バイク屋の備忘録

バイク屋のバイクライフ 11月

山形在住のバイク仲間を訪ね、東北をカブでのんびりとツーリングする予定していたが、東北は大荒れの天候となり、急遽中止して近場をカブに乗りブラブラすることから11月のバイクライフが始まった。

能登へNC700Xと750の比較ツーリングを明君と楽しみ、アナログ感たっぷりのR100RSに乗り、お気に入りの中国地方のルートを走り廻り相変わらずバイク三昧の日々を楽しんでいる。

ダウンサイジングを検討中の女性ライダー 11月3日

悪天候のため東北ツーリングを取りやめて、いつものメンバーと近場へカブで出掛けた日、いつものメンバーとも親しい女性ライダーが、VTR-Fツアラー仕様を試乗のために参加した。

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CBR250、デグリー、SL230と乗継、大型バイクに乗り始めて17年、BMW R1100Rに始まり、800のT100から900になったT100へと2台のボンネを乗り継ぎ、北海道から九州までロングツーリングを幾度となく楽しみ、日帰りツーリングは、国道や県道を走り繋ぎ、丹後半島や能登へ出かけるなど大いにバイクライフを満喫していた。しかし、1年半ほど前から時々腰痛に悩まされることとなり、しばらくバイクから遠ざかっていた。

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北海道へVTR-Fで出掛けた時のことを色々問われて、興味津々の様子だったところへ、明君のVTR-Fツーリングレポートを見て、機会があればショートツーリングで乗ってみたいと意気軒昂。

★ビッグバイクからダウンサイジングを考える女性ライダーの試乗車VTR-Fの試乗記

ツーリングから無事に帰ってきて、NWJCコダワリのVTR-Fは過去の250とは別物で、排気量に頼ることなく充分に楽しめる事を知り、これってお持ち帰りできますか、とドキッとする声がかかった。Nakaさんが、R80GSに目をつけていたように、ツアラー仕様に仕上げたコダワリのVTR-Fが狙われている。

R100RSで朝駆けの予定だったが・・ 11月6日

天気が良いと思われる日は、その時の気分次第で乗る車両は違うが、朝駆けを時々楽しんでいる。晩秋の早朝をR100RSで楽しむつもりで暖機しながらゆっくりと走り始めた。数キロ走った所でR100RSのボルトメーターの動きが怪しい。メーターに異常が無ければ、どうやらバッテリーか充電系統が不良のようだ。残念だが引き返すことにした。

エンジンを止めるとやはりセルを回すだけの力は残っていなかった。R100RSでの朝駆けは暖機運転で終わってしまった。そう云えばこのバッテリー、2年近く乗っていなかった間は、エンジンをかける時に時々充電するだけで、いつ変えたかわからないシロモノだった。

R100RS

8月末に西日本へ出かけた時は、トラブルも無く運よく走る事が出来た。バッテリーの交換と充電系統のチェックをすませて、近郊をブラブラと一周りして異常がない事を確認して、次回に備えることにした。

30年も経った車両だが、メンテナンスのツボを抑えていれば神経質になることも無く普通に使って楽しめるところも好いし、電気仕掛けのハイメカを装備していないアナログ感はライダーの五官を刺激してバイクライフをより面白いモノへと導いてくれる。

亦、心地良く走れる速度域が日本の道路事情には最適であることが、トライアンフのモダンクラシックであるT100やスクランブラーにも通ずるところがあり、BMWの旧型モデルであるOHVがお気に入りのところである。

NC700XとNC750で能登ツーリング  11月10日

明君とNC700・750Xの2台を走らせて能登を比較試乗で楽しんで来た。使用したNC750Xは、旧知の間柄でHONDAカーズに勤務するH氏の車両である。

長年バイクライフを楽しんでいるベテランライダーの彼が、CB1300SFからNC750Xにダウンサイジングを図ったが、足回りなどには不満があるようだ。

試乗車として使っているNC700Xも同様に、楽しめる範囲を拡げた仕様へとカスタムした経緯もあり、長年バイクライフを楽しんで来たベテランライダーの彼が云いたいことは、特別なモノを求めているのではなく心地良く楽しめる仕様を求めていることがよく解る。

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NCシリーズはスクランブラーと同じ270度クランクだから、一般道では、60~80Km前後の流れの中でも、Vツインにも似た心地よい鼓動感があり、エンジンコンディションを整えてフロントの足回りを若干改善すればワインディングも軽快に走り続けることを楽しめる。排気量が750へとUPされて、速さより心地良さで走り続ける楽しさに加えて、流れに乗ってゆっくりゆったりと走るクルーザー的な走りも楽しめるようになり、楽しみ方に拡がりが生まれたところが魅力である。

長年バイクライフを楽しんで来たベテランライダーたちが歳相応に、より楽しむためのダウンサイジングを考えた時、ミドルクラスの殆どが、エントリーモデルとしての位置づけにあり、ローシートを装着して足つき性と初心者向けの旋回性を重視した柔らかめ足回りの車両ばかりである。

初心者向けにはローシートとかローダウンなど色々と気を使っているが、長年乗り続けたベテランライダーが満足できる仕様は、何一つ用意されていないのが実情である。

★NC700XとNC750Xの比較レポートは、明のコラムにてご覧ください。

能登からの帰りに高速道の掲示板で知ったことだが、昨年初雪は、11月11日だったらしい。

R100RSに乗り久々の夜神楽を楽しむ 11月15日

モノサスのR100RSに乗る村田さんと、バッテリー交換を済ませたR100RSの新旧2台で北広島へ夜神楽を見に行く事にした。

紅葉1

昼前に出発して、中国道を走り大佐SAから一般道へ降りて、のんびりと紅葉を楽しみながら夜8時の開演に間に合うよう、広島県安芸高田市の神楽門前湯治村を目指した。

紅葉2

神楽は、子供のころから大好きである。演目は伊吹山で、日本武尊が伊吹山へ荒ぶる神を討ちに行く神話が演じられ、古事記と日本書紀の両方を取り入れた分りやすい内容で、楽しい時間を過ごすことが出来た。

神楽

親子連れの姿も多く、幼稚園児くらいの小さな子供さん達は、誰一人としてゲームやおもちゃを持っていなかったことや、約一時間の上演時間中に席を立つ子供さんがいない事は驚きでもあり、伝統文化の継承が脈々と息づいている素晴らしさを目の当たりにした。

金屋子神社

翌日は、三次から走り始めて久々に妻木晩田遺跡へ立ち寄る予定だったが、安来市では「たたら」製鉄の守護神である金屋子神話の神を祀る金屋子神社へ参拝して、金屋子神話民俗館で時間を費やすうちに空模様が怪しくなり、妻木晩田遺跡は次回にして岐阜へ向かうことにした。

途中、激しい雨に見舞われたが、R100RSは足元やグローブが濡れることも無く、走り続けることを楽しめた。村田さんとは大垣ICで分れたが、翌日には信州安曇方面を一周りするカブツーリングに参加するため、カブに乗り換えてNakaさん達と合流するため、県境に近い恵那へ向かうとのことだった。

再びR100RSで西日本へ出かける。11月22日

KさんのBMW R100GS・PDのミッションのオーバーホールが終わり、22日土曜日の昼前からKさん、村田さんの3人で、恒例のOHVツーリングを楽しむため再び西へ向かって走る事にした。Nakaさんは少し遅れて、R80GSを駆って瀬戸内海の夕日を見ながら別ルートで西へ向かっている。

秋の中国地方をBMW OHVで共に楽しんだ、いつものメンバーのブログもご覧ください

★Nakaさんのブログ『BMW OHV4台で秋の中国地方を走る』

Kさんは四十肩か五十肩のため、7月の東北ツーリング以降大型バイクには載っていなかったが、肩の具合も良く久々にR100GS・PDでロングツーリングを楽しみたいとのこと。

R100GS/PD

数年前にトライアンフT100で東北を走った時、道の駅でワンボックスに乗る人から「他には何に乗っていますか」と少し変わった問い掛けを受けたことがあり、スクランブラーやR100RTにも乗っていると回答した。

すると「私もR100RTに乗っていたが、K1600に乗り換えたことを後悔している」とのこと、毎年タンデムで東北ツーリングを楽しんでいたが、K1600に乗り換えてからどことなく違和感を覚えて乗る事が億劫になり、今年は初めて車で東北を周っているとのこと。バイクは、スペックや装備だけでは楽しめない事を如実に物語っていた。

BMW-OHV

長年乗って来たベテランライダー達は、最新モデルよりも乗り続けてきた旧型に愛着を持ち、緩やかな放物線を描くようにダウンサイジングの傾向にあるのは、スペックや装備で得られる快適さや移動距離よりも、バイクとの一体感による操る楽しさの中に充実感を見いだしているように思う。

NakaさんのR80GSと村田さんのR100RSに続いてワインディングを走る、先行する2台は其々が楽しそうにラインを描いている。83年式のR100RSは、アクセルを開けると決して速くは無いが何とも言えない心地よい音と加速感が五官を刺激して走りを楽しませてくれる。そういえば、ここしばらくR100RTに乗っていない。今年は小排気量に乗る機会が増えているが、何故だろう、と今年一年を振り返りながらR100RSを走らせた。

R80GS

先行するNakaさん村田さんの嬉々とした走りや、Kさん達の若さあふれる活発なバイクライフを見ると、この先どこまでビッグバイクを共に楽しむ事が出来るだろか、5年10年・・・、色々な思いが駆け巡っていた。

途中の道の駅で、久々に見るオフ車20台くらいのグループがやってきた。エンデューロマシンにナンバーを取り付けたようマニアックな車両に跨りヘルメットを被った姿は見るからに若々しい。しかし、ヘルメットを脱ぐと同世代かそれよりも年配の人達が、若い人達と共にバイクを楽しんでいる姿を見て、まだ大丈夫という安堵感を得た。

冬将軍がそこまでやってきている、カブのタイヤを冬用に交換して、このルートの冬景色を眺めながらカブで走ることを考えてみたり、足を延ばして高千穂神楽を見に行くのも妙案では・・などなど、これからの季節をバイク三昧の日々で楽しむ案が次ぐ次と浮かび上がってくる。

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