バイク屋の備忘録

カブ110NWJCコンプリート2代目JA10型で ぶらり ぶらり

中山道へ

NWJC南店の西側にある神社の桜が咲き始めた。カブに乗り長良川の堤防をフラフラと下り、墨俣の桜の咲き具合を覘きにチョイ乗りを楽しんできた。

川沿いの桜並木の下をフラフラと走りながら、中山道のしだれ桜は今頃どんな感じだろう、中山道からR361号の権兵衛トンネルを抜けて、伊那から南アルプスを眺めながら一走りすることを思い立った。

墨俣

毎年1月は、カブ110ならではの雪道ツーリングも楽しみ、いつものメンバーと共に越前水仙を楽しむ冬の花見が恒例となっているが、今年は大雪のため中止とした。でも、カブ110NWJCコンプリートにはスノータイヤが装着されたままなっている。

スノータイヤ

ボンネビルT100で西日本へ出かけたときにはまだ雪があったことを思うと、南信州で脇道へ入れば雪が残っている所もあるのではと、スノータイヤのままで出かけることにした。

スイセン

権兵衛トンネルの入り口付近にも雪は無く、帰りの清内路でも峠の日陰に小さな雪の塊が僅かに残っているだけだった。今年は雪道ツーリングを楽しむことが出来ず少し心残りではあったが、バイクを自由気ままに楽しめる季節の到来は嬉しい限りである。

2代目カブ110NWJCコンプリートJA10型は旅の相棒

カブ110NWJCコンプリートは、110ccという小排気量だが、チョイ乗りで出かけフラフラと走り続けるうちに、こんなところまで来たのかと意外に思うことがある。

カブ110NWJCコンプリートは、速さより心地良さで、気負うことなく自由気ままに悠々と走り続けられる、カブ・リズムとでも云えばよいのか、ビッグバイクでは決して味わえない乗り味がバイクライフを豊かにしてくれる。

2代目カブNWJC

また、多くのカブ110NWJCコンプリートを駆るベテランライダーからも旅バイクとして好評を頂き、バイク屋ノースウイングJCからの提案を理解していただけたことは嬉しい限りである。

2代目NWJCコンプリートは、おっさんライダーと共に列島縦断や雪中ツーリングにキャンプツーリング等、バイク屋のバイク乗りとして数多くのことを実体験して楽しんできたが、ビッグバイクのように気負うこともなく自由気ままに楽しめるからNWJCカブコンプリートは、気さくな旅の相棒として愛着を持っている。

今年初の南信州はカブ110NWJCコンプリートで

NWJC南店から長良川の堤防に乗り、関からR248で可児へ向かう。道の駅「可児ッテ」の前を通過したとき、本業は金属加工のプロだが、趣味が高じて道の駅「可児ッテ」にも野菜を納めている、バイク仲間のモッチと夜桜を見に行くことを思い出した。そろそろ連絡があることだろう。

中津川を過ぎて中山道沿いのしだれ桜を見てわき道へ逸れる。つぼみが膨らみ赤みを帯びているが、開花は少し先のようだ。

しだれ桜

木曽の宮ノ越は、おっさんライダーがファンである木曽義仲公ゆかりの地で、旗揚げ八幡宮や現在の美濃一之宮である南宮大社から分祀勧請された南宮神社がある。

義仲公

中山道から分かれてR361号で権兵衛トンネルを経て伊那に向かう。トンネルを出たところで南アルプスが少し見えたが霞んでいた。

権兵衛トンネル

駒ヶ根へ向かう途中で、ジョンディアのトラクターに囲まれたカブ110NWJCコンプリートをカメラに収める。勿論のことではあるが、所有者の方へは許可を取ってからの立ち入りである。

ジョンディア

お昼を少し過ぎた頃だったので、どこで食事をしようか・・・陣馬型山で景色を眺めながら食事をすることを思いつき走り始めたが、途中で気が変わり、りんご畠を抜けたところから南アルプスを眺めながらのんびりすることにした。

中央アルプス

わき道へ逸れて中央アルプス方面をカメラに収め、逆方向のりんご畠へと方向転換した。この自由気ままさが、カブならではの魅力の一つである。

りんご畠の急斜面を登り、伊那谷が見渡せる絶景のポイントで残雪の南アルプスを眺めながら、インスタントコーヒーを飲み、里見君ご用達のオートミールとJAではなくJRのトマトスープを煮込んで簡単な昼食を終えた。最近は景色のよいところで、この簡易食を食べるのが少し病みつきになっている。

りんご畠

南アルプスを眺めながら、帰りのルートを適当に思い描いてみた。清内路から馬篭峠のしだれ桜の咲き具合を見て、馬篭宿から坂下へ下って、それから・・・と、適当に決めて清内路へ向けて再び走り始めた。

阿智村辺りでは花桃が綺麗だが、残念ながらまだどこにも咲いてはいなかった。昼神温泉を過ぎてからの上り坂は、カブ110にとっては少し厳しい登り坂が続くが、労わりながら3速でアクセルを開け続けた。トンネルからの下りはヒラヒラと軽快に走り、馬篭峠へ向けて再び登り坂を走り続けた。

馬籠峠

排気量の小さなカブで長い峠越えは厳しくも思えるが、タフなカブのエンジンは音を上げることも無く「任せろ」と言わんばかりに黙々と登り続けて、頼りになる旅の相棒であることに安堵する。

馬篭峠の手前にあるしだれ桜は、蕾も小さく色づいてもいなかった。馬篭宿では日も高く夕暮れ時は谷間を抜けている頃か、今日は天気もよいから雲が無ければ夕日は綺麗だろうが、山の端が朱に染まるのを眺めるだけになりそう。

坂下

そんなことを思いながら馬篭宿から坂下へ下り東白川を抜け、悠々と走り続けて今回のツーリングも楽しんで無事に終えることが出来た。

3代目カブ110NWJCコンプリートJA42型 準備完了

カブ110NWJCコンプリートは熊本生産となった新型のJA42型が3代目として準備が整った。3代目は2代目のJA10型に比べると、スリムでスタイルも良く、その出来上がりには満足である。

3代目カブNWJC

今年で8年目となるカブ110NWJCコンプリートについて振り返ってみると、初代のJA07型が110ccでインジェクションとなり積載力のあるプロが発売となり、MD90と同様の14インチホイールは従来の17インチよりも剛性が高く、積載時の安定感には雲泥の差があり、17インチホイールのカブで試行していた旅仕様を取りやめて、カブ110プロをベースとしたNWJCコンプリートを企画したのが始まりである。

初代カブNWJC

JA07型の排気量は110ccでインジェクションとなり、動力性能は後方を気にすることも無く流れに乗ることもたやすく、スタンダートに比べてプロは積載力に優れていたが、サスペンションなどフル積載時の安定感やレッグシールドの形状等に違和感があり思案していたところJA10型が新発売となった。僅か3年ほどだったと思うがJA07型の生産は終了して、NWJCコンプリート初代はプロトタイプ数台のみとなった。

2代目カブ110NWJCコンプリーのJA10型は、リトルカブ以外のカブは日本での生産をやめて中国生産となったモデルであるが、中国生産では・・と、色々な声もあったが、カブである事には変わりなく、クロスカブと同時にロングツーリング等の実走行で比較検討したうえで、110プロをベースとしたNWJCコンプリートが旅バイクとして最適であると実感できた。

バイクの旅では積載力が必須となるが、積載時の操縦性と安定性は相反するところが顕著となる。しかし、プロベースのカブ110NWJCコンプリートは積載時の操縦性と安定性がバランスしているから、わき道へ入ること、立ち止まること、狭い峠道を越えること、サイドスタンドの使い勝手の良さ等、フル積載状態の旅バイクとしての使い勝手の良さが魅力である。

新旧カブNWJC

3代目のJA42型は、サイズなどJA10型とほぼ同じであるが、エンジンをはじめ細部にわたって違いがあるから、トップケースの取り付けステー等はすべて新たなサイズに対応した新作である。日本国内の熊本生産になり組み付け精度は高くなっているとのことであるが、バイクという工業製品を速さより心地よさで走り続ける趣味の道具として磨きをかけるのは、実体験で培った独自のノウハウを活かせるバイク屋の仕事であると考えている。

バイク仲間であるRBRのオヤジも、カブ110NWJCコンプリートのファンで、つい最近フル積載で近場の淡路島へ旅気分を味わうためにキャンプツーリングに出かけて楽しんできたとのこと。バイク屋自らの実体験に基づいてより多くの事をフィードバックできることは何よりである。

→RBRブログ 『2018 03/30【 初!カブ110NWJCコンプリートでソロキャンプツーリング!】』

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