バイク屋の備忘録

バイク屋のバイクライフ2019

今年は皇位継承により平成も終わり、新たな元号となり良き年となることを心より願う次第です。

昨年は悪天候や地震など天変地異によりバイクに乗る機会が少なかったが、親子ほど歳が離れている若い世代はものともせず毎週のように西へ東へと駆け抜けてバイクライフを満喫していた。

速さより心地よさで走り続ける楽しさのためには、ライテクよりもメンテナンスによりコンディションを整えることが必須であることを若い彼らが実感したことは、何よりである。

また一つ歳を重ねたおっさんライダーは、とっておきのバイクで若かりし頃を振り返るバイク旅も楽しみたいと思案中である。今年から自由気ままにバイク三昧の日々を過ごしたいと考えている今日この頃である。

初乗りに思う

今年の初乗りはBMW R100RTでの冬の花見から始まった。1989年製の旧いR100RTは、トライアンフ空冷ボンネビルT100同様に昔ながらの素朴な乗り味が魅力で、おっさんライダーでも気負わず楽しめる車格のツアラーである。

花見

おっさんライダーでも気負わず楽しめる車格について振り返ってみると、ホンダのフラッグシップであるゴールドウイングも1988年から長年楽しみ1500から1800へと乗り続けたが、一昨年の夏で乗ることを已めた。

日本の道を自由気ままに楽しむには少し無理な車格であると実感する事もあり、本来はタンデムが得意なバイクであるが300Kgから400Kgを越える車重は、歳を重ねて体力的なことも含み、気負わず自由気ままに扱えなくなったのも事実である。

GL1800

「思い描いているバイクライフを満喫しているか」と問われると、気負いや衒いなど自己主張の小道具としてのバイクからは何も得られない。また、歳を重ねることにより気負わず扱える車格には適齢期があることは理解できるが、現実として改めて実感した次第である。

新製品効果をあてにした野放図な成果主義や台数至上主義を主導するインポーターや○○JPの市場は、カテゴリー化と電子制御や大型化が進んだ新型バイクは、高性能ですべてに良いというイメージ作りに明け暮れて、ブランドやスペック等で所有欲や存在感を煽る小道具と化しているように思う。

GPマシンのような60度のバンク角や、ダカールマシンのように悪路をハイスピード走破できるスペックなどは一般道では無用に思えるが、それらは日本の道を楽しむ為に必要なことか・・・。

乗りたいバイクが見つからないと云うベテランライダー達の声が聞こえてくるのは何故だろう・・・。

「思い描いているバイクライフを具体化しているか」とあたりを見渡せば、ブランドやスペックにより所有する価値観よりも、自らの実体験に基づいてバイクの価値を見出すライダーが増えているのは何よりである。

「思い描いているバイクライフを満喫出来るか」と自問自答すれば、使いこなせる車格や排気量へのダウンサイジングは必然で、素敵なバイクライフを欲するのであれば当然のことだろう。

R100RT

日本の道に適したスペックと車格、年齢とスキルに適したスペックと車格など、それぞれが「思い描いているバイクライフ」を満喫するために、バイク屋のバイク乗りとしての実体験から応援できることがあればと思う。

などなど、R100RTを走らせる道すがらバイク屋のバイク乗りとして、今年のバイクライフについて愚考をめぐらせてみた次第である。

R100RTを初乗りで楽しむ

雲ひとつ無く快晴。GoodコンディションのR100RTを駆って西へ向かうか東に向かうか・・・・。

この季節、カブ110NWJCコンプリートにスノータイヤを履いて雪道を楽しむ冬の花見が恒例となっているから、昨年末はいつものメンバーがこぞってスノータイヤに履き替えていた。

水仙とカブ

雪があればカブ110NWJCコンプリートの独擅場である事は云うまでもない。いつものメンバーと共に雪道でカブワールドを楽しみ冬の花見に出かけたと思うが、今年は雪も無いようだから一足先にR100RTを走らせて冬の花見を楽しむことにした。

港

高速道をハイペースで走り抜け、国道は流れに乗って悠々と走り、海沿いから細い道を走りつなぎ、花畑ではフルターンが連続する狭い急斜面も躊躇すること無く、どんどん高いところへ登っていく。R100RTのOHV2バルブエンジンはいつもながらに扱いやすく、30年が経つ旧さは微塵も感じさせない。

道を選ばず自由気ままに速さより心地よさで走り続けて楽しめるR100RTは、その言葉どおりフラットダートであればタンデムでもOK!と云える車格のツアラーである。スペック云々では語れない扱いやすさは、色あせる事のない直接的な操作感も魅力で、おっさんライダーお気に入りの1台である。

スイセン畠

スペック云々では語れない色あせる事のない直接的な操作感とは、空冷ボンネビルT100の機械式のスロットルと水冷ボンネビルの電子制御のスロットルの操作感の違いとでも云えばよいか、感覚的な事は人それぞれだから難しいところでもあるが、アナログが人に優しいことは実感できるだろう。

ビッグバイクの多くはスロットルをはじめトラクションコントロールなどの電子制御が満載されて移動の手段としては快適のようだが、操る楽しさは機械式のアナログへと回帰する傾向にあるようだ。

おっさんライダーのバイクライフ 2019

バイク屋のバイク乗りとして「速さより心地よさで走り続ける楽しさ」と同様に「思い描いたバイクライフを満喫するため」は、バイク屋のおっさんライダーの大切なテーマである。

トライアンフ空冷ボンネビルT100NWJC2014やスクランブラーNWJC2014は、NWJC独自のメンテナンスによりコンディションを整えて、速さより心地よさで走り続ける楽しさと、旅バイクとしての多用性を発揮させて楽しむ為にオリジナルパーツ群も取り揃えた車両である。今回走らせたR100RTも同様でサイドパニアはボンネビルT100と共用にしている。

パニア

おっさんライダーが思い描いたバイクライフを満喫するためのSL230欲張りなおっさん仕様は、旅バイクとしてSL230TM(ツーリングマスター)へと深化させた過程がある。VTRや現在進行形の車両などダウンサイジングした旅バイクの楽しさをバイク屋の実体験から提案できればと思う次第である。

SL230TM

バイク屋のバイク乗りとして数多くの実体験から、気負わず自由気ままにバイクライフを満喫するために企画したカブ110NWJCコンプリートは、初心者からベテランまで誰でもが、普段使いから走り続ける旅バイクとしても多用途に楽しめるバイクであると自負している。

車両販売や部品交換のための商品知識や情報が頼りの傍観者より、バイク乗りの当事者として自らの実体験に基づいて、思い描いたバイクライフを具現化できるバイク屋で在りたいと常々考えている。

夕焼け

最強の旅バイク カブ110NWJCコンプリートから、ダウンサイジングによる気負わない楽しさや、昔ながらの素朴な乗り味で色あせる事のない操作感が魅力のトライアンフ最後の空冷モダンクラシックなど、今年はバイク三昧の日々を過ごしたいと思いを巡らせている次第である。

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