、と電話連絡を頂きました。

お客様の要望

これから10年、気持ち良く、長く乗り続けたい。

診断&メンテナンス

03年式で初期の800ですが、走行距離はあまり延びていません。走行距離1,7000Kmですから、初期メンテナンスが行われていたとしても、エンジンチェックをする距離に達しています。

バルブクリアランスの測定値は、エンジンをかけた時の予想通り、基準値を大幅に超えていました。


バルブクリアランス
  IN EX
基準値 0.15~0.20 0.25~0.30
測定値 No.1 0.25  0.27 0.32  0.32
No.2 0.26  0.24 0.37  0.37

エンジン調整を終えて、フロントの接地感と剛性がUPして安定感のある走りを楽しめる様、フロントサスはWPスプリングに変更して、当店推奨の仕様に変更しました。

フロントサスのインナーチューブには、若干の腐食がありましたが、予算の都合もありますから研磨して様子をみることにしました。

  • スプロケットを17Tから18Tに変更してファイナルレシオのロング化(その後リアを変更予定)
  • キャブレターのO/Hとセッテイング、キャブレターの油面チェックもOK
  • オイルはEPL製NWJCオリジナルのトライアンフ空冷ツイン専用 TTに交換
  • 各部チェック

エンジンは調整+α、足回り+α、ファイナルレシオに、各部をチェックして心地良く走り続けることを楽しめる、バイク屋NorthWingJCが実体験をベースに自信をもってお勧めしている、NWJC2014仕様に仕上げました。

お客様のインプレ

車両が出来上がり、来店された時に試乗された感想は・・・。

エンジン音が静かになり、アクセルを開けたとき、もたつきがなくなりました。
交差点や細い道で曲がりやすくなった。
とにかく変わった。NWJCのボンネに近づいた感じです。

とのことでした。

後日メンテナンス後のインプレをメールでいただきました。

ボンネビルのメンテナンスありがとうございました。
すぐに家に戻る予定でしたが、100キロ程度も寄り道をしてしまいました。
帰るまでに感じたことです。

エンジンが好調。低回転も高回転も安定してきて、快適に走れる速度が高くなった。
小回りが利く。低回転でも安定していて、車体を思い切って傾けやすくなった。
今までは、思ったようにアクセルに反応してくれていなかったため、転びそうで怖かった。

加速しながらのカーブが気持ちよく、思った通りに回ってくれる。
(いままでは少しずれながら外に膨らんできていたようなイメージあり)
ちょっと足回りが固くなり、ゴツゴツ感が少しあり。

渋滞が楽。ハンクラをほとんど使用する必要がなく、低速でも安定。
のろのろでのふらつきが減った。

もう少し高速寄りのギア比でもいいかな、という気がします。
エンジンが快調に回るので、もう少し高速での回転数が抑えれれば、もっといいかと。

高回転のストレスがなくなり、ハンドルも安定していますので、
余計に空気抵抗を感じるのでシールドが欲しくなってきました。

あとは、鉄製のボックス(ミリタリーの弾薬入れに金具を取り付けています)
が結構重たいので、それを載せてどのようになるかでしょうか。
(予算の都合上、きちんとしたBOXはつけられないので…)

きれいなバイクは気持ちいいですね。
アクセルをひねった分だけ反応してくれると、
バイクはコントロールしやすいという事が実感できました。
ありがとうございました。

メンテナンスMEMO

年式は03年の初期モデルですが、ボンネビルの耐久性・信頼性は高く、10万キロを超えた車両が何台も、ロングツーリングなどを楽しんでいます。トラブルらしいトラブルに見舞われることも少なく、エンジンをはじめ車両のトータルバランスを高めるメンテナンスを施せば、現行のボンネと基本は同じですから、最新のインジェクションモデルと比較しても、遜色のない走りを楽しむ事が出来ます。

走行距離があまり伸びていないバイクの場合、コンディションが影響している事が多く見受けられます。現行のボンネビルで「旧いから」とか「こんなもの」は禁句です。旧くても心地よい走りを楽しめるコンディションを提供することは、バイク乗りのバイク屋としては当然のことだと思います。

ファイナルレシオをロング化すると、高速ではエンジン回転を低くできるメリットもありますが、エンジンコンディションが整っていないと、頻繁にシフトチェンジを繰り返すことになり、一般道を心地よく走り続けることができません。エンジンコンディションが整えば、ボンネビルの場合18T-40Tで、5速のまま50Km前後の速度域でも、微妙なアクセルワークだけで楽々と流れに乗って走る事が可能です。

エンジンコンディションが整っていない場合、サスペンション等を交換しても、その効果が最大限に発揮されない場合がよくあります。バイクの醍醐味であるコーナーリングは、エンジンや足回り等のコンディションを整えたうえでのトータルバランスが要求されますから、コンディションが整っていない車両では、ライテク云々よりもトータルバランスを高めるメンテナンスをお勧めします。

トータルバランスに優れた車両は、速さより心地良さで走り続けることが楽しい、と感じることでしょう。

M・Mさんの車両には、エンジンガードが装着されていました。バンク角も確保されてガッチリと取り付けられていて、万が一の場合でも、車体のダメージを小さくする効果があるように思います。

キャンプツーリングやロングツーリングを楽しむのであれば、エンジンガードの装着は、万が一の場合でも車体へのダメージを小さくしたり、走り続けることが出来る効果も期待できますが、効果を期待できるパーツとファッション的効果のみのパーツがありますから、目的に合ったパーツ選びが求められます。

アフターパーツも色々ありますが、多くの情報を収集した中からパーツを選び出すことは、我々よりもバイクライフを楽しまれている皆さん方が詳しいのではないかと思います。

本当に効果のある機能パーツや、用途や好みに最適なアクセサリーパーツもあるようですから、色々参考にしたいと思います。が、バイク屋から提案したエンジンや足回り等の機能パーツは、組み付け後には必ずコンディションやバランス等を整えることは当然のことだと思います。

楽しみ方は十人十色。速さより心地良さで走り続ける楽しさを満喫して、乗れば乗る程に愛着が湧いてくる。そんなバイクライフを提案したい、とバイク屋North Wing JCでは常々考えています。

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