バイク屋の備忘録

R100RTをタンデムツーリングで楽しむ PartII

先週は、能登からの帰り道で、フロントブレーキに違和感が出始めた為、久々にフロントブレーキのメンテナンスを行った。そのチェックも兼ねて今回は、諏訪と木曽を一走りしてきた。

少し遅めの出発だったので、中央道を走ったが天気も良く、南アルプスと中央アルプスの眺望はとても綺麗だった。ここ暫くご無沙汰の陣馬形山も眺めながら近々出かけてみたいと思いながらの通過となった。

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伊那で降りて県道を北上して諏訪へ向かう県道では、田植えの風景を眺めながら春本番を覚える。

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岡谷では、空を泳ぐ「鯉のぼり」ではなく、うなぎ登りで、がんばろう!日本にかけての「鰻のぼり」を見つけて、幟につられて少し早目の昼食となった。

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バイクに快適性だけを追求するのであれば、軽自動車の足元にも及ばない。面倒な身支度とホコリや排気ガス等の汚れや、雨が降れば更に面倒な身支度が追加される。そのうえ暑さ寒さは耐えながら凌ぐ事が求められるが、バイクとの一体感や、日本の四季を肌で感じながら走り続ける心地よさなど、車では味わえない魅力がある。

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岡谷より県道で峠越えをしてR153からR361で権平トンネルを超えてR19へ出るつもりだったが、ウッカリ通り過ぎてしまい、R20で塩尻峠より諏訪湖を横目で見ながらR153へ入った。

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R153は、流れる速度も緩やかだが、R100RTの穏やかなエンジン特性とアップライトなポジションは、心地好く、何らストレスを覚えることは無い。

ここ数年バイクの性能は飛躍的に向上し、ライダーがある程度思い通りにバイクをコントロールできる曲がり易さ等の操縦性の良さと、排気量やパワーによる速さに優れたバイクも多いが、ロックしないブレーキシステムとかアクセルコントロールに於いてライダーの未熟さを補う装置を付加することは、勘違いすればリスクが大きく、リスクを回避する抑止力としての効果には疑問に思うところでもある。

R100RTは、スペック的な数値による性能より、エンジン特性をはじめ穏やかさと落ち着きのある乗り味等の体感性能に於いて快感速度とでも云うのか、心地好いと感じられる速度域が日本の道路事情にとても合致している。勿論、速さより心地よさで走り続けることを楽しむには、それなりのメンテナンスが必要となることは云うまでも無い。

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タンデムツーリングを楽しむ時、R100RTの大きからず小さからずの程良いサイズや使い勝手の良さは、初めての知らない道では迷うことも楽しめる。取り回しは慣れもあるが、程良いサイズはとてもお気に入りである。

R361とR19の交差点を右へ行って藪原から平湯か野麦峠を経由するか、左に行って木曽福島から開田高原を経由するか、どちらも心地よく楽しめるルートで迷う所だが、出発時間も影響して夕方より予定が入っていたのでやむなく19号を下り、R256から、島崎藤村の「夜明け前」にも出てくる妻籠宿から旧中山道の馬籠宿へと抜けて中津川より国道と県道を走り繋ぎ、飛騨金山へ向かった。

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飛騨金山より、天気を伺いながら御嶽山と乗鞍岳が見える峠を目指した。乗鞍岳は木々に覆われた山の影であまり見えなかったが、御嶽山は夕日で赤く染まり始めていた。

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お気に入りのルートや慣れた道を走る時、R100RTの持つ穏やかさとは、別の一面をのぞかせ季節を肌で感じながらの走りもまた楽しい。

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いつもの道、初めての道、知らない道、迷い道も含み、心地よく走り続けて楽しめる長距離ツーリングに於いて、荷物の積載は、ルートや距離など目的に応じてリアキャリアなど仕様を変更できるよう改良したことにより、パッセンジャーも共に心地よく走り続けることを楽しめる。

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巧く乗りこなすためのライテクには際限がないと思う。併し、上手く使いこなすことは、十人十色のアイデア次第で無限の楽しみ方が有るのではないだろうか。

最近発売となり話題のHONDA NC700シリーズ等は、エンジンの鼓動感と扱いやすさと低燃費で初心者からベテランまで誰もが、速さより心地好さで走り続けることを楽しめる一台だと思う。

ツーリングを楽しめるバイクは、スペックやハイメカに惑わされることなく、速さより心地よさで走り続けることを楽しめるバイクだと思う。

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ソロでツーリングを楽しむ時は、トライアンフ スクランブラー900もお気に入りの一台である。

NC700シリーズ同様に270度クランクから産み出される鼓動感と、穏やかなエンジン特性とアップライトなポジションに加えて程良い車格は、多少荒れた簡易舗装の林道からフラットダートも含み、フィールドを広げて心地好いと感じられる乗り味は、モダンクラシックらしさを体感できる。

スクランブラーの心地よい速度域は、R100RTと同様に日本の道路事情に合致している。荷物の積載を対策すれば、速さより心地好さと操る楽しさを以て延々と走り続ける長距離ツーリングの面白さを実感できる。

近々、長距離ツーリングを心地よく楽しめる仕様に仕上げたスクランブラー900を楽しんでいるライダーたちの声を紹介したいと思う。

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