CB250RをNWJCツーリングマスターとしてマルチに楽しむ
朝晩が涼しくなったかと思えば日に日に寒さが益して、おっさんライダーには厳しい冬がそこまでやってきた。今年の防寒対策は一部をバージョンUPして楽しみたいと思案中の今日この頃である。
先月はカブ110NWJCコンプリートならではのペースで木曽路をのんびりと楽しむことができた。雪が降る前に再び同じルートをCB250R/NWJCツーリングマスターコンプリート(以下CB250TM)を駆り、いつものメンバーが駆るSL230ツーリングマスター(以下SL230TM)と共に木曽路を楽しんできた。
山々は広葉樹が落葉してグレーとグリーンのツートンカラーとなり、木曽路の風景は一変して標高が高いところでの路面は雪と凍結したところもあり、スロットルとブレーキはトレッキングごっこ同様の丁寧さが求められる路面の状態となっていた所もあった。
CB250TMでは初の路面状況となり、SL230TMのエンジン特性に比べるとかなり厳しい状況だったが、どんな結果がでるか楽しみでもあり、万が一転倒でもしてケガをすると暫くはバイクに乗れなくなるかも、と思いつつもCB250TMでの新たな体験にはワクワクで楽しい1日を過ごす事ができた。
再び木曽路を楽しむ
西やん、大矢君、飛騨のアツシは、SL230TMで参加。RBRのオヤジもカブ110NWJCコンプリートのメンテナンスの件で来店した時に、木曽路へ出かける打ち合わせを小耳にはさみ、CB250TMなら、どこへでも出かけてその走りを楽しみたいようで当然のごとくの参加となった。
「是より北 木曽路」の石碑の前でSL230TMを駆る大矢君と合流。馬籠宿、妻籠宿と駆け抜けて須原宿では道沿いにある水船を見てから木曽の桟を対岸から眺め、SL230TMを駆るアツシとは日義の道の駅で合流したが、前回のカブ110よりもノンビリとしたペースとなって予定より遅れていた。
アツシから奈川付近で日陰が凍結していたことを聞き、峠の途中にある広場での昼食は取りやめて少し早目の昼を宮ノ越宿で終えてから山道へ入ることにした。
峠道を登り始めてしばらく進み右コーナーを抜けると、路面が雪と凍結で白くなっていた。広場へ続く登りでは凍結した真っ白な路面が見えてきた。ここで下るか登るか、登れば下りは凍結路面が待っている。
西やん曰く、1100GSやタイガー955iだったら迷うことなく下るけど、SL230TMなら何ら問題もなくOKとのこと。
SL230TMを駆る大矢君には初めての状況なので、トレッキングごっこと同様にNoクラッチでアクセルワークは丁寧な操作で登り、下りはロックさせることの無い丁寧なブレーキで下れる路面状況であることを伝えて、おっさんライダーのCB250TMに続いて登りはじめた。
トラクションコントロールやABSにフライバイワイヤーではダイレクト感が乏しく無理なことであるが、アナログの良さを発揮させてSL230TMを上手く使いこなした大矢君は、スキルアップを実感できたことと思う。
落ち葉の上で記念撮影して慎重に凍結路面を下り、アップダウンを繰り返して全員が無事に峠道を抜けて再び国道19号へ出ると道の脇はうっすらと雪があり、木曽路は今年最後であるような気もするが、カブ110NWJCコンプリートなら再び出かけて木曽路の冬景色を楽しめるように思う次第である。
贄川宿の「是より南 木曽路」の石碑をすぎて、洗馬宿から松本方面へショートカットして飛騨へ向かうアツシと別れて、我々は塩尻宿を経由して伊那谷では少し赤みをおびた南アルプスを眺めながら帰路に着いた。
CB250TMを走らせているRBRのオヤジは、バイク乗りとして実体験が出来る数少ないバイク屋だからその声は大いに参考になり、使い勝手などを訊ねてみると、カラーリングも好みの色に変更したぞっこんのCB250TMのすべてがGoodであり、乗りはじめた頃から深化する過程も存分に楽しめて新たな良き相棒であると大絶賛。
大阪からの往復は800Km前後の走行距離となると思うが、帰路では南店に立ち寄り満面の笑みで面白かったと充実感があふれていた。「近々CB250TMでキャンプに行きましょう」と誘いを受け、近日中にCB250TMでキャンプに出かける簡単な打ち合わせをして大阪への帰路に着かれた。
CB250R/NWJCツーリングマスターコンプリートを使いこなす
新たなバイクライフの相棒としてCB250TMにぞっこんとなったRBRのオヤジは、当初メーカー出荷状態のCB250Rはコンディションが最悪で、かなりショックだったようである。
売るが為のメーカーカタログのような提灯記事によるCB250Rでの疑似体験と現実的に楽しめるコンディションの違いには驚くばかりで、「乗らないと分からない事と、乗り続けてやっと判る事」など、違和感や問題点をメンテナンスやモディファイにより対策できるのは、バイク屋の経験とバイク乗りとしての実体験に基づくことであり、CB250Rとライダーの一体感で生み出されることも目の当たりにしたとのこと。
→RBR公式サイト『CB250Rが深化してNWJC ツーリングマスターCOMPへ 』
部品交換が主体でバイク乗りとして実体験がないと、面白さや楽しさへの提案が「似て非なるもの」は当然のこと。デュアルパーパスの旧いSL230を蘇らせ、ロードモデルの現行モデルCB250Rもツーリングマスターへと深化させたのは、おっさんライダー自らもバイクライフを満喫する為のコダワリである。
SL230TMが得意とする路面では敵わないまでも、ロードモデルのCB250Rでメーカーコンセプトとはまったく異なるNWJC独自の仕様へと深化させて、走破性と使い勝手の良さを発揮させるモディファイにより、マルチパーパスとしてのその良さを存分に発揮するまでに仕上がったCB250TMは、おっさんライダー自らの実体験でもその深化には納得である。
木曽路を楽しんだ数日後、RBRのオヤジと共にキャンプツーリングに出かけて、苔むした最悪の脇道へ逸れたり、浮石がいっぱいの林道へ入り込むなど、スタンダードのCB250Rでは想像もできないフィールドで、フル積載のCB250TMを嬉々として走らせるRBRのオヤジに続いてCB250TMのマルチパーパスぶりを存分に楽しむ事ができた。
近日中にRBRのオヤジより、木曽路とキャンプツーリングのレポートがUPされることと思う。
所有する価値観よりも使いこなせる価値ある道具
昨今のバイクは、ABSブレーキ・電子スロットル・アクティブサスペンションなどの電子制御が満載でライダーの技量不足を補い、操っているつもりが操られていることにも気づかない勘違いしたライダーも増えて、最近ではバイクの死亡事故の記事を毎日のように目にするが、最新のテクノロジーが人に優しいわけではないと改めて思う今日この頃である。
高速道で一気に遠くへ移動してワインディングから林道を駆け抜けてバイク旅も楽しむには、アドベンチャーモデルが最適で万能と思われるのが一般的となったが、アドベンチャーモデルは、積載性などは二の次の昔のBigオフとは異なり、Bigオフにサイドパニアやトップケースを装備して積載状態でもオフロードも走破できる万能ツアラーのイメージが定着したようだ。
しかし、大柄なアドベンチャーモデルで積載状態となれば舗装路がせいぜいで限界がある。売るがためのメーカーカタログのような提灯記事では、その気になれば云々とスペック等をアピールしているが、疑似体験や憧れと現実とのへだたりは如実であり、それを実感しているライダーも多いことと思う次第である。
西やんやアツシは、かつて若さと勢いでR1100GSを駆って楽しんでいた。西やんは林道をハイペースでカッ飛び路面のギャップで激しくバランスを崩して狂暴化したGSを押さえ込む事ができず深い谷底へ消えた。
転落した谷底を覗くと途中のでっぱりにGSと共に引っかかり九死に一生を得た経験をしている。その時、西やんとGSを引き上げたのが、高原君やアツシ、カミちゃん達の飛騨のいつものメンバーである。
その後アツシは、高原君のR1100GSとカミちゃんのタイガー955iに続いてツーリングに出かけて、サスに少し問題を抱えていたR1100GSで崖から転落。高原君がクレーンで引き上げて大したケガも無く大事に至らなくて何より、といった経験をしている。
夫々に過去を振り返ると様々な経験をして歳を重ねているが、今日まで五体満足でバイクライフを満喫できていることは、幸運であり神の御加護に感謝である。
若さは好奇心旺盛で行動の後に考えがついてくる場合が多々あることを如実に物語っているが、歳を重ねての様々な経験はまさに亀の甲より年の功であり、スペックやブランドに惑わされることも無く、気負いやテライだけではバイクライフは満たされないことをいつものメンバーは熟知している。
日本の道路事情で大型アドベンチャーが存分に楽しめるところは僅かで、一般道でそれっぽい雰囲気だけを楽しむのであれば何ら問題はないが、林道へためらわず入り込むためには、ライダーにはそれなりのスキルと覚悟が求められるのは当然のことであり現実である。
軽量コンパクトで積載力もあり道を選ぶことも無く、日本の道路事情で心地よい走りを楽しめる最適なバイクがどれだけあるだろう。現行モデルのCB250Rも遠くへ走り続けることの出来ないチョイ乗りバイクだから、積載性は皆無でバイク旅を楽しむことなどは想像すら出来ないのが現実である。
CB250Rの気負うことなく扱える軽量コンパクトな車格と、使いこなせるシングルエンジンを活かして、メーカーのコンセプト等に囚われることのないおっさんライダーの流儀を加えて、実体験に基づくNWJC独自のメンテナンスとモディファイにより、普段使いから自由気ままなバイク旅までマルチパーパスに使いこなせる価値ある1台としてCB250TMを具体化できたことは嬉しい限りである。