バイク屋の備忘録

CB400SS & SR500

昨年の6月、飛騨のアツシのCB400SSとSR500NWJC-TMで奥美濃へツーリングの出かけたおり、CB400SSをNWJC独自のツーリングマスター(以下TM)で楽しめないかと相談があり、できることなら来春には深化したCB400NWJC-TMを楽しみたいとのことだった。

雪があるうちはカブ110NWJCコンプリートを楽しんでいたから何ら問題も無かったが、飛騨もやっと春が訪れて、スノータイヤを履き替えると同時にCBはどうでしょうかと、バイクシーズンが短い飛騨からの催促。

4月に入ると、CB400SSのエンジンチェックや足回りなどのメンテナンスを終えて、リアキャリアとサイドラックを組み付けてコンフォートシートへの変更を終えた。追加の作業としてとしてタイヤの山は充分にあったが旧いので履き替えるとのこと。

昔ながらのアナログバイクのタイヤは、クラシックなパターンを好まれる方も多く停めて眺めるときのパターンも大切かもしれないが、サイズが合えばパターンには拘らず、天候や路面状況など何かに特化することのない、良く云えば万能で悪く云えば曖昧なツーリングタイヤを好んで履いていることを伝えた。

CB400SSもSR500と同じRoadteck01を履き、凍結対策の縦溝の入った路面でもハンドルを取られることが無く安定感もあり、荒れた道、苔むした簡易舗装、ひび割れを補修したような雨降りには滑りやすい道、などなど色んな道を走るツーリングには最適とアツシは高評価。

NWJC-TM定番のスクリーンも装備したが、取り付けステーに少し問題があり早急に対策して後日変更することにして、外気温が10度前後の1日中寒かった木曽路で早速フェアリング効果を実感できたようである。

SR500NWJC-TMも乗り始めてからの走行距離は9,000Kmを超えた。エンジンコンディションには僅かながら違和感があり1度の調整ではGoodコンディションとならないから、再び(定期的)エンジンコンディションをチェックすると案の定バルブクリアランスは最大値まで広がっていた。

調子の悪い車体は、メンテナンス後ある程度の距離で慣らしを兼ねた負荷をかけて再度メンテナンスを施すのが、過去の経験からその変化を楽しみながら低コストでGoodコンディションへ導く最善の方法である。

フォークシールもわずかに滲みなのか漏れの前兆なのかフォークオイルとフォークシールも交換して、エンジンと足回りのコンディションを整えた。

低コストのメンテナンス後は、低回転域でのトルクは更に太くなり1丁ロングに変更したファイナルでも5速1500rpm40Km/hでトラックの後ろについて登坂車線を上り、ビッグシングル特有の鼓動感でSR500NWJC-TM本来の良さを発揮し始めて違和感も失せて心地よく楽しむことができて納得である。

しかし、バイク屋がバイク乗りとしての実体験が無いと、メンテナンスによるその違いは話としては分かっても感覚的には解らないから、メンテナンス等で提案することができないのも事実である。

アツシのCB400TMも同じ方法でメンテナンスと再慣らしを実施して、今回のツーリングではエンジンの滑らかさと力強さを実感して、その変化する過程も楽しむ事ができたとのこと。

非常事態宣言が発令される前日、昨年末の乗り納めで村田さんとトライアンフ空冷スクランブラー&ボンネビルを楽しんだルートにのって木曽路を駆けた。

帰路は権平トンネルから伊那谷を抜けて、諏訪湖経由で南アルプス、中央アルプス、北アルプスを横目で眺めながら左周りに再び木曽路へ引き返し藪原で飛騨と岐阜に別れるルートを駆け抜けて、CB400SS改めCB400NWJC-TMとSR500NWJC-TMの2台は昔ながらの素朴な乗り味と大らかさを存分に発揮して、その心地よさを満喫した次第である。

CB400SSが深化してNWJC-TM(ツーリングマスター)へ

アツシのCB400SSはカミさんが新車から乗っていたが、SL230を欲張りなおっさん仕様改めSL230TM仕様でツーリングを楽しみ始めたことが発端となったようである。

トレッキング仕様のSL230が、荷物をフル積載しても操縦性と直進安定性なども含めてトータルバランスも良く悠々と走り続けられるSL230TMへと深化したことは意外だったようで、同じバイクでも観点を変えてモディファイすると新たな楽しみ方ができて、1粒で2度と言わず何度も美味しいことに気づき、歳を重ねた おっさんライダーと同じくアツシも欲張りになったようである。

それにCB400SSの持ち主であるカミさんも、CB400SSよりジャストサイジングしたSL230TMは軽量コンパクトで取り回しの良さと、長距離ツーリングでは意外にもSL230専用スクリーンのフェアリング効果で高速道でもCB400SSよりも心地よく楽しめてSL230TMがお気に入りとなった。

アツシは自分のSL230TMを取り上げられることを警戒してか、どこからか極上のSL230を探してきてSL230TM仕様として、おカミに上納したようである。

カミさんもほとんど乗らなくなったCB400SSをNWJCツーリングマスター仕様で楽しみたいと考え始めたのは、SR500をNWJC独自のメンテナンスとモディファイによりTM仕様として蘇らせたことで、SL230TMと同様にCB400SSも是が非でもNWJCツーリングマスターとして楽しみたいと思い始めたとのこと。

旧型CB400SS VS 新型GB350

旧いSRは40数年もの間、時代に流されることも無く造られてきた名車である。SRの生産が終了するタイミングでGB350なるインド産のバイクが発売されたが、最新のGB350と旧いSR400のスペックを比較するのは何のためだろう、本来ならロイヤルエンフィールド350との比較が本筋だろうが、提灯記事による話題つくりの「いいね」には違和感がある。

SRの対抗馬で登場したHonda GB500・400、CL400、CB400SSは4バルブRFVCなどでSRとは方向性が異なりメカやスペックに拘った其々に良いバイクだったが、いつの間にか姿を消して長続きしないのがHondaスタイルのようで、今更ながらインド産の新型GBでSRとの比較は何の為か?

CB400SSをNWJC-TM仕様で楽しむアツシによれば、モダンクラシック風の新型GBが出たことで何故SRとの比較なのか、CT125の時はCT110と比較したのに、SRと同じ時代のCB400SSやGB500等の比較や紹介しないのは何故か、イメージ先行のCRF1000アフリカツインに手をだしたことを後悔しているのか、ロングストローク云々でイメージ先行の「いいね」でいいんじゃないですか、とのこと。

また、外観だけクラシックスタイルを纏ったGB350のことよりも、カミさんと13年間も楽しんできたCB400SSが、積載性や安定感が格段に向上したNWJCツーリングマスターとして蘇り、28年間愛用しているクラウザーのトップケースとの相性もよく、新たなバイクライフを考えることが現実的で充実して楽しめるとのこと。長年バイクライフを楽しんできたライダーならではのごもっともな聲である。

世の中は疑う余地も無く、新しいほど良いと思い込む思考停止傾向にあるが、昔ながらの素朴な乗り味とRFVC4バルブ 空冷ビッグシングル特有のエンジン特性も魅力のCB400NWJC-TMは、SRと同様に人の関わる領域が広く、感性により人車一体で操る面白さがあり、アナログバイクの持つ優しさが時代の流れに埋もれることも色あせることもないのは何よりである。

YamahaのSRが時代に流されること無く40数年守り続けた不変性は、バイクと人の間に多くの電子制御装置などが介在することもなく、外観をクラシック風に纏うことやスペックやカテゴリー云々でもなく、操る人の感性を第一としたモノ作りであったのではと、再びSRに乗る縁を得て気づいた次第である。

NWJC Traditional

CB400SSはアツシの想いが具体化してCB400NWJC-TMとして、NWJC Traditionalの仲間入りとなった。

外観だけクラシックスタイルを纏って、ABSブレーキシステム・トラクションコントロール・アクティブサスペンションなど、ライダーのスキルを補う電子制御が満載されているのが高性能で安全であるかのように謳われているが何か違和感がある。

電子制御で巧く走れるのではなく、バイクが道具として機能するには人車一体であることが条件だから、当たり前のことだが、バイクは人が乗ってバランスをとり操作をするから倒れることなく、走り、曲がり、止まる、乗り物だからである。最新のテクノロジーで転倒を無くせば、ライダーが育つ趣味のバイクでは無くなる。

電子制御満載の最新モデルでは味わうことが出来ない昔ながらの素朴な乗り味は、スペック云々よりも人の感性を大切にしたアナログであり、如何に売るかよりも、如何に楽しめるかである。

バイクを楽しむことはMotorスポーツであり、高度な道具を使うスポーツとして捉えると、ライダーが基本に忠実な反復によりライディングの質を向上させることが最優先で、つらい苦行ではなく楽しい陽行でライダーとしてスキルアップすることが、充実感や達成感を得ることとなり、バイクという道具の価値観も含めてライダーが主でありバイクは従となる、とバイク屋NWJCでは考えている。

一般道とは異なる競技の世界では、所属するチームの流儀に従うのが上達の近道であると過去の経験から思う次第であるが、楽しみ方は十人十色だがスペック云々で競技のイメージで高性能をアピールすることを一般道に持ち込むのは如何なものかと、競技の世界での高性能はその時が最高のコンディションであることで言い方を変えれば単能であり、一般道のあらゆる条件に対応する万能のコンディションとは異なると常々思う次第である。

一般道でのあらゆる条件に対応することを最新のテクノロジーで処理するか、ライダーのスキルで処理するのか、楽しみ方は十人十色である。

道具に対して所有欲を満たすことは手にした時が最高の100%であり、それから下がり続けるのが現実である。如何に使いこなして充実感や達成感を得ることができるか、バイク屋North Wing JCからの実体験に基づいた提案で応援をしたいと思う次第である。

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