バイク屋の備忘録

セロー250快適ロングツーリング仕様製作プロジェクト その3

コロナ禍は収束する気配も無く爆発的に感染が拡がり緊急事態宣言は延長となり、岐阜も感染が爆発的に拡がり蔓延防止から緊急事態宣言へと遠出もままならぬ日々が続いているが、朝夕は涼しく秋の風が吹きはじめていつもの西の定番を楽しみたいと思う今日この頃。

セロー250快適ロングツーリング プロジェクトも、デュアルパーパスとロードモデルでカテゴリーが180度違うセロー250とCB250RのNWJCツーリングマスター仕様でマルチパーパスとしての使い勝手など様々な観点から比較をするためにキャンプツーリングを予定していたが、コロナ禍は爆発的な感染拡大となりしばらく延期することになった。

また、NWJCトラディショナルとして提唱している空冷ボンネビルT100とスクランブラー900NWJC2014仕様で、いつものメンバーと定番の西へのんびりとバイク旅に出かける予定もしていたが、こちらもしばらく延期することにした。

感染拡大のため、ロングツーリングやバイク旅を楽しむ予定をしていたライダー諸兄も延期か自粛で様子見されていることと思うが、コロナ禍収束後にはGoodコンディションのセロー250を駆ってキャンプツーリングやバイク旅を存分に楽しむために、セロー250快適ロングツーリング仕様のメンテナンスやモディファイに関する途中経過を伝えて、違和感や問題の解決に何らかでお役に立てればと思う。

DIRT FREAKさんとコラボしています

セロー250の快適ロングツーリング仕様を製作するプロジェクトは、DRCやZETA等のオリジナルパーツを幅広くラインナップされている「ダートフリーク」さんとバイク屋「North Wing JC」がコラボしています。

ダートフリーク・オンラインショップ

NWJCツーリングマスターについて

バイク屋North Wing JCは如何に売るかよりも如何に楽しめるか、話題性で売るがための提灯記事による疑似体験と現実的な実体験には大きな違いがあり、スペック、カテゴリー、ブランドなどに惑わされることなく、メーカー出荷状態のスタンダードから用途や目的に合わせたモディファイやメンテナンスにより、娯楽の小道具とは一線を画して価値ある道具から良き相棒へと、バイク屋自らの実体験に基づいた提案が必要であると考えている。

速さより心地よさをコンセプトに、何かに特化することのない曖昧さと和洋折衷のような大らかさをテーマとして、チョイ乗りの普段使いからフル積載のキャンプツーリングやバイク旅まで、道を選ぶことも無く自由気ままにフィールドを拡げて素敵なバイクライフを満喫するために、カブ110NWJCコンプリートから空冷ボンネビル・スクランブラー900NWJC2014仕様など、車格や排気量、カテゴリーに関わらず様々なモデルでNWJCツーリングマスター(TM)仕様を提案している。

ヤマハ・セロー250をツーリングマスターへと深化

チョイ乗りの普段使いからキャンプ道具などをフル積載して1,000Km先を目指すロングツーリングや、距離よりも時の移ろいの中で愉しむバイク旅まで、快適に楽しめるセロー250のツーリング仕様を製作するこのプロジェクトでは、セロー250をツーリングマスター(TM仕様)へと深化さる過程でバイク屋のバイク乗りとして実体験に基づいた提案が必要であると考えている。

セロー250は慣らし運転から始まり現在の走行距離は3,500Km程度だが、各部のチェックとNWJCツーリングマスター(TM)への深化の過程で違和感や問題点が少し見えてきた。

セロー250の楽しみ方も人それぞれで用途によっては苦になる事やどうでもよい事など色々あると思うが、何かに特化することのない曖昧さと和洋折衷のような大らかさをテーマとしたセロー250NWJCツーリングマスターへと具体化させる過程で、ダートフリークさんの機能パーツも活用した提案をしたいと思う。

ロングツーリングやバイク旅では積載力が必須

ロングツーリングやバイク旅では積載力が必須となり、その積載容量はデイトナ製Henly Beginsのツーリングシートバックは53~70LでMoto Fizz製キャンピングシートバックを見ても59~75Lと、拡張できる仕様が主流で、キャンプツーリングやバイク旅では70L以上の容量が必要であることが判る。

夏季は薄着で防寒は求められてはいないがルートによっては夏季でも多少の防寒が必要なこともある。レインウエアー、防寒、冷感ウエアーなど快適に走る為のウエアリングも含むと積載容量は更に必要となり、出し入れのしやすさもパッキングでは大切なこととなる。

ロングツーリングやバイク旅を楽しむのであれば、カブから大型まで車格や排気量に関係なく容量が70L以上のバッグかケースを確実に固定できるリアキャリアが必要となる。バッグ側の固定用のベルト類が「様々な車両に取り付けが可能」と充実していても、荷掛けフックが無い車両もありシートの幅は狭くシートの淵は柔らかくバッグ類を確実に固定することは難しく、適当な固定では荷物が不安定で心地よい走りや安全な走りを得ることは出来ない。

余談だが、同じバイク屋でカブ110NWJCコンプリートや空冷スクランブラー2014仕様を一人のバイク乗りとして楽しむバイク屋RBRのオヤジは、キャンプツーリングやロングツーリングでは車格や排気量に関わらず70~100L以上の積載力が不可欠であることを実感して積載に関してコダワリがあるようだ。

RBR公式サイト「積載についての大切な話」

積載に関してもバイクに乗るバイク屋やメカニックとは意見交換もできるが、バイクに乗らないバイクショップやメカニックとは感覚的なことも含み実体験がないゆえに会話がかみ合わず、疎遠になりつつある今日この頃である。

セロー250NWJCオリジナルリアキャリアKit

NWJCツーリングマスター用のリアキャリアKitは車種別専用で積載力を確保する事と剛性も高めて積載状態での操縦性や安定性を高める仕様としている。

NWJCツーリングマスター仕様のリアキャリアKitは、シートの座面と同じ高さのリアキャリアのサイドパイプは、シート幅よりも広く確実に容量70L以上のバッグを確実に固定できる仕様で、サイドラックも標準装備としている。

サイドラックはサイドバックを装備してタンデムも出来る仕様で、サイドバックは左右で20~50Lと様々な容量で重心を下げてマスを集中化した積載状態はワインディングでも積載を意識することなく軽快な心地よい走りに貢献している。

普段使いやチョイ乗りツーリングでは使い勝手の良いトップケースも装備できる仕様としているが、トップケース装着時は操縦性と安定性を優先した取付け位置の為、タンデムは不可としている。

サイドラックの左側はトライアンフ空冷モダンクラシックと同様で、RSA製のツールバックを装備できる仕様でパンク修理キット、レバー類、バルブ類、チェンオイルなど、必要な工具やパーツを入れるスペースとしているが使い方はアイデアしだいで人それぞれ。

次回は、新発売となったダートフリーク製DRCキャリーラックを組み込んだ仕様を紹介する予定です。

積載力UPに伴う操縦性と安定性の為の足回り

ツーリングセロー250はリアキャリアやスクリーンを追加で装備する仕様のようだが、積載時の操縦性と直進安定性には問題や違和感があるようで、高速道では80Km以上で直進性が悪く心地よく走れないとの声を複数のツーリングセロー250ユーザーから聞いている。

スタンダードのセロー250にキャンプ道具などを積載して高速道を走らせると、80Km以上では直進安定性が悪く心地よい走りは楽しめないことが確認できたが、セロー以外のデュアルパーパス・モデルでも同じような症状が出ることがあり、用途に合わせて快適な走りのためにセッテイングが必要となる。

大型バイクにおいて、パニアケースやトップケースが純正OPで装備できるツアラーモデルで話題性やイメージは「いいね!」でも、リアサスのプリロード調整が出来ず、タンデムやフル積載状態ではヘッドライトがとんでもなく上を向くため光軸の調整も一苦労、そしてソロになるとライトの光軸は極端な下向きに。さらにフロントサスはコストダウンの為か劣化も激しく操縦性や安定性に問題が発生するお粗末な機種も存在していたのが現実であり、車格や排気量に関わらずロングツーリング必須の積載力には足回りが大きく影響することをお伝えする次第である。

セロー250の足回りは、マウンテントレールとして未舗装路を心地よく走るため、大型キャリアの装備で積載力だけをUPすると操縦性や安定性に問題が発生してロングツーリングやバイク旅には適さないこともあるから、積載力UPにより荷重が増すとプリロードを変更する等の足回りのセッテイングが必要となる。

キャンプツーリング等のフル積載ではプリロード調整だけでは対応できない場合もあり、心地よい走りで楽しむためにバネレートの高いダートフリーク製DRCフロントフォーク/リアショックスプリングに交換することにした。

皆さんご存知のことと思うが、スプリングを交換した場合の注意点は、硬すぎると思った足回りも慣らし後には意外と軟らかくなり、その後に積載状態で走らせて再び調整することが心地よい走りには必要となる。

ダートフリーク製DRCスプリングへの変更後は、フル積載状態で高速道を100Km/hで走行しても安定性や操縦性には何ら問題なく、ワインディングでも積載を気にすることなく軽快に駆け抜けることができてロングツーリングには必須アイテムであることを実感した次第である。

楽しみ方は10人10色でキャンプツーリングやバイク旅を心地よく楽しむために、セロー250快適ロングツーリング仕様は違和感や問題を解決して如何に楽しめるか、セローを楽しむライダー諸兄との意見交換も参考にバイク屋の実体験に基づきバイク乗りの目線から提案したいと思う。

その4に続く

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