Newカブ110 JA42型 試し乗り

昨年12月中旬の発表発売に合わせてNWJCコンプリートのベース車である新型カブ110プロが入荷しました。各部のチェックも兼ねて初代NWJCカブコンプリート(JA07プロトタイプ)で試走した東濃方面の棚田へ行ってきました。

カブは110ccになって型式もJA07、JA10、JA42と今回のモデルで3代目となりデザインや車体各部の見直しがされているということで、はたしてどんなバイクになっているのかちょっと期待をしながら NEWカブ110NWJCコンプリートの試作で慣らしを兼ねツーリングしてきました。

前日の天気予報では曇り時々雨でしたが当日は朝から気持ちの良い冬の晴天に恵まれて気持ちの良いスタートをする事が出来ました。

今回のテスト車両はエンジン、駆動系等はあえてノーマルのままで、JA42コンプリート用のオリジナルフロントキャリヤ試作品と、カブの走りをより安定させるツーリング必須のシートスタビライザーは取り付けました。

実は初代コンプリートの試走ツーリングは雪の残る2月の寒い時期でした。

カブはニーグリップが出来ませんからシートの安定性により腰の安定感がUPすれば走りが楽になるのですが、吸盤タイプのシートでは安定性が無く、常にシートが動くため乗り手は無意識の負担があり、JA07にはシートスタビライザーがなくて、この時期の冷えも追い討ちをかけツーリング後の数日間は腰の痛みで非常につらい経験をしたこともありました。

そのため今回はシートスタビライザーを最優先に装着しました。

JA10からJA42へとモデルチェンジされて生産が国内へ変更されただけではなく、外観、車体、エンジン、駆動系等々小さな箇所から大きな箇所まで色々変更されており、ノーマルの状態も今一度正しく知っておくのも大事なことではないかという事になり、先ずは新型カブコンプリート用オリジナルフロントキャリヤの試作と、シートスタビライザーはJA10用がそのまま装着できましたからこの2点のみを装着して走らせてみました。

時々フル装備のJA10カブコンプリートに乗る機会が有りますが 今回の車両はスクリーンやナックルガード、グリップヒーターにリヤBOXなど何も着いていないコンプリートのベースモデルの様な車両ですから、荷物の積載性や防風効果の高いスクリーンなどの重要さを再認識することが出来ました。

乗り始めて最初に感じたのは シートのすわり心地とギヤチェンジの感じが新しいためか少し違うかなということでした。

エンジンオイル

慣らしですのでエンジンもさほど回せませんし各ギヤを丁寧に入れながら、最初にオイルに添加してある定番のEPL PL-500を各部に行き渡らせるような感じでゆっくり走り始め、帰り道ではエンジンが少し軽くなったような感じがします。

小排気量のカブ110はすべての力を振り絞るような使い方になる場合もありますから、NWJCではハイパワーのビッグバイクと同等に高性能であり、かつ軟らかく滑らかさのあるカブ110NWJCコンプリート専用の高性能オイルPLO 110を使用しています。

旧型のJA10やJA07ではシフトフィーリングが随分変わるなど高い評価をいただいております。次はPLO 110に交換してその違いを体感したいと思います。

トライアンフ ストリートトリプルRでサーキット走行などを楽しまれていた滋賀のNさんが、トリプルRに乗るのを辞めて、1年かけて日本中をカブで旅して楽しまれました。

その時の話ですが、『途中で何度もオイル交換をしましたが、純正相当と言われるオイルでも交換前より走りもシフトの入りも悪くエンジン音もうるさくなり、新しいからといってもこんな粗悪なオイルもあるのかとビックリして、カブのオイル選びがいかに重要かということを知りました。』と言われていました。

ファイナルレシオとチェーン

目指す恵那の棚田はいくつかの峠を越えますから、小排気量のカブはアクセル全開となるようなところもありますが、慣らしなので無理は出来ません。

ギヤ比の変更で違いが分かりやすい状況になりますが、NWJCコンプリートのベース車両はProですから当然配達業務に向いたギヤ比になっており、長い距離を走るこのような状況ではちょっとつらいです。

新型はチェーンサイズが420から428へと変更されており耐久性が向上しているようですが、業務用でゴー・ストップを繰り返す使用に対する対策のようにも思います。ちなみにヤマハSR400のチェーンは428が標準のようですが、400ccの中型クラスに使うチェーンが110の原付2種にも必要なのでしょうか。

旧JA10型は420のチェーンが標準装備ですが、そのチェーンはまだら延びも激しく耐久性も難ありでした。しかし、強化シールチェーンに変更すると何ら問題なく耐久性も格段に向上しますから420の方が軽量でメリットがあるように思います。次回は420強化シールチェーンに変更して走らせて見たいと思います。

因みにチェーンが延びると、スプロケットの歯先でチェーンを受けるようになり、スプロケットの磨耗も激しく、延びたチェーンを調整だけで使い続けるとスプロケットの先がドンドンと鋭くとがってどちらも寿命が極端に短くなりますから要注意です。

そんなこんなで長い上り坂を走っていましたが、途中で道を間違えている事に気付きました。しかもかなり走っていまして・・・思い込みは怖いですね。慌ててUターン、ずいぶん走りやっと予定のルートに復帰できましたが、かなり予定外な時間を消費してしまいました。

徐々に日も暮れ始め燃料計も寂しくなり、ようやく棚田展望台に到着。時間があれば棚田を見ながらコーヒーでも淹れるつもりでしたが、天気予報は夕方から雨マークでしたので手短に休憩を切り上げて帰路に着きます。

山深い場所ですのでGSも閉まっており結局恵那市街まで下りようやく給油、ここでの燃費は53km/Lとまずまず、早速に来た道を戻ります。(燃料計のEマークの甘さはいままでどおり変わりなし)

LEDヘッドライト

東白川辺りでとうとう日が沈みここから夜間走行、日が沈むと一気に気温が下がり寒いです。やっぱり冬ですね。 気を取り直しての夜間走行では今回のモデルチェンジの大きな変更点の1つのLEDライトを試すことが出来ました。

このLEDライトは、特にハイビームではスポット的には明るく感じますが、周囲の照らし方はちょっとつらいですが、慣れもあるかもしれませんね。

ライトのカットラインははっきり分かるのですが、中心付近以外の周辺部は全体的にうっすらとした白色光で市街地ではさほど気になりませんが、郊外や山道等ではもう少し全体的に照らしてくれるとありがたいです。

社長のバイク屋の備忘録の中で、ヘッドライトの事に触れた記事がありますが、見易さと明るさは違うのだと改めて実感しました。

最近は視力も落ちて以前に比べ特に夜が見づらくなってきていますので、FOGライト等 何か対策をしたいなと思いながら無事南店に到着 約300Kmの慣らしツーリングを終えました。 

すべてはバイク屋としての実体験から始まる

メーカーから販売店向けに新製品の技術資料には目を通しておりましたが やはり実際に時間を掛けて乗ってみないと分からない事のほうが多く、実体験に勝るものは無いと改めて思いました。

全ての新商品に乗る機会はありませんが NWJCでは実際に旅(ツーリング)の道具として楽しめるバイクを選び出して、その車両の違和感や問題点を取り除き、さらに楽しめるようモディファイ等を加えてライダーとしてバイク屋自らが楽しみ、皆さんに楽しんでいただける提案ができることが大切なことだと思います。

今回のNewカブ110 JA42型も近々NWJCコンプリートとしてデビューいたします。

旧型JA10カブ110NWJCコンプリート

旧型となったJA10型のNWJCコンプリートを楽しんでいる社長は、旧型となったJA10型はお役御免だからコンプリートをバージョンUPしてツーリングマスターへと深化させて楽しむといわれています。

村田さん、Kさん、Nomuさん、里見さんなど旧型JA10型のNWJCコンプリートに乗るいつものメンバーを交えて何やら手を加えられているようです。旧型カブ110NWJCコンプリートに乗られている皆さんにも、近々より楽しむための提案がされることでしょう。

雑誌やカタログなどを見るとアドベンチャーとかツアラーとか色んなジャンルや言葉がありますが、定義は無いと思います。

カブでもツアラーになりますし、知らない所へ行けばアドベンチャーになることもあると思います。ジャンルやスペック スタイルやブランドなどに惑わされず旅を楽しめるバイクであれば、旅の相棒として永く付き合えるのではないかと思います。

NWJC 細川博明

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