GWはSL230ツーリングマスターを楽しむ
今年のGWは昨年と同様に皆と往復300Kmそこそこの近場へDayキャンプに出かけた。
SL230でトレッキングごっこを楽しんだいつものメンバーと共にのんびりと昼食を楽しんできた。
お昼のメニューは、土岐さんはケイチャン、西やんは鯖缶でパスタ、御大オジは自作のアルコールバーナーでご飯を炊いてカレーも作って、大矢君は西やんと同じ鯖缶パスタと肉巻きなど、料理長のNomuさんはフライパンで何か焼いていた。Kさんは自家焙煎のコーヒーとラーメンなど夫々に昼食を作ってはDayキャンプを楽しみ、それからメインディッシュの道草ツーリングを楽しんできた。
SL230ツーリングマスター(以下SL230TM)ならではの気負うことの無い使い勝手の良さは、荷物は必要最低の日帰りから、キャンプ道具やその他何かと荷物が増えるフル積載で何日も自由気ままに走り続けるバイク旅まで、楽しみ方は夫々のスタイルに対応して懐の深さを発揮している。
フル積載でSL230TMの各部をチェックしていたメンバーは、脇道へ入り込み林道を抜け雪の塊で通り抜けが出来そうに無い道では、やる気はあるけど体が付いて来なくなりはじめたおっさんライダー達だが、決して失うことの無い遊び心で楽々クリアして、自由気ままにフィールドを拡げて道草を楽しんできた。
欲張りなおっさん仕様はSL230TMへと深化した
昨年のGWにSL230で近場を楽しんだとき、売るための商品としての極上と、楽しむための道具としての極上はまったくの別物であることに皆が気づいたよう。
今年のGWは、メーカー出荷のSTDにボルトンパーツを組み付けた程度のSL230からは想像もできない、ポコポコと歩くような速度域からフル積載でのワインディングや高速巡行などその良さは皆からすると意外であり、SL230TMへと深化して価値ある道具へと大化けしたよき相棒のようである。
SL230は生産終了してから20数年が経ち、中古車市場ではほとんど見かけることもなくなり、現役で楽しまれている方も激減して消え行く車両であるのが実情だが、おっさんライダーが使っている初期型のSL230は1998年製で、2016年5月に企画した欲張りなオッサン仕様はSL230TMへと深化させて自由気ままにフィールドを拡げて楽しめる旅バイクとして蘇らせる事ができた。
カブ110NWJCコンプリートType2で、九州の佐多岬から北海道の宗谷岬までポコポコと走り続けて列島縦断したとき「速さより心地よさ」という素敵なフレーズが浮かび、SL230の欲張りなオッサン仕様を走らせては「何かに特化しない曖昧さ」というフレーズが浮かんだ。
メンテナンスとモディファイによりSL230の持つ懐の深さを引き出して「速さより心地よさ」「何かに特化しない曖昧さ」「和洋折衷のような大らかさ」が、NWJCツーリングマスターのコンセプトである。
気負わず使いこなせる車格と空冷シングル2バルブエンジンの心地よさを活かしてフル積載でも自由気ままにフィールドを拡げてバイク旅を楽しめるとは、トレッキングごっこを楽しんだいつものメンバーも誰一人として想像すら出来なかったSL230TMは元祖NWJCツーリングマスターである。
SL230欲張りなおっさん仕様から深化したSL230TMは、近場のチョイ乗りからフル積載のバイク旅まで、車格や排気量などに囚われることなく、気負わず道を選ぶこともなく、自由気ままにフィールドを拡げてバイク旅も楽しめる1台へと蘇らせる事が出来た事は、バイク屋として嬉しくもあり納得である。
高齢化が進んでいるいつものメンバーのバイクライフ
SL230でトレッキングごっこを楽しんできたいつものメンバーも歳を重ねておじさんからオッサンとなりオジジへと高齢化が進んでいるが、バイクを楽しむ遊び心は何ら変わる事も無く、深化したSL230TMの感想や今シーズンの予定などを聞いてみた。
西やん
若かりし頃はRS250でロードレースに情熱を燃やしその後はCRMで林道を楽しみ、SL230ではトレッキングごっこによるライディングの原点を楽しみ、大型はCB1000からシャドウ1100・R1100GS・タイガー955iなどを乗り継ぎ今はR100CSで、カブ110NWJCコンプリートはJA07型のプロトタイプを楽しんでいる古くからのバイク仲間である。
SL230がツーリングマスターへと深化した事は意外なことで、フル積載でもワインディングから林道に脇道への道草までまさかこんなに楽しめるとはと、SL230のTM仕様の懐の深さは意外でオッサンがオジジとなりカブ以外には乗れなくなるその時までバイクライフを満喫できると確信しているお気に入りとのこと。
御大オジ
若かりし頃はTLM200でトライアルを楽しみ、XR250ではエンデューロや林道を楽しみSL230ではトレッキングごっこを楽しみ、大型はアフリカツイン750・ST1100・シャドウ1100・F650ではロシアンラリーを楽しみR1100GSから最後の大型としてスクランブラー900に乗り換えて楽しまれているが、SL230TMの気負うことの無い手軽さはキャンプ道具などもフル積載でバイク旅を満喫されている今日この頃のよう。
カブ110NWJCコンプリートではなく、長年乗り続けているCT110は大切に乗り続けてSL230TMと同様に遠出も楽しみたいとの事。
定年退職により時間に余裕が出来てからSL230TMへの深化は旅バイクとしての良さを再発見され、満タンで300Km+αの航続距離を450Kmまで延ばせるBigタンクがあればとのこと。とりあえずは予備タンクを装備しての対応を勧めたが、SL230TMでのバイク旅は西に東へと色々と計画中のよう。
S・Oさん
トレッキングごっこを楽しんだメンバーの中では最年少だが、もう40歳前のおじさんライダーとなっている。
始まりはメーカー系専売所で購入したVTR250を楽しまれていたが、STDの消耗品交換だけでは感覚的にシックリしないところなど腑に落ちないことがあり、NWJCのメンテナンス済みのVTRとの比較試乗によりVTR本来の良さに気づかれて素敵なバイクライフへの第一歩が始まった。
SL230によるトレッキングごっこにも興味があり、仕事柄か感性でライディングを楽しむことはすぐに理解され、所有していたW650を手放してSL230へ乗り換えてトレッキングごっこから林道ツーリングを少々体験して、速さより心地よさでバイク旅による一期一会を楽しまれ、SL230TMへの深化はフル積載でも操縦性もよく安定感もあり低速域でもストレスの無い走りと高速巡航はどちらも意外な事のようであり、VTRはカブ110Compに変わりType3からType4へと乗り換えてバイクライフを満喫されている。
料理長Nomuさん
SL230でのトレッキングごっこによりライディングの面白さと楽しさを知り、大型はR1100Rからスクランブラー900に乗り換えて通勤快速のカブ110NWJCコンプリートType2とSL230TMを楽しまれている。
仕事が大忙しでSL230TMへのバージョンUPはメンバーの中では最後となり、電装系などの仕様変更がもう少し残っているが、ほぼ完了したTM仕様での参加によりまったく別物の走りは意外というよりも、同じSL230でありながらここまで違う走りを楽しめるとはと感動されていた。
Kさん
売るがための提灯記事の影響を受けた実体験に乏しいバイク屋のスタッフによる、売るがための根拠のないセールストークによりスペックやライテクを重視したバイクライフとなり始めていたが、XR230によるトレッキングごっこにてスペックやライテクよりもライディングの楽しさは感性で操ることに気づき、XR230TMからSL230TMに乗り換えて、フル積載でも悠々と走り続けてバイク旅を楽しめるSL230TMは意外な実力を発揮している事は驚きであり娯楽から趣味へと新たなバイクライフが始まった。
大型はCB1300から始まり、XR230によるレッキングごっこでバイクはスペックやライテクよりも感性で楽しむことに気づき、R100GS/PDに乗り換え最後の空冷スクランブラーの体感フィーリングの良さに気づいたのはトレッキングごっこを楽しむことによる恩恵のよう。
カブ110NWJCコンプリートType2はバージョンUPによりType4にも劣らぬ走りを楽しまれている。
土岐さん
若かりし頃はCR125でモトクロスとXR250では林道やエンデューロを楽しみ、トレッキングごっこによりライディングの面白さを再認識され、トレッキングメンバーの中では唯一人だけSL230を使わずデグリー250でトレッキングごっこを楽しまれていた。海外勤務が長くSL230に乗る機会も無く、大型はR1150GSを最後に乗ることを辞め、メーカー出荷のSTDでは積載状態でバイク旅を楽しむ事も出来ないCRF250をツーリングマスターへと深化させ、カブ110コンプリートType3との2台でよきバイクライフを満喫されている。
今回のDayキャンプではキャンプ道具などフル積載で林道から脇道への道草ツーリングも楽しまれていた。
STDのCRF250Lでは想像もできない走りは、耐荷重性の対策やエンジンコンディションなどメンテナンスとモディファイによる深化の過程は、おっさんライダーに代わってテストライドを担当してもらっている古くからのバイク仲間である。
今シーズンはカブNWJCコンプリートやCRF250Lも楽しんでいるが、おっさんライダーが楽しんでいたエルシノア250を復活させて楽しみたいとの事。
高齢化に伴って身の丈に合った車格による素敵なバイクライフを
バイクの楽しみ方は十人十色だが、人車一体により道具として機能する乗り物だから、ライダーとして未熟な場合、バイクの電子制御システムなどにすべてを依存する道具主義では、ライダーとしての感性は育ち難くいが、トレッキングごっこを楽しんできたいつものメンバーは、ライディングは道具云々よりも感性で楽しむことを実感されている。
売るが為の提灯記事では余裕を持って走れる大型モデルがバイク旅には最適で人気とのことだが、高齢化が進む2輪市場では、大型モデルの場合、気後れするような車格や車重により点と点をつなぐ単調な線を描くか、ダウンサイジングにより積載状態でも気負うことも無く自由気ままにフィールドを拡げて複雑な線を描くか、より楽しむ為には身の丈に合った車格が最適かとおっさんライダーは実感している。
250等の小排気量の場合、自由気ままにフィールドを拡げてバイク旅を楽しむために必須の荷物を積載した場合、メーカー出荷の車両にボルトオンパーツを組み込むだけでは安定性や操縦性に問題が残る場合も多く見受けられるため、所詮は250だからと妥協することが一般的のようだが、メンテナンスやモディファイによりSL230TMのように意外な実力を発揮させる事も可能である
使い古したお気に入りのバイクの違和感や問題への対策や緩和は、実体験に基づいたメンテナンスやモディファイによりトータルバランスを整えて、道具としての価値に気づくことから更なる素敵なバイクライフが始まることをお伝えする次第です。