今年もツーリング三昧の日々を・・・
速さより心地良さで走り続ける楽しさ
単気筒CBR250Rが発売された年の秋、久々に250に乗って北海道へツーリングに出掛けた。大型バイクのゆとりあるパワーに慣れきった感覚からバイクを走らせる事の楽しさ、操る事の面白さを忘れていたように思えた。
日本の道路事情の中では、有り余るパワーをフルに使うことのできないもどかしさのようなモノは何時もあったが、それが何かということは、朧げにしか分らなかった。併し、最新の単気筒CBR250Rをロングツーリングで走らせる事により、ゆとりや有り余るパワーによる速さよりバイクとの一体感を持って一生懸命走らせている、乗っている、操っているという充実感があってこそ、走り続ける楽しさがあることに気づいた、というよりは忘れていたようだ。
それ以来「速さより心地良さで走り続ける楽しさ」をバイク屋として提案できればと、強く思うようになった次第である。カブ110NWJCコンプリートを企画したのは、排気量や車格、ブランドなどに拘ることなく、気負いや衒いを持たず、無邪気にバイクライフを満喫できるライダーとしての目線からである。
初乗りはカブ110プロで能登へ
2014年の乗り始めは、3日から能登へいつものメンバーと出かけた。
昨年の乗り初めも能登へ行くことが予定されていたが、Nakaさんの新年早々の初転倒によりゲンを担いで中止としたが、今年は幸先の良いスタートが切れたように思える楽しいツーリングとなった。
新型のカブで出掛ける予定だったが、北店の細川君より「北店で試乗車として使いたいし、自分でも通勤快速として時々は使いたいから・・・」という声が有り、旧型のプロトタイプコンプリートに乗る事になった。
旧型より新型の方が、サスやミッションなど色々な部分が刷新されて使いやすく軽快に走れるのだが旧型の問題点を見直すのも面白いようにも思い、しばらくは旧型を楽しむ事にした。
旧型で最も苦に為っていたのは、腰の坐りが悪く妙に力む感じがあり落ち着かない坐り心地の悪いシートである。CT110のようなガッチリ感のあるシートで走ることができればと思い、早々他のパーツを物色しながら色々と試し改善することが出来たから能登へは坐り心地の良いシートで心地よく向かうことが出来た。
標高の高い圧雪路面では氷点下の中を走ったが、キャブ車では時々息つきをしたりパンパンとアフターをしたりと問題もあるが、インジェクションとなったカブは、何ら苦に為ることも無くスイスイと走りを楽しむ事が出来る。
日本の四季を楽しむ
四季を通じて同じルートを何度も走ると、同じポイントでも全く違った景色を楽しむことが出来るが、冬の道路状況を考えると大型バイクでは出掛けることが億劫になってしまう。だが、カブのような小排気量でしっかりとした防寒を施せば多少の雪道でも楽しくツーリングができる。
今回のルートは、春先にはタンデムで田園風景を訪ねる事もあるお気に入りの定番ルートだが毎度全く違う風景が広がっているのは良いものだ。坂道を登りきった先の下り坂からは立山をバックに街並みが綺麗見えるポイントでは、残念ながら雨からミゾレとなり鉛色の雲に覆われた景色の中を走って来た。
四季や天候により、穏やかさや荒々しさ、活気や静かさなど様々な表情を持っている風景を楽しむのも定番ルートを走る面白さであり、季節により車両にも少なからず色々表情があるように思う。
能登ツーリングについては、何時ものメンバーのブログもご覧ください。
2013年の後半を振り返って
昨年の晩秋は、同い年のバイク好きな和尚からのお誘いで、東濃から南信州をカブ110NWJCコンプリートでツーリングを楽しんできた。カブ110コンプリートからGL1800まで排気量や車格に拘ることなく、数台のバイクを年中楽しんでいる和尚とはバイクの好みも似ていて共にカブ110はお気に入りの一台となっている。
和尚とは、年を経ることにより緩やかな放物線を描きながらバイクライフを楽しむ事には共感できるものがある。東濃から南信州は和尚の庭のようなもので、南信州の山間部はカブ110ならではの面白さがあり、まさに「速さより心地良さで走り続ける楽しさ」のあるルートを案内していただき、心地良く走り続けてとても楽しいカブツーリングを満喫することが出来た。
今年は、小排気量カブ110ならではの面白さを共に楽しみながら、東濃方面から南信州へのカブツーリングを和尚の案内で、四季を通じて出掛ける予定をしている。
東濃、南信州カブツーリングのレポートは、いつものメンバーのブログもご覧ください。
防寒対策を再検討
秋も終わりを告げ初冬に差し掛かり寒さが日ごとに増して、山間部を走ると冬がじわじわと忍び寄っている事を肌で感じていた頃これからの季節を楽しむ為の防寒には色々と悩むところであった。
歳を重ねるうちに寒さに対する抵抗力が衰えていることをツーリングに出掛ける度に実感して、真冬もバイクを楽しむのであれば年相応の防寒対策が必要であることを痛切に実感している次第である。
50代前半までは11月下旬の寒い深夜に一気に距離を稼ぎ出すために数百キロを高速で移動すると、ブレーキレバーやクラッチレバーが氷の様に冷たいとは感じたが、グリップヒーターが必要とは思わなかった。しかし、今では氷の様に冷たいと感じる前に血流が悪いせいか手が攣ってしまうこともあり、グリップヒーターは必需品となった。
それは、正常に歳を重ねている事を自覚する事でもあり、それらを素直に受け入れて対応する事により、緩やかな放物線を描きながらの素敵なバイクライフを満喫できると考えている。
防寒の装備は色々とあるが、手首、足首、首の防寒が適当だと、着膨れするほど着込んでも体温は下がり、昔の古傷がズキズキと痛んだり、腰に張りを感じたりして長い時間走り続ける事を苦に思うこともあるが、防寒にも少し気を配れば真冬でも楽しむ事が出来る。
スクランブラーで電熱ソックスをテスト
昨年11月初旬、手や指先の冷えはグリップヒーター+αで対処できるが、足の冷えはゴアのソックスを履いたりして対策してきたが、今シーズンからは電熱ソックスを使ってみようと思い、防寒効果がどの程度であるかスクランブラーでツーリングに出掛けて試してみた。
外気温度が4℃位の山岳路を木曽から飛騨、奥美濃へと、日が落ちて気温がぐっと下がり1℃前後のなかを走ってみたが、手と足で暖を取る事が出来ると体温が下がる事を防ぐことが出来て、寒さを苦に思うことなくツーリングを楽しむ事が出来た。
これからの季節は路面凍結を避ければ、気負うことなく手軽にツーリングを楽しむ事が出来る様に思えて、新たな防寒スタイルを得て楽しめるフィールドが拡がったようだ。
大型ツアラーは防寒に対する装備も色々と整っているが、車格が大きく重い車両だと精々高速道を往ったり来たりする程度の楽しみ方となってしまう。防寒がしっかりしていればミドルクラスの車格でも路面状況によるが、一般道をフラフラと気負うことなく楽しむ事が出来る。
これからの季節は車格が小さいほど自由度が高く、カブ110などは雪道でも苦にすることなく、誰でも楽しむ事が出来るベストサイズだと思う。
久々にBMW R100RTでツーリングを楽しむ
2013年最後のロングツーリングは、久々にBMW R100RTでお気に入りの山陰方面を走って来た。
タンデムで心地よく走り続ける為にトップケースや大容量のパニアケースの装着など積載力を高めて、足回りからフレームまで細部にわたりにモディファイしているR100RTだが、昨年は日程の調整ができずタンデムでロングツーリングに出掛ける事が無くチョイ乗り程度しか使っていなかったので、ソロでロングツーリングに出掛けた。
いつものメンバーも久しぶりにR100RSやR80GSのBMW・OHVでツーリングに出掛けることになった。
天候は晴れの予報だったが、日本海側の空の色はこの季節特有のどんよりとした鉛色の曇り空で、日暮れも早く、雨や雪になれば寒さも厳しくなるが、四季を通じて同じルートを何度も走ると、同じポイントでも全く違った景色を楽しむことが出来て西日本の中国山地から日本海山陰方面はお気に入りの一つである。
其々に仕事を終えた夕方から山口県岩国を目指した。私は昼前に出発して木之元から小浜へ抜けて日本海側を走り、米子か出雲のどちらかから中国山地を超えて岩国に向かうルートで走り始めたが、兵庫県から鳥取県の県境あたりから天気が崩れ始めて、米子を過ぎたあたりではドシャ降りの雨となり日も暮れたので、出雲から三次に下って岩国を目指した。到着はPM11:00過ぎで、高速道だけなら岐阜から5時間ほどで到着できるところを13時間ほどかけて岩国に到着したが、一般道を心地よい速度で走り続けるのは楽しいものだ。
永く付き合える相性の良いバイク色々
複数台所有している中に比較的人気のあるR100RSもあるが、タンデムでのロングツーリングにはアップライトなポジションのR100RTがお気に入りで日本の道を心地よく旅するには最適な1台である。
89年式のR100RTは24年も経った旧式のOHVエンジンで、最新のハイメカ仕様のバイクからみれば比べるまでも無く超アンダーパワーで足回りも革新的な機構は何一つ装備されてはいないが、大柄な最新モデルが速さと安易さに加えて高速道での快適さであれば、一回り小ぶりなOHVモデルは日本の道路事情に最適な速度域での心地よさと一体感である。この点は、CB1100やNC700X、タイガー800に加えてツーリング仕様にモディファイしたスクランブラーやボンネビルT100等も日本の道路事情に適したものがあると実感している。
また、ハイメカを一切装備していないシンプルな機構は信頼性が高く、ハイメカモデルにありがちな、電球が切れるように突然起こる不意なトラブルは少なく、テスターによるリセットの必要も無い。
R100RTなどOHVエンジンを搭載している他の機種も、心地良く走り続ける速度域が日本の道路事情には最適であり、これからもその楽しさを存分に味わうために、メンテナンスやモディファイを加えながらベストコンディションを維持しながら乗り続けたいと思っている一台である。今年からはBMWOHVモデルを楽しむ人たちとツーリングを楽しむ機会も増えそうだ。
ツーリングスタイルは十人十色
一般道では持て余し気味の車格や排気量で、ファイナルレシオやミッションレシオも高速型で一般道では使い難くい車両を上手く誤魔化して使う為か、単純に点と点を結ぶために高速道を主体に行ったり来たりするツーリングスタイルが雑誌等では提案されているようだ。
永年バイクを楽しんで来た経験豊富なベテランのツーリングライダーたちはメーカーを問わず最新のハイメカ満載の輸入モデルの総てが日本の道を楽しむ事が出来るのかと、疑問視すると同時にハイメカモデルには興醒めしている傾向にあるように思う。
排気量や車格、ブランドなどに惑わされることなく廉価な250クラスやNC700Xをはじめ、バイクらしいスタイルのCB1100やW800、SR400などの機種が見直され定番化して、息が永いのはその傾向を如実に表しているように思う。気負いや衒いを持たずバイクの機種選びは慎重に行いたいと、提案したいところである。
時間と距離を稼ぐ為には高速道も便利だが、時間をかけて走り続けるのであれば一般国道では流れに乗り、県道のワインディングを軽快に走り、バイクとの一体感を味わいながら速さより心地好く走り続ける面白さがあってこそツーリングを楽しむ醍醐味がある。
今年もバイク屋としてツーリングライダーとしてバイク三昧の日々を過ごすことが出来ればと思っている。
今月末はRSAレザーズの足立さんを誘っていつものメンバーと恒例の冬の花見をカブで楽しみたいところだ。