バイク屋の備忘録

SR500-TMで能登へキャンプ

昨年に続き今年もコロナ禍のため遠出を楽しむ事が出来ないまま今日に至り、緊急事態宣言が解除になりやっと遠出が出来るようになり、まずは近場へキャンプツーリングに出かけた。

飛騨のアツシより大型バイクでのシーズンが終わる前にキャンプに行きましょうと声が掛ったのが発端で、参加車両は、カブ110NWJCコンプリート、SL230NWJCツーリングマスター、CB400SS-NWJCツーリングマスター、空冷スクランブラーNWJC2014仕様と、キャンプ道具などをフル積載した車両。

車格や排気量が異なる集まりで出かけたのは初めての事で、今までにない面白い組み合わせとなった。

特に参加者のほとんどがカブ110NWJCコンプリートも楽しんでいるからか、軽2輪や大型バイクとほぼ同等の積載量での比較となり、14インチホイールのカブ110NWJCコンプリートならではの走りを目の当たりにして、その実力は驚きでもあり改めて納得との事。

メーカー出荷状態の車両に積載のためにリアキャリアをボルトオンした程度では、積載状態になると操縦性や安定性に違和感や問題が発生することがあり、心地よい走りは楽しめないのが実情でもある。

NWJCツーリングマスターは車格や排気量に関わらず、キャンプツーリングやバイク旅には必須の70Lから100Lの積載力を確保して心地よい走りを楽しめるようバイク屋自らの実体験に基づいたメンテナンスやモディファイを施して深化させているから、夫々がその実力には納得である。

緊急事態宣言が解除となり、皆とキャンプツーリングをカブ110NWJCコンプリートで楽しんだ後、NWJCツーリングマスターとして深化させたSR500NWJC-TMの心地よい走りを久々に楽しむために、おっさんライダーはソロで能登へキャンプツーリングに出かけた。

夫々のバイクライフに思う

久々の能登は、能登神話にゆかりの神社をアツシのカブ110NWJCコンプリートとCT110で訪ねて、20数度の温度差に体がついていかずダウンした昨年の8月末以来である。

キャンプ道具などを積み込んだ積載状態のSRで能登を走るのは初めてだが、この季節は毒々し黄色が目につくことが気になるようになってから来たことは無く、SR500を走らせたい事ばかりでうっかりだったが、積載状態でもSR500NWJC-TMならではの心地よい走りで楽しめたことは何よりである。

人の関わる領域が広い昔ながらの素朴な乗り味が魅力のSRは、おっさんライダー認定のNWJCトラディショナルである。また、昔楽しんだバイクは古き良き時代へといざなうタイムマシーンのようでもあり、頭の中では過去から今日までのバイクライフについて色々なことが駆け巡っていた。

2バルブよりも4バルブのほうが・・・とスペックに拘り、SR500からホンダFT500に乗り換えて「無限」Bajaコマンダーのパーツを流用して楽しんでいた当時のことを振り返りつつ、あれから数十年の時を経て、メーカーも技術的に進歩して必要以上に至れり尽くせりで電子制御満載が主流になり、バイクもつまらない乗り物になってきたと実感している。

R1100GS、R1150GSやアフリカツイン等のビッグオフがアドベンチャーとしてブームになる以前に、土岐さん、西やん、アツシ、村田さん、御大のオジたちとは共に楽しんできたが、大柄な車格でキャンプ道具等を積み込んでは道を選ぶ事も無く自由気ままにフィールドを拡げて楽しめないことも経験してきた。

いつものメンバーはそんな過去を振り返ると、所有欲を満たして憧れや好奇心を具体化したことであったように思うとのことで、おっさんライダーもまったく同感だが、見栄や衒いとは無縁で扱える車格で使いこなせる排気量へとダウンサイジングする、緩やかな放物線を描けるバイクライフを満喫できるのは何よりである。

歳を重ねることにより価値観も変わり、バイク屋はメーカーとメディアが創り上げたイメージや虚像に振り回されながら、台数至上主義や成果主義で新しいものがすべてに良いとして時代に流されてきたが、バイク屋North Wing JCは売ることがすべてではなく、バイク乗りとして自らの実体験に基づいて、乗り始めてから始まる素敵なバイクライフについて提案が出来るバイク屋でありたいと常々思う次第である。

SR500NWJC-TM(ツーリングマスター)

R156を北上して五箇山から城端へと山越えで田園風景とトラクターがお気に入りの定番ルートをキャンプ道具など積載したSR500NWJC-TMで駆けた。他車と同じ流れの快適な実状速度で、エンジンは2500~3500回転あたりでタッタッタッタと蹴り出すようなSRらしい鼓動感は、まさに速さより心地よさでいつまでも駆け続けたい心地良さがある。

エンジンや足回りにブレーキなど40数年前の仕様は、とても判りやすく少し物足りないところもあるが、その判りやすさと物足らなさがライダーの感性が刺激されて感度が良好となる。人車一体で物足りなさを補うことが楽しく、NWJCトラディショナルとして提案しているトライアンフ空冷モダンクラシックなどと同様、其々が持つ昔ながらの素朴な乗り味がバイク本来の面白さであると改めて思う次第である。

カフェスタイルへとカスタムすることで物足らないと感じるところを満たしたのがSRの定番であったのかとも思うが、バイク屋North Wing JCではSRの判りやすいところとモノ足らないところをメンテナンスとモディファイにより、バイク旅も楽しめるNWJC-TM(ツーリングマスター)へと深化させることができた。

いつも云うことだが、バイク屋として多くのことを経験して、車格やスペック・カテゴリー・ブランド等よりも、バイク屋自らの実体験に基づき、速さより心地よさをコンセプトに何かに特化することない「曖昧さ」と和洋折衷のような「大らかさ」で、気負うことなく自由気ままにフィールドを拡げて走り続けるバイク旅の楽しさをSR500・400もNWJC-TM(ツーリングマスター)として提案したいと思う。

SR500NWJC-TM仕様の積載力

SR400でキャンプツーリングに出かける雑誌の記事を目にしたことがあるが、なんとかリアシートに荷物を積み込めればOKとしたとんでもないヤラセの提灯記事だったが、バイク旅ではキャンプツーリング等も楽しみこれからの寒い季節には防寒も含み積載量が増えるのが当然で、ライダーの着座スペースを犠牲にすることなく、70L~100Lの積載量を確実に固定できて安定感を得ることが必須である。

積載に関する記事やレポートでは何とか積み込めば何とかなるのは1回限りのことで已む無くのことであり、再びバイク旅を楽しみたいと思える提案とは思えない。ヤラセ以外の何物でもなく、とても危険な事でもあり、そんなポジションで何日も何百キロも走り続けて心地よく道中を楽しめるか、云うまでもないことである。

バイク屋NWJCでは、SRでバイク旅必須の積載力を高める為にリアキャリアやサイドラックを新たに企画したが、SRの積載力を高めるために、先ずはシート形状を変更する事から始めた。

キャンプツーリング等で最適とされているバック類は350×620×350や300×525×320といったサイズだから、ライダーの着座面を除いて前後で350~320mmが必要となるが、リアシートの盛り上がった部分が安定感のある積載には少し不具合となる。

SRの積載を高める為に、シート後端のヒップアップ部分を切り取るとフラットな面が生まれて安定性のある積載力を得られるから、そのフラットにした形状に合わせてNWJCオリジナルのリアキャリアKitを企画することにした。

リアキャリアKitはシート後部と平行にサイドパイプが通り積載状態では確実な固定が可能なった。

更に、低重心化のためにサイドバックを装着できるようリアウインカーの取り付け位置を変更し、サイドラックも装備した積載力を高める仕様とした。普段使いにも対応してトップケースの装着も可能としている。

スタンダードのウインカー取り付け位置ではサイドバックの装着位置がかなり低くなり、バンク角が小さくなる為、出来るだけ上に装着できるようウインカー取り付け位置は後方からの視認性も含み安全の為にも移設がもっとも有効であると判断した。

足回りも耐荷重性を高める設定が必須である。

それはタンデムをしても同じことであり、キャンプ道具などを積載したときもサスペンションの設定を変えると安定感が増すが、STDの設定だと少し速度が上がるだけでフラフラして心地よい走りとは無縁となり、とても楽しめる状態ではなくなるのが現実で、多くのライダー諸兄はその変化を経験済の事と思う。

SR500NWJC-TMは、SRの積載力を高め、積載状態でも積載力に見合った足回りとエンジンコンディションのトータルバランを整えて、心地よいバイク旅が楽しめることをバイク屋自らの実体験に基づいてお伝えする次第で、適当な積載では操縦性や安定性も悪く危険だからチョイ乗り程度がせいぜいで、SRはカフェベースだけではなく、心地よいバイク旅を楽しむための処方がある事を提案する次第である。

何とか積み込みが出来ていても、低速ではヨレヨレで高速ではフラフラして走れないような車両を見かける事があるが、このライダーは再び同じ状態で出かけたいと思うだろうか。おっさんライダーはそんなヨレヨレ状態の車両でのバイク旅は、まっぴら御免である。

同じルートでも良き相棒と共に何度でもバイク旅を楽しみたくなるような、素敵なバイクライフを提案できるバイク屋でありたいと、常々思うおっさんライダーである。

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