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スクランブラーNWJC 2014で再び西へ

  • スクランブラーNWJC2014を駆ったバイク旅やカブ110NWJCコンプリートでのキャンプツーリングなど、今一番バイクライフを満喫している、羨ましい限りのライダー寺山さんから再び定番の西へトライアンフ空冷スクランブラーで訪ねたレポートが届きました。

昨年の10月 緊急事態宣言解除後に日本神話巡りに出掛けて以来、僕はバイクライフだけでなく心地よい時間を過ごすといった生活感が一気に変わったような気がする。

今回は村田さんが緊急の仕事でとんぼ返りとなり、4台4名で先頭に高田さん、順にS.Oさん、僕、最後尾をM.Gさんでフラフラと西の道を走ることになった。高田さんと行くツーリングは毎回得るものが多くとても良い時間を過ごしてきました。

コンディションが整っているからこそ

走り始めて少しすると高田さんが「テラさんリヤサス触る工具持ってる?」以前高田さんから頂いた工具を差し出すと、「少し調整するからこれで乗ってみて」少しとは1.5mm程度の変更だったのですが再び走り始めると違いが直ぐにわかった。

フロントタイヤの接地感が増してコーナーの旋回性が良くなり楽しいではないか!キャンプ道具をフル積載していてもグイグイ曲がる。

高田さんはバックミラー越しに僕の走りを観察しセッティング変更を考え実行してくれたのだ。決して遅くないペースにも関わらず後続車の挙動まで観察し対策案まで考えながら走る隙のないところにまたしても脱帽です。

なにも手を付けていない車両でもこの数値のセッティング変更で変化は感じられたのだろうか?動くから何も問題ないと走っている車両ではどうなのだろう?

僕の車両は元々高田さんが所有されていたので、言わば完成された状態ではあるが車検等を経て定期的なメンテナンスを施しています。

工業製品から一つ一つモディファイを施し深化させたNWJC2014仕様は、バイク屋のバイク乗りとして実体験に基づくノウハウがあるからこそ今回の微調整で僕の旅をより楽しいものにしてくれたのだと、改めて実感です。

心地よい走り

晴天の中、田舎道を車の流れにあわせて極低速でゆったり走るとVツインにも似た心地よい鼓動感は、スクランブラーのお気に入りポイントです。

アクセルを少し搾るだけで250kgの車両は気持ち良く反応してくれる。

実に分かりやすく会話できるコンディションは全てに妥協のないNWJCの拘りメンテナンスのお陰なのだろう。

NWJCにお世話になる前は調子の悪い車両に乗ったこともありますが、低速領域が安定しないため(ノッキング等)ついつい回転を上げて走る。アクセルワークも大きく動作させないと反応してくれないため、だんだん疲れてきてしまう。

SL230/XLR-BAJAを拘りメンテナンスして頂き、SL230はTMへと深化して2バルブと4バルブの違いが分かりやすく体感できるようになりました。

それだけライダーとしての僕の感性は乏しくいい加減なものでしたが、車両のコンディションが整うとバイク本来の性能を体感できた時から少しずつ感性が養われたように思えます。

一期一会

今回で3度目となる西への旅で過去に訪れた場所もあったが季節も違えばメンバーも違い、目に映る景色は別ものに見える。

青空の色、雲の形、風の匂い、気温、その時の体調や気分、まさにその瞬間の出会いを楽しむことを教えてもらえた。

高田さんは僕ら3人に普段話しているところを案内するルート選定は絶妙で、前回と同じポイントへのルートでも、前回とは違っていくつもの九十九折れの道を巡る行程は飽きることなく走り続けられた。

旅を安全により快適に走るための車両の装備は乗るたびに感心させられる。それがNWJCツーリングマスターと言われている仕様で、確実な荷物の固定はライディングに集中することができ、マスの集中化まで考慮した配置は前後サスペンションのバランスを崩すことはない。

ラッキョ畑で夕陽を19時前に眺めはじめ、今日は雲が多いから夕日は期待できないだろうと思っていたら、高田さんが空き地に腰を下ろして「まぁ観ててよ!」って。コンビニで買った夕食をほおばりながら僕らも腰を下ろした。

陽が沈むにつれ黒い雲が赤くなり始めてどんどん色が濃くなっていった。

全員がその景色に魅了され、炭が真っ赤になった時のように雲はピークを迎え辺りが真っ暗になった時は20時ころだった。

翌日仕事にもかかわらず鳥取からまだ300kmはゆうにあろう帰路なのに、誰一人早く帰ろうとも言わず夕暮れ時の彩りを楽しんだ。

そこからの帰路も一般道を走り続け帰宅したのは午前3時半でしたが、疲れはさほど感じられず心地良いだるさ程度で、いつものようにまた行きたいなと次のことを考えてしまう。

コンディションが整っている車両だからこそ先を急ぐ気の焦りもなく、少しでも長く乗っていたいと思えるのでしょう。

S.OさんとCB400SS-TM

S.Oさんは今回が初乗りのNWJCのCB400SS-TMでの参加でしたが、まるで自分のバイクのように操り、九十九折れの道もスイスイと実に楽しそうにして、経験が5、6年のライダーなんて思えないほど軽快に乗りこなして、排気量が倍以上ある車両に乗る経験豊富なオヤジライダー達と比べても遜色のない走りは驚きでした。

コンディションとトータルバランスが整ったNWJCツーリングマスター仕様は、ライダーにとって分かりやすい一体感によってスキルUPにも貢献している素敵な乗り物なんだとS.Oさんの走りを見て確信しました。

また、コンディションが整った車両は、ライダーの感性を刺激して成長させてくれることもわかった気がします。

レポート 寺山

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