リターンライダーS・Yさんのバイクライフ その9 CB400SS-TMで奥美濃を散策
- CB400SS-TMを楽しむS・Yさんのツーリングレポートが届きました。
CB400SS-TMで奥美濃を散策
今年は、例年にも増してライフワークの予定がパンパンで、ほとんどバイクには乗れてなかったが、「これではホントに乗れないまま冬がきてしまう。アカン、アカン」と思い、初秋の風が肌に心地よく、朝早くから静かな田舎道を走りだした。
朝日が山の向こうから少しずつ広がり、辺りの風景を明るく染めていく。日々のライフワークから離れ、肌寒い気温のなか只ひたすら自然の中に身を任せるこの時間が何よりも贅沢に感じる。
相棒のCB400SS-TMはドッドッドと単気筒らしい快調なエンジン音を刻んでいる。

まず、静かなR156を抜け、稲刈りの終わった田んぼが広がる風景へと続く道を進む。一昔前なら当たり前の風景の「はざかけ」は見る影もなく一味違う秋の田んぼである。
辺りはまだ静けさを保っていて、時折、風が吹き抜ける音しか聞こえない。その風を感じながら、アクセルを軽く開ける。CB400SS-TMの空冷単気筒らしいエンジン音が心地よく響き、まるで自分もその風に乗っているような感覚になる。絶好調のCB400SS-TMは、自分の意のままに扱いやすく信頼できる。
途中、途中、民家や小さな神社がひっそりと佇んでいる。道端に咲く野花、特にキバナコスモスは色的にもよく目立つ。シジュウカラも元気よく鳴いていて、目を向けると、都会では感じられないような、のんびりとした時間が流れていることに気づく。

CB400SS-TMならではのアナログ感により五感がライディングを楽しませてくれて、普段は見過ごしてしまう小さな幸せを、しっかりと感じることができる。
CB400SS-TMは、次第に山道に差し掛かる。ワインディングを右や左に駆け抜け、木々に目をやりながら進んでいくと、空気が一層ひんやりと感じられ、秋が少し進んだことを実感する。
ススキが広がり、草の香りが鼻をくすぐり、風に揺れるススキを眺めると、心が洗われるような感覚を覚える。そんななか、カーブを曲がったら、なんと、「はざかけ」を発見。干してある稲の匂いが懐かしい風景と共に感じることができた。

こんな瞬間こそが、バイクによるミニ旅の醍醐味であり、CB400SS-TMならではの心地よさは「最高の時間」を感じさせてくれ、さらにあちこちに目をやり先へと進む。
山間の小道や、川のせせらぎが聞こえる道を進んでいく。長良川では瀬張り漁が行われており、川景色からも秋を感じることができる。少し疲れた体でも、心が軽くなる。こうして、CB400SS-TMに乗って自然と一体になることで、日々のストレスや忙しさを忘れることができる。

帰り道、再び田んぼ道を走りながら、ふと立ち寄った長良川を見下ろせる小さなスペースからは、もうすぐ紅葉で色づく山々が美しく広がっている。
その景色を見ながら、今日も相棒のCB400SS-TMと共に心からリフレッシュできたなと感じる。
バイクは、ただの移動手段ではない。風を感じ、自然を感じ、人と触れ合い、バイクならではの人車一体にて五感で楽しむ醍醐味であり、何よりも、慌ただしい日常から解放される贅沢なひとときだと、改めて思った次第である。
CB400SS-TMに思う
CB400ssは、もう1台所有しているTriumphボンネビルT100と同じく、トラディショナルなスタイルが魅力で、日本の里山に良く似合う。空冷ビッグシングルの鼓動感と軽量で程よいサイズ感は、年相応の体力でもバイクライフを気負わず長く楽しめることを前提に、知人から譲り受けてはや15年が過ぎた。

CB400SSを走らせると、それなりには走るという感じでこんなものかなと思い、時々は気分転換に乗る程度の使い方だったが、NWJCさんではCB400ssに荷物を積み込んでも軽快で、時間と距離を稼ぐ高速巡航も楽々のツアラーとして長距離のバイク旅を楽しんでいるという。
外観はCB400SSにNWJC製のスクリーンとリアキャリアを装備した程度で、ミニ旅もできるようになっているようだが、軽快に楽しめるという根拠は何かと眺めていると、「乗り比べてみれば」と声がかかった。
早速走らせてみると、その違いは歴然で何がこの違いなのか、NWJCさんで言われている「道具としては未熟で未完成である事が色々と見えてくる」その違いを目の当たりにする事が出来た。

早速、同じ仕様へと依頼すると、NWJCさんからは一度に仕上げることよりも段階的に仕上げていく事により、エンジン・足回り・積載力など、メンテナンスやモディファイによりCB400SSの走りの質を高めたTM(ツーリングマスター)へと深化する過程において、トータルバランスを整えることの本質を知るためにも段階的なメンテナンスやモディファイを提案された。
CB400SSがTMへと深化する過程ではエンジンに始まり、足回りに防風雨効果を高めるフェアリング等走りの質が高まることにより、トータルバランスを整えることの本質を体感できたのは何よりで、一般的なパーツをボルトオンで組み付ける事とは根本的に違うことも納得できた。

また、「電子制御システムなどが主流の時代でもバイクと人の間に電子制御などのハイテク技術がほとんど介在すること無く、人の関わる領域が広いほどバイクならではの一体感や操る心地よさを充実させている。」と、NWJCさんの言う事が腑に落ちた次第である。
リターンライダーとして思う
バイクの免許を取得して50年以上が経ち、暫く中休みをしていたことによりリターンライダーとしての観点からバイクについて思うことをお伝えしたいと思う。
「昨今のバイクは、ABSブレーキに始まりトラクションコントロール・スリーパークラッチ・DCT・アクティブサス・PC制御など、スペックであり最新機能へ依存することが安全であるかのような勘違いしているライダーも多いように思う。」とNWJCさんではいつも云われているが、CB400SS-TMの深化の過程で、最新機能よりも経験とライダーの感性により安全に楽しめると改めて思う。

50~60代の同世代による事故が多い事は、インターネットやニュースでよく見聞きするのは何故だろう。
メーカー系販売店では最新機能が、苦手意識や問題を解決できるかのような商品説明と思うこともあるが、バイクは今も50年前も転倒すれば必ずケガをする危険な乗り物である事は何も変わってはいない。
ハイテクや最新機能が満載で、それらへ依存することで問題を解決できるとしても、ライダーが未熟であれば人車一体とはならず危険な乗り物であることに変わりは無い。
そのことに触れる事は皆無となって、まずは売る事が最優先となっているのが市場の実情にみえる。
歳を重ねて高齢化が進んでも相応の車格や排気量で身の丈に合ったバイクであれば、今回のように思いつくままに、自由気ままに脇道へ入り込む道草など、CB400SS-TMならではの楽しみ方は、市場価格が高い安いとかいくらであるかよりも、人の関わる領域が広く五感で良き相棒との会話を楽しめる事は、プライスレスの価値があると改めて思う次第である。

歳を重ねたことにより体力の衰えは自覚するところであるが、これからの良きバイクライフのためには健康で体力を維持する事と、お気に入りのCB400SS-TMやT100-2014がGoodコンディションであればこそ、これからも安全第一に素敵なバイクライフを楽しみたいと思う。
- リターンライダーS・Yさんのバイクライフ その9 CB400SS-TMで奥美濃を散策
- リターンライダー S・Yさんのバイクライフ その8 CB400ssツーリングマスターで信州方面を楽しむ
- リターンライダー S・Yさんのバイクライフ その7 空冷ボンネビルT100の実力
- リターンライダーS・Yさんのバイクライフ その6 ボンネビルT100
- リターンライダーS・Yさん その5 趣味について思う─CB400SS-TM/ボンネビルT100
- リターンライダーS・Yさん その4 空冷ボンネビルT100
- CB400SS-TMを楽しむ リターンライダーS・Yさんから その3
- 27年ぶりのリターンライダー その2 CB400SS-TMを楽しむ
- 突然やってきた27年ぶりのリターンライダー その1






