セロー250ツーリングマスター(TM)で初の北海道を楽しむ
経験豊富なベテランライダーのS・Yさんは長年乗り続けたBMW R1100から気負うことも無く自由気ままにフィールドを拡げて楽しめるVTR-Fへとダウンサイジングされたのは随分前のこと、今ではセロー250TMを駆るJrのM・Yさんと共にキャンプツーリングなど、親子でバイクライフを楽しまれているのは羨ましい限りです。
JrライダーのM・YさんはSTDのセロー250を楽しまれていましたが、ツーリングセロー250はサイドに荷物を振り分けることができて積載量は確保できるのですが、ペースが上がると不安定になり積載状態でのバイク旅には無理があることも理解されていたようで、大型バイクへの乗り換えも検討された時期もあったようです。
セロー250はメーカー出荷のSTDにボルトオンパーツを組み込んだ程度では心地よい走りが出来ず、ツーリングセローでも積載状態ではペースが上がると操縦性や安定感に問題があり、対策できないことにより代替を奨められて手放されたライダーの話はよく耳にすることです。
ツーリングセロー250でキャンプツーリング等を楽しむライダーを数多く見かけたころもありましたが、積載状態では操縦性や安定感に違和感があり所詮250クラスではと、対策よりも大型アドベンチャーへの代替云々の提案などによりバイク旅を楽しむセローは見かけなくなりましたね。
しかし、NWJC独自のメンテナンスとモディファイにより、積載状態でも自由気ままにフィールドを拡げてバイク旅を楽しめるSL230ツーリングマスター(TM)と同じく、セロー250の持つその良さを引き出したセロー250ツーリングマスター(TM)仕様をM・Yさんに提案しました。
その結果フル積載でも気負うことも無くバイク旅を楽しめることを実感されて、普段のチョイ乗りからバイク旅まで、セロー250やツーリングセロー250と比べても、一味違う特別なセロー250ツーリングマスター(TM)をよき相棒としてバイクライフを満喫されているのは何よりです。
M・Yさんよりセロー250ツーリングマスター(TM)を駆って初の北海道ツーリングを楽しまれたレポートが届きましたのでご紹介します。
セロー250ツーリングマスター(TM)で初の北海道を楽しむ
今回は北海道に9月7日に敦賀港から苫小牧港へ向かい、14日に苫小牧から敦賀へ帰るスケジュールで北海道ツーリングにいきました。
フェリー内で過ごした時間を除くと、実際に北海道を朝から走っていたのは5日間になります。せっかく初めての北海道に行くからには、とりあえず本土最北端の宗谷岬には必ずいこうと思っていたので上陸してからはとにかく北上しました。
初日はとにかく初めての北海道に感動で強烈に印象に残っています。とにかく今まで行った場所とは異なる雰囲気や空気感で全てが新鮮でした。ところがしばらく走っていると、自分が持っていた道のイメージとは異なる状態であることに気がつきました。
個人的には北海道といえば真っ直ぐで平坦な道なだけだと思っていました。実際にその特徴は概ね合っていたのですが、道路の舗装状態が想像よりも悪い具合でした。
というのも道も土地も広大なため、大型のトラックなどが頻繁に走っているのでアスファルトが轍のように凹んだり、割れていたりとそういった面では案外走りにくいと感じることが多かったように思います。とはいえ足回りをTM仕様へと変更してもらったおかげで、安定性が増し特に怖い思いをすることもなく楽しめました。
また今回のツーリングは自分的には長い旅程になるので、雨具、着替え、防寒具や予備のガソリン携行缶などなど結構な大荷物になり、そもそも普段より車重が重くなり流石に今までのように、荷の重さをほとんど感じず走ることは出来ないだろうと思っていましたが、それでもほとんど走りに支障を感じない程度で済んでいたのには驚きました。
今回よりも軽荷で走った九州ツーリングの時は、ことあるごとにふらつく場面があったことを思い出して、セロー250TM仕様となると随分と変わるものなのだなぁとしみじみ感じながら走ったことを覚えています。
北海道上陸初日 350Km
とりあえず初日は苫小牧から占冠のあたりを経由して上富良野、増毛で一泊することにしました。地図とにらめっこしながら面白そうな道を選んで走り、目的地へと向かうそのプロセスはまさに自分の理想のツーリング像で良いスタートを切れたと感じました。
北海道ツーリングの経験のある親の勧めもあって、今回の宿は基本的に「とほ宿」を利用することに決めていました。基本相部屋で旅人同士の交流が多いということだけ聞いていたので、緊張していたのを覚えています。
結局1日を除いて全部「とほ宿」を利用したわけですが、結論から言ってどこも楽しい思い出が残っています。大体どこも他のライダーがいましたので、先輩ライダーからいろんなおすすめスポットを教えてもらったり、面白い話を聞けたり一期一会の出会いを楽しむのにはもってこいの場所です。
まさしく旅をしているといった感覚を味わうのにうってつけだと感じるので、もしこういった交流に抵抗がないならぜひお勧めしたいと思います。
2日目 290Km
その結果、飲み会を楽しみすぎて2日目は朝から本調子が出ずツーリングルートを詳しく考えることもできず、とりあえず国道232号経由でひたすら北上して本来の目的地の宗谷岬へ向かいました。
真っ直ぐで海沿いの道だったので巡航速度も速く、風も強い中走って行くことになりました。セロー250は今までの経験で言えばせいぜい70〜80kmくらいの巡行しかできないでもないといった具合でした。
正直いって辛いだけで楽しくも快適でもないのでそう行った走り方は避けるようにしてきましたが、エンジンの調子を整えてそれに加えてスプロケ、エキパイの変更のおかげか高速域の走りが格段に変わり、今まで辛かった速度帯でも無理している感もそこまでなく走行できました。
今までは250ccのオフロード車だから仕方ないな、という諦めがあったしそんなものだと思っていたのですが、これもまた少し手をかけてあげるだけで改善するとは思っていませんでした。とはいえ高速域の伸びも解決できるとは考えてもいなかったので感動と感謝の気持ちでいっぱいです。
本土最北端には昼過ぎくらいに到着し、そのまま宿に向かうにはちょっと早かったので「白い道」を走りに行ってみることにしました。なかなか見ることができない景色の中走るのは新鮮で面白かったです。
3日目 250Km
3日目は初日に泊まった時に他のライダーから教えてもらった林道を目的地に走りました。
出発地から近いところにサロベツ湿原があったのでちょうど観光もできました。目的地に向かう途中、ツーリングマップルに面白そうな林道があるのを見つけて、そこも少し寄り道したり順調に走っていました。
そんなこんなで本命の林道へ辿り着いたのですが、そこは函岳という山へと向かう道なようでフラットな砂利道という見た目でした。聞いていた通りそこまで難易度は高くなさそうだったのでとりあえず挑戦してみたのですが、走りやすかったが故に調子に乗って少しスピードを出したら、案の定ちょっとの深砂利にフロントタイヤを取られ結構派手に転倒しました。
体も車体もダメージはそこまでだったのですが、流石にそのまま先へ向かう気にもならず、折り返して降りることにしました。恥ずかしい話、函岳への距離の6割くらいまでしか走り切れず、林道の全体の前半も前半で撤退することになってしまったので、またいつか今度はちゃんと林道を走る装備と心持ちでリベンジしたいと思います。
こけた拍子にズボンの膝が破れてしまい、着替えもなかったので急遽調べてワークマンへ買いに行くことに決めたのですが、最寄りのお店がまさかの100km超えにしかなくびっくりしました。
さすが北海道といった感想でしたが、買いに行かない選択肢もなかったので行きました。その時はちょっとしょげていましたが、今思い返してみれば良い思い出です。
4日目 260Km
4日目は三国峠もおすすめされていたのでそこを経由しながら十勝のあたりを目指して走りました。
ここまで平均300kmくらい走っているし、慣れない場所で寝泊まりしているので体に疲労が蓄積されてきてしんどくなってくるはずなのですが、そういった感覚があまりないことに気がつきました。
季節も場所も全く違うので正確な比較とはなりませんが、九州にツーリングに行ったときは2日目から辛くなってしまい100%楽しむことができませんでした。
やはりセロー250TM専用の大型のスクリーンとコンフォートシートに変更したことや専用キャリアや足回り等、各部の仕様変更がかなり効いているのだと実感しています。
今まではことあるごとに休憩に止まっては体を休めて歯痒い思いをしたものですが、今回はそういったストレスを感じることもなくしがらみな気持ちよくどこまでも走っていけるような感覚を味わいました。
最終日 320Km
最終日は完全に思いつきで北海道最南端の襟裳岬に行って、そのまま235号をずっと走って苫小牧を目指して走り無事に初めての北海道ツーリングを終えることができました。
今思い返してみるとちょっとイレギュラーな出来事(完全に自己責任ではありますが)もありつつも、全日程通して天気も良くとても恵まれていたなぁと感じます。
セロー250ツーリングマスター(TM)について思う
旅先でも当然いろんなバイクを見てきましたが、心なしかセローを見ることも少ないような気がしました。宿の人も自分のバイクを見て「このバイク久しぶりに見た〜」という反応をもらったのは結構印象に残っています。
勝手にこのバイクは旅バイクで北海道に行けば、結構目にすることも多いものだと思っていたので少し残念に思います。確かにメーカー出荷の純正のままだとオフロードの二足二輪というコンセプトはしっかり体感することができるのですが、ツーリング、とりわけこのような長距離やキャンプなど多めの積載で楽しむには不安や不満を抱く点があったというのは否定できませんでした。
とはいっても前述した通り250ccのオフロードバイクですし、あれもこれも求めるのは欲張りすぎると勝手に思っていました。なのでつい最近までは諦めてその楽しみ方ができるように、大型の免許を取って増車しようとまで考えていました。
結局十全に仕上がったセロー250TMが面白すぎてその気も現在は無くなってしまったので大型との比較はできないですが、パワーも自分が扱うには十二分でかつ身軽に取り回せる排気量の方が、その日の目的地だけを定めてあとは気の向くままに走り回る僕のスタイルに合致しているのではないかと感じています。
その点で今のセロー250TMはまさに理想の車両になったと改めて思いました。舗装路や未舗装路も、普段使いのちょい乗りから長距離まで、懐深く僕のわがままに対応してくれる車両に生まれ変わったのは自分でも驚いています。
メーカー出荷の純正のままだでは諦めることや妥協することも色々ありましたが、NWJCさんによる独自のメンテナンスによりツーリングマスター(TM)仕様へとバージョンUPして、普段使いからバイク旅までより楽しめる車両になるということを教えてくださり感謝しかありません。これからもこのバイクで末長く楽しめると実感させてくれた旅でした。
我が家はライダー 一家
最後になりましたが、今回ツーリングをする大きな要因の一つとしては家族の影響もあったと思います。
母は若いころには私と同じようにバイクに乗ってあちこちに行っていたそうで、特に北海道についてはとりわけ思い出深かったようです。行くと決めてからは、当時の様々なエピソードを聞かせてもらいました。とりわけ、「とほ宿」は非常におすすめされて今回の旅の指針になりました。
父は現在もバイクに乗っているのですが、まだ北海道には行ったことがないそうです。非常に羨ましがられましたが、いろいろとおすすめスポットを調べて教えてくれました。
いずれは父と一緒に北海道を走り回りたいと思っています。こういったように、両親が気持ちよく送り出してくれたおかげもあってかセロー250ツーリングマスターにより心からこのバイク旅を楽しむことができました。
あとがき
旅バイク セロー250ツーリングマスター(TM)にて北海道ツーリングを無事に終えられたことは何よりです。
ダウンサイジングした250クラスではフル積載状態でバイク旅をするには少し無理がある。と思われている方が意外に多いのが実情ですが、違和感や問題はメンテナンスやモディファイにより対策できることが多々あります。それは、バイク屋自らの経験値と、このバイクでも楽しめるようにと思う事があってこそ具体的な対策が始まると考えています。
違和感や問題には対策よりも代替にて対応することが一般的のようですが、まずはどういうことが違和感や問題であるか、バイク屋自らがライダー目線で実体経験して理解することが素敵なバイクライフへの第一歩が始まると思います。
セロー250もメーカー出荷のSTDや乗り続けて走行距離が伸びて全体にくたびれた車体など程度は色々ですが、セロー250ツーリングマスター(TM)は、バイク屋自らの経験に基づいて独自のメンテナンスやモディファイに加えてTM仕様専用に企画されたオリジナルパーツも含み、普段使いからバイク旅までを存分に楽しむための特別な1台です。
バイク屋自らの実体験に基づいた提案により素敵なバイクライフを応援したいと考えています。
セロー250ツーリングマスターをはじめNWJCツーリングマスター群に関する事は何なりとお気軽にご相談ください。