バイク屋の備忘録

トライアンフ タイガー800 「温故知新」

今日まで色々なバイクに関わり、ライダーとしてより楽しむために、メカニックとして心地好さと、操る楽しさの質を高めるために、ネガティブに思われがちなところを見直して問題点を解決してきた。簡単に言えば、曇った鏡を綺麗に磨き上げるようなことだが、歪んだ鏡は磨き上げても歪んだままなので、磨きあげるか否かの判断力が求められるところでもある。

ニューモデルのタイガー800をより楽しむため、操る楽しさの質を高める為に、これから色々なところを見直して、楽しんでいる経過をお伝えしようと思う。

タイガー955iとスラクストン


今回は私が十年前に楽しんでいた、2002年モデルのタイガー955iの現オーナーとニューモデル・タイガー800の二台で飛騨の旧道を走ってきた。現オーナーのKさんは、他にも数台のバイクを所有しており、林道やツーリングを共に楽しむバイク仲間です。タイガー955iも十年前には色々なところを訪ね歩き、気になる所を少しずつ整えて楽しんできた想いで深い一台です。

点検・車検などメンテナンス等では触れているものの、今回の様にツーリングで再び乗ることが出来るとは思ってもいなかった。Kさんありがとう。

車輌を交換して955iに乗って最初に思った事は、こんなに重かったかな?というのが第一印象だった。走行距離も延びて、足回り等はくたびれた感じではあるが、エンジンコンディションを整えて以来タイガー955iは1500rpmから上の全域で心地良く吹きあがりトリプルエンジンの特性は健在だった。この心地よさはトリプル特有のものでツインとマルチの二つの貌をもっている。

ハンドルの高さや距離などポジションは意外と955iの方が私にはシックリとくるように思えた。併し、タンクの幅は意外と広いなと改めて思った。比較する事は無意味なことかもしれないが、旧型の955iから色々なヒントが湧いてきて頭の中を駆け廻っていた。

タイガー800と955i

山頂の北アルプスが展望できるポイントだがあいにく北アルプスは雲に覆われていた。

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955iの前に突き出たデザインのタンクをより洗練させたのがタイガー800のタンクのようにも見える。

タイガー800のタンク

速さよりも操る楽しさや心地よさを求めてツーリングを楽しみ、じっくりと付き合う事の中から色々な事が見え始めてくる。
いつも思う事だが、日本の道を心地よく走るためには、可も無く不可も無く、最良の妥協点を見つけ出すことが、一般公道で楽しめるバイクのトータルバランス本来の意味だと思う。

→タイガー800レビュー&インプレ

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