バイク屋の備忘録

バイク屋のバイクライフ 2021 -10月

飛騨へキャンプツーリング

ススキが綺麗なところとセイタカアワダチソウの毒々しい黄色が目立つ季節となり、コロナ禍による緊急事態宣言がやっと解除になったが、昨年に続き今年もコロナ禍のためロングツーリングを楽しむ事が出来ないまま今日に至った。

飛騨のアツシより大型バイクを楽しめる季節もあとわずかだから、キャンプツーリングに行きましょうと誘いがあった。飛騨のバイクシーズンは大型バイクの季節が終わり、真冬でも楽しめるカブ110NWJCコンプリートの季節がすぐそこまでやってきている。

土岐さんや西やんの古参とは、顔を合わすたびに解除になったら久しぶりにキャンプに行くかと語り、アツシからキャンプの誘いがあったことを伝えると、西やんは2回目のワクチン摂取日だから翌日に合流するとのことで、土岐さんとカブ110NWJCコンプリートで出かける準備を始めた。

後日、SL230TMに乗るS・Oさんが遊びに来てキャンプにいくことを伝えると休みが取れたら参加したいとのこと、空冷スクランブラーを楽しんでいるTさんも「僕も参加したい」とのこと。

また、RBRのオヤジから緊急事態が解除になったから土曜日にツーリングを兼ねてCB400SSに乗りたいと連絡が入ったが、キャンプに出かけているから居ないことを伝えると、RBRのオヤジもキャンプに参加したいとのこと。

カブ110NWJCコンプリート2台、SL230ツーリングマスター2台、空冷スクランブラー2台とアツシのCB400SSツーリングマスターといった車格と排気量がばらばらの少し変な組み合わせでキャンプツーリングを楽しんできたのだが、すべてがNWJCツーリングマスターだからキャンプ道具を積み込んで其々が存分に楽しむ事が出来たことと思う。

車格と積載力

飛騨のアツシやRBRのオヤジたちが積載に関して思うところを当サイトで公開しているが、今回のキャンプツーリングではたまたま偶然というか、キャンプツーリングやバイク旅での積載量は車格や排気量に関係なくほぼ同じで70L~100L程度になる事が現実的に裏付けられたようで、今までにない面白いキャンプツーリングを皆で楽しむ事が出来た次第である。

メーカーは売る事が最終目的でバイク屋は乗り始めてからのこととなるのだが、売る事が最終目的のメーカーは開発コンセプトが云々などと謳いながらメディアがイメージを創り所有欲をあおっているが、提灯記事による語感での疑似体験と実体験の溝が更に広がっているのが現実であると感じている。

バイクの楽しみ方は10人10色だから其々に想いがあることであり、所有欲や自己顕示欲を満たす娯楽の小道具が求められているのか、良き相棒としてバイクライフを存分に満喫する価値ある道具が求められているのか、後者の場合バイク屋自らの実体験基づいた提案力が問われていると思う次第である。

カブ110NWJCコンプリート

土岐さんと共に駆ったカブ110NWJCコンプリートは、小排気量でアンダーパワーだが大型バイクと変わらない積載量でも心地よい走りで、250の軽2輪や大型では決して味わう事が出来ない、カブ110NWJCコンプリートならではの頭の体操を兼ねた面白さは格別で存分に楽しむ事が出来た。

カブでキャンプに必要な道具を積み込んで走らせてみると解かることだが、125だから軽快に走るとは限らないのが現実であり、アドベンチャー系デザインだからアウトドアのための積載が得意なわけでもなくキャンプツーリングに最適なわけでもない。

キャンプツーリングでは積載量は車格や排気量に関わらず、必要な道具を積み込むと体積的には大雑把に70L~100L前後となる。プロベース以外のカブではフル積載状態で速度が上がるとハンドルが振られる場合もあり、駐輪の場合サイドスタンドでは不安定になるのは何故だろうか、バイク旅やキャンプ等の積載は考慮されているのか、イメージだけでなく対策されても良さそうなものだが・・・。

余談だが、C125NWJCツーリングマスターはサイドスタンドの取り付け位置を変更するなど積載に関しても各部に対策を施しているが、フル積載で走ると排気量ではカブ110を凌ぐが、ワインディングなどを含むとカブ110NWJCコンプリートのほうが軽快に心地よい走りを楽しめるのが現実である。

積載状態では操縦性や安定性に大きな変化が生まれるのが現実であり、カブも色々なスタイルや仕様があるが、大型キャリアやボルトオンパーツを取り付けても、フル積載となればどれでも同じように走れないのが現実である。

SL230ツーリングマスター

S・Oさんと西やんが駆るSL230ツーリングマスターは、セローにも似たコンパクトな車格でおっさんライダーのお気に入りである。スタンダードのSL230では積載など論外で、高速走行だけでもハンドルが振られて恐ろしい経験をしたライダーは多いことと思う。

バイク屋の欲張りなおっさんライダーがバイクライフを満喫するために深化させて具体化したNWJCツーリングマスターは、いつものメンバーには絶大な人気と信頼がある。

セロー250のツーリングセローも同様で、キャンプ道具を積み込んで走るとハンドルが振られて、操縦性や安定性が悪くなるが、積載性や防風性を考慮している遊び心があるところは納得で、ツーリングマスターへと深化させて楽しんでみたいと思い、心地よい走りを具体化するために現在進行中である。

CRF/CRFラリーの積載性はどうか、積載が出来たとして操縦性や安定性はどう変化するのか、その対策は・・・。

キャリアを取り付ければ積載力がUPしてキャンプツーリングも楽しめる提灯記事は目にするが、それだけでは心地よい走りで楽しめないのが現実ではないか。

CB400SSツーリングマスター

昔ながらの素朴な乗り味が魅力のNWJCトラディショナルであるCB400SS-TMを駆るアツシは、皆と一緒に走りたかったのか飛騨から奥美濃へ南下しての合流となった。
その後、細い山道を抜けたり国道を流したりと皆と一緒に走るのは昨年の木曽路以来のこと。

元SR屋のRBRのオヤジは、SRのように継続性の無いホンダCB400SSには興味もなかったようだが、アツシが楽しむCB400SSツーリングマスターが気になるようで、SR400との比較も兼ねて緊急事態宣言が解除されたから試乗してみたいとのことだった。

SR500がフル積載でロングツーリングを楽しめるSR500ツーリングマスターへと深化したことを体験して、アツシのCB400SSがツーリングマスターへと深化したことを重ね合わせてキャンプツーリングを終えた帰りにCB400SSを試乗すると、このCB400SSが欲しいと言い出す始末で、おっさんの欲張りよりも強欲ではないか。

トライアンフ空冷スクランブラーNWJC2014

TさんとRBRのオヤジの2人が今回の参加車両の中で最も大型の空冷スクランブラーを楽しんでいた。

スクランブラーのマフラーは右側でUPしているため積載の為のサイドパニアは左側のみの装備としている。

一般的にアドベンチャーモデルは左右にパニアケースを装備しているが、車幅が広くなりすぎて一般道を心地よく楽しむには使い勝手も悪く、右側はスクランブラーのUPマフラーで左右のバランスも納得できてお気に入りだから左側だけの装備としている。

積載に関しては、サイドパニアとリアキャリアで100L以上の積載が可能だから何ら問題はないが、メーカー出荷のコンディションでは心地よい走りには程遠いからバイク旅に出かけたいとは思えないのが現実である。

一般的にモダンクラシックでロングツーリングやバイク旅をするのは、積載性をはじめ足回りにも問題があり心地よく楽しめないのが現実で、最近ではスクランブラーやボンネビルの旅仕様を目にすることはまれであり、いつものメンバーのNWJC2014仕様以外でロングツーリングを楽しむのを目にした事が無い。

昔ながらの素朴な乗り味が魅力のNWJCトラディショナルのトライアンフ空冷モダンクラシックをGoodコンディションに整えてのバイク旅は、現行モデルでは味わえない悠々とした大らかさと一体感は格別で、多くの空冷モダンクラシックオーナーにその良さを体感して頂きたいと常々思う次第である。

余談だが、タンデムでも気負うことなく自由気ままに楽しむことは、車格も含め年々と難しくなっていくことだろうが、今しばらくは楽しめると確信しているから、ボンネビル2014仕様を更に深化させてタンデムでキャンプツーリングも楽しめる、おっさんライダーのための欲張りなおっさん仕様を準備中である。

キャンプを楽しむ

広々としたところで、それぞれがテントを設営してプチ・キャンプ村が出来上がった。日暮れと共に夕食をそれぞれが作り始めて、それぞれがママゴトのシェフを演じて楽しんでいる。

夜は星空が綺麗だったが寒さが身に染みて、飛騨のアツシも寒いと云う。ウイスキーの湯割りを何杯飲んでも寒さのために酔うことは無かった。

RBRのオヤジは焚火台で火遊びを楽しみ、Tさんは寒さ対策か激辛の唐辛子を皆に勧めていた。

おっさんライダーは、タープを張り、焚火台を持参して炭火で暖を取るのがこの季節のスタイルである。

翌日は早々と撤収を終えてアツシと別れて、岐阜へ向けての道すがら予定通りSL230TMを駆る西やんと合流ができて夫々が存分に楽しんだようである。

次は、定番の西と木曽路も楽しみたいし、ボンネでタンデムも楽しんでみたいと想いを巡らせている、おっさんライダーの今日この頃である。

この記事の車輌・パッケージ(仕様が異なる場合があります)

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