バイク屋の備忘録

西の定番ルートをカブ110で楽しむ

寒さが日に日に増して、おっさんライダーには寒さが骨身にしみる季節となった。しかし、カブ110NWJCコンプリートなら真冬のバイク旅も気負うことなく楽しめるから不思議である。

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先月は、素朴な乗り味とアナログの心地よさを気負うことなく扱える、程よい車格のボンネビルT100TM仕様を駆って、お気に入りの定番ルートにて、車格の最適化(ジャストサイジング)によりタンデムでも速さより心地よさで楽しめる事が実感できて良きツーリングとなった。

ボンネタンデム

タンデムでも楽しめる空冷ボンネビルT100は、GoodコンディションのNWJC2014TM仕様ならではの心地よい走りだが、ベース車である空冷ボンネやスクランブラーの懐の深さでもあると実感した次第である。

南木曽キャンプ

久々のタンデムを楽しんだ翌週は、持て余すことなく扱える車格と使いこなせる排気量のSL230TMやカブ110 NWJCコンプリート TypeⅢを旧くからのバイク仲間と走らせ、気温が一桁となった南木曽でキャンプを楽しみ、帰路のワインディングではSL230TM仕様2台で速さより操る心地よさを存分に楽しんできた。

帝釈峡

今年も残すところ2週間となり、年々一年が短く感じるのは何故だろうと思いながらカブ110 NWJCコンプリート TypeⅡ(以下カブNWJC Type2)を西の定番ルートへ載せて、今年最後のバイク旅を楽しんできた。

棚田1

カブ110NWJCコンプリートType2のメンテナンスに関して

カブ110NWJCコンプリート(以下カブNWJC)はお気に入りの1台であり、キャンプ道具も積み込んでのフル積載だが立ち止まることも脇道へ逸れるコトも厭わず楽しめるのは、軽量コンパクトでGoodコンディションだからこそであり、Goodコンディションで楽しむ為のメンテナンスが必須となるのは当然の事である。

カブメンテナンス

トライアンフ空冷ボンネやスクランブラー ・ Honda SL230TMとVTR-TM ・ BMW R100RTやRSなど、お気に入りを取っ替え引っ替えすることと、最近では少なくなったが気になる現行モデルのチェックも含めると、年間の走行距離をそれら複数台で割ればせいぜい数千キロといったところか、お気に入りのカブNWJC Type2は、やっと2万キロを超えたばかりである。

1万キロ2万キロと走行距離に見合ったメンテナンスを加えてGoodコンディションを維持しているが、2万キロのメンテナンスでは、走行距離に見合った消耗品の交換と調整も含むメンテナンスが必須となる。

棚田2

サスもコストダウンの影響かヘタリが顕著だが、ブレーキフィーリングにも影響するほどの効果を発揮させるメンテナンスが求められるところである。2万の倍数距離のメンテナンスは特に重要となる。

カブメンテナンス2

ブレーキシューはインジケーターで摩耗に関しては大雑把な確認はできるが、エアクリーナー同様に少し早目の交換が心地よい走りのためにお勧めである。

JA10型のエンジンンからの異音は、カムチェーンからの場合が多いように思うが、走行距離に見合ったメンテナンスで対応できることが大半である。

カブNWJCをGoodコンディションで楽しむ為のメンテナンスは、エンジンコンディションは何よりも最優先される事は云うまでもない。また、その他諸々あるが消耗品交換だけではGoodコンディションで楽しめないことも多々あるから要注意である。

カブメンテナンス3

旅などを楽しむ趣味の道具としてのカブと、コストも絡み消耗品のみの交換が優先される業務用のカブでは、メンテナンス内容には大きな違いがあるから、不調をきたしても「旧いから」とか「こんなもの」或いは「カブだからこんなもの」という対応では何も解決できない。不調であれば具体的に原因を究明する事が、本来のメンテナンスであることもお伝えする次第である。

カブのメンテナンスに関しては、いずれNWJCのHP七馬力紀行で、JA42型カブNWJC Type3を楽しんでいる細川店長から「ヒロのメンテナンスレポート」として掲載されることだろう。

カブNWJC Type2を楽しむ

夜明けが遅く日没が早いこの季節、出発の日に限って雑用のため午後からの出発となり、峠越えでは道の脇に積雪もあり、国道29号の戸倉峠付近ではPM5:00前だったが気温は氷点下で凍結が始まっていたから、予定より走る距離を短縮して350Km程度の津山で泊まることにした。

峠1

翌日は凍結も考慮して少しゆっくりと出発して、300~400Km程度でノンビリ楽しむコトにした。

出雲街道

ボンネT100やSL230TMと同様に峠越えや県道を走りつなぎ、市街地でのゴー&ストップを繰り返し思いつくままに西へ向けて走り、カブならではの自由気ままさを楽しみ、山口県柳井までやってきた。

追分

帰路は山口県熊毛郡田布施にある石城山より折り返しで、上関方面の朝焼けを眺めたのち津和野を目指し北上して、予定していたキャンプは中止して岐阜までの約700Kmを17時間ほど駆けて、今年最後の全行程1,400Kmの旅をカブNWJC Type2と共に楽しんできた。

石松山朝焼け

アップダウンを何度も繰り返す県道を走りつないで西へ向けて走り続ける。急坂では2速3速全開で延々と登り続けるが、カブNWJC Type2は音を上げることもなく、エンジンコンディションは申し分なくNWJCオリジナルのEPLエンジンオイルとの相性も抜群で頼もしい限りである。

トンネル

しかし、プラグギャップが少し広いことは確認していたが、調整も交換もせず出かけたため、高回転の延びがイマイチの感じで少し後悔することとなった。

峠

その他は、2万キロ時のメンテナンスではフロントサスに少し手を加えブレーキング時の踏ん張り感が頼もしく、ハードにブレーキを掛けても何ら違和感も無く、ハイペースでの安定感も抜群で心地よい走りを楽しめた。

試作シート

今回の旅では、SL230TMやVTR-TMと同様に浜松のプロショップへ依頼して試作のコンフォート仕様を装着して走り続けた。その効果はフルボトム時のショックの吸収力は抜群で、腰の座りも良く、シート後方のヘタリ感も無く、帰路では700Km余りを走り続けてもお尻や腰にも痛みが無く、シートが機能パーツとして重要であることを改めて実感した次第である。

R315

カブNWJC Type2で快走

カブ110NWJCコンプリートType3はJA42型がベースで、給排気系も見直されているから登坂時のモタつきも無く、走りは随分と改善されているが、旧型JA10型のType2は、坂道は苦手でモタツキや失速感もあるから、エンジンや足回りはフル積載で走り続けることを前提にメンテナンスとモディファイを施している。

津和野

14インチホイールのカブProがベースのカブNWJCならではのトータルバランスを高めた走りは、キャンプ道具などフル積載状態で移動時の平均速度は51Km/hを超える走りで、大型バイクと比べても何ら遜色のない走りと、自由気ままに立ち寄ることも厭わないカブNWJC Type2ならではの使い勝手の良さでバイク旅を満喫することができた。

日本海

カブNWJC Type2のJA10型はHondaの中国生産であり、日本製に比べて云々と悪評であったが、NWJC独自のメンテナンス対応でも何ら問題も無く、何故、悪評であったか未だに解らない。

神島

現行のカブ110シリーズは、パーツの多くは中国も含み海外製であるが、日本での組み立てによる日本製であり、過去の日本製とは異なることも伝えておきたいことである。

大山

一般道では大型バイクと比べても遜色の無いカブNWJCの走りについて一言

空冷ボンネT100をタンデムで楽しんだときのことだが、日没で走ることを止めて翌朝は鳥取から再び走り始めたが、鳥取よりもう少し西のキャンプ場でキャンプを楽しんでいたカブNWJC Type2のH君も同じように岐阜へむけて走り始めていたようで、カブNWJC Type2を前方に見つけたのは熊川宿を過ぎて滋賀県に入ってからだった。

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走り始めた時間差はあるだろうが、滋賀の木之本にて北条砂丘でキャンプしていたことを聞き、カブNWJC Type2の走りがボンネT100TM仕様と比べても遜色が無いことは、ボンネT100TM仕様でほぼ同じルートを快走していたおっさんライダーとしては驚愕の事実であった。

カブNWJC Type2のトータルバランスの高い走りは、同じType2を楽しむおっさんライダーも納得できることで、うれしい限りである。

西へ向けてカブNWJC Type2で走るのは久々であったが、カブ110NWJCコンプリートは14インチホイールの剛性感と低重心により積載時の操縦性や安定性は、まさに速さより心地よさで走り続けて楽しめるから、カブシリーズでは最強の旅バイクであると自負している。

夕焼け

おっさんライダーには厳しい冬の寒さもなんのその、速さより心地よさで気づくとこんな遠くまで、カブNWJCは最強の旅バイクであるとバイク屋のおっさんライダー自らの実体験にて納得である。

Next stage 2020

「如何に売るか」よりも乗り始めてから「いかに楽しめるか」がバイク屋としての本来の仕事であり、齢を重ねたバイク屋のバイク乗りとして緩やかな放物線を描くバイクライフについては、車格の適正化(ジャストサイジング)をはじめ、メンテナンスやモディファイによりGoodコンディションに整えたNWJCパッケージモデル各車を駆り、「いかに楽しめるか」についてバイク屋のバイク乗りとしての実体験に基づきバイク屋NWJC独自の提案をしたいと思う次第である。

魚見台

現行モデルでコストダウンの限界ではないかと思われるパーツが組み込まれているスポーツモデルもあるように感じているのは、バイク屋のおっさんライダーだけだろうか?

熊川宿

旧型となったVTRやSL230等をTM(ツーリング マスター)仕様として蘇らせる提案は、流行廃りで時代に流されること無く、車格やスペック・カテゴリーに囚われることなく、バイク屋の実体験に基いたメンテナンスやモディファイとバイク乗りとしての経験を融合した提案により、よきバイクとの出会いが、よきバイクライフの始まりとなればと考えている活動の一環である。

ガーミン

また、「速さより心地よさと多用性」をテーマとして、現行モデルでNWJC独自のモディファイも加えたNWJCパッケージも新たに準備中で、バイク屋のバイク乗りとしての実体験に基づいて、「いかに売るか」よりも乗り始めてから「いかに楽しめるか」をテーマとして素敵なバイクライフを提案できればと考えている。

この記事の車輌・パッケージ(仕様が異なる場合があります)

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