バイク屋の備忘録

2018年 バイク屋のバイクライフが始まった

年が明けてまた一つ歳を重ねることになった。

速さより心地よさで走り続けて、気負うことなく自由気ままに使いこなせるダウンサイジングの面白さでカブ110TM(ツーリングマスター)やSL230TMを楽しみ、お気に入りのボンネビルT100やスクランブラーの空冷モデルならではのアナログ感による一体感を楽しんで、昨年はほとんど乗れなかったR100RTでのんびりとタンデムツーリングも楽しみたい。

ボンネビル

今年もバイクを売ることを最優先する成果主義や台数至上主義とは一線を画して、バイク屋のバイク乗りとしての実体験から、素敵なバイクライフを満喫できることを提案したいと思う次第である。

乗り納めツーリング

毎年12月は恒例となっている乗り納めツーリングに出かけているが、昨年は年末まで雑用に追われてロングツーリングに出かけることは出来なかった。木曽路方面へカブ110NWJCコンプリートで2017年乗り納めツーリングを楽しんできた。

新型カブ110プロ JA42

カブも熊本生産のJA42型が新発売となりJA10型のNWJCコンプリートは旧型となりお役御免となったが、今日まで楽しんできた旧型のカブ110NWJCコンプリートには愛着があり、より心地よく走り続けることを楽しめるカブ110TMへと深化させて、5月のGW明けには昨年同様に九州方面から山陰を経てぐるりと一周りしたいと思う。

旧カブ110プロ JA10

新型JA42型のカブ110ProもNWJCコンプリート化が進んでいるから、近々ご案内できる予定です。また、旧型となった従来のJA10型カブ110NWJCコンプリートを楽しむライダー諸兄には更に楽しめる提案を用意している。

SL230は自由気ままに旅を楽しむツーリングマスターへ

SL230やXR230には積載力が無いのはデュアルパーパスとしては当然のことだから、荷物を積載すると安定感もなくロングツーリングを楽しめるバイクではないことは周知の通りである。

しかし、バイク屋のおっさんライダーは自らが楽しむために、SL230でスペックやカテゴリーに囚われず旅バイクとしてフル積載でも気負うことなく速さより心地よさで自由気ままに走り続けて楽しめる、欲張りなおっさん仕様(ツーリングマスター)へのモディファイを数年前から進めていた。

SL230 ツーリングマスター

昨年はいつものメンバーの里見君が、同じ仕様のSL230にキャンプ道具などをフル積載してワインディングや剣山スーパー林道など、様々な道を自由気ままに駆け抜けて九州から北海道までキャンプをメインに約1月間の旅を楽しんできた。

SL230ツーリングマスター里見号

トレッキングごっこや林道ツーリングに普段のチョイ乗りには最適だったが、フル積載でワインディングから林道まで走り続けるコトが楽しめる旅バイクとしてここまで大化けするとは、スラクストン900からダウンサイジングしたSL230は最高の旅の相棒で大満足や。とバイク屋が自らのバイクライフを楽しむためにモディファイした欲張りなおっさん仕様で楽しい旅を満喫されたことはバイク屋として嬉しい限りである。

気負うことなく自由気ままに楽しめる旅バイクは、積載力がありフル積載時の操安性は必須でスペックやカテゴリーは二の次である。それが長年バイクライフを楽しんできたおっさんライダーの見解である。

長年バイクライフを楽しんできたライダー達も、年1~2回の楽しみにしているロングツーリングだからこそ積載力をはじめバイクのコンディションについては妥協できないとのこと。

長年バイクライフを楽しんでいるライダーは、高速道よりも一般道でツーリングを楽しむことが増えているからか、ビッグバイクからダウンサイジングする傾向が顕著になっているのも事実である。

XR230を旅バイクとして楽しむ

スクランブラーやゴールドウイングでロングツーリングを共に楽しんできた村田さんとKさんは、SL230やXR230でトレッキングごっこや林道ツーリングを楽しんできたが、ダウンサイジングした旅バイクでロングツーリングを楽しんでみたいとのこと。

XR230もSL230TMに準じた仕様で蒜山方面へのツーリングで各部のチェックも終えて旅バイクXR230TMとしてツーリングキャリアとスクリーンの組み付けのみとなっている。

XR230 大山

リアキャリアの取り付けがSL230とは異なり年末ギリギリまで時間がかかり、完成したツーリングキャリアを早々に細川君のXR230に装着してSL230TMの2台で長良川の河川敷へチョイ乗りに出かけた。

XR230のサイドラックにはテントなどキャンプ道具を積み込み、普段の使い勝手が良いトップケースを装着して細川君のライディングで河川敷へ向かう。

SL230&XR230

細川君がトレッキングごっこや林道ツーリングで使っていたXR230だが、わずかではあるが荷物を積載した状態は川原の石ころと砂地では勝手が違うようで、久しぶりに乗るからか目線はかなり近くガチガチに緊張していた。真剣な顔つきで彼にとってはチョットしたアドベンチャーのようだ。

細川

トレッキングごっこや林道ツーリングで楽しんでいたSL230やXR230は、スペックやカテゴリーに囚われるとロングツーリングを楽しめるバイクとは思えないが、旅バイクへと深化したXR230TMは乗りやすいようで、「久しぶりなのと荷物を積載しているので少し緊張しましたが、これなら荷物を積み込んでロングツーリングに行きたくなりますね。」と従来のXR230とはまったく別物の乗り味に新たな楽しみ方ができることを細川君も実感したようであった。また、スペックやカテゴリーに囚われずバイク屋としての実体験は何よりである。

蘇るSL230&XR230

林道や獣道を楽しむこと以外で乗る機会が少なくなると、やがてSLやXRはガレージの片隅で埃をかぶって眠ってしまう。その内にバッテリが上がってエンジンもかからず、ついには仮死状態となってしまう。

日本神話を訪ね歩くツーリングを長年楽しんできて、因幡の白ウサギ神話に登場する大国主の命は、兄神たちからの迫害により真っ赤に焼けた岩に押しつぶされて亡くなり、再び大きな木に挟まれて仮死状態で黄泉の国へ逃れて黄泉から戻られると、神格も高く国津神の長となられました。

その日本神話より黄泉から帰ることが「蘇る」の語源だと思いだし、バイクでいうと仮死状態から再び息を吹き返して蘇ることは、勢いを増すバージョンアップか深化することにもつながっているように思うのである。

XR230ツーリングマスター

いつものメンバーの多くが楽しんできたSL230の大半が、ライダーの老いに伴い年に数回のトレッキングや林道ツーリングで使う程度で乗らない年もあり仮死状態の様。そのSL230やXR230を蘇らせてビッグバイクからダウンサイジングした旅バイクとして一味違う面白さを皆と共に楽しみたいと思う次第である。

日本神話の地とバイク

古事記や日本書紀をベースに日本神話にかかわる古代の地をバイクで訪ねることを長年楽しんでいるが、難しいことはさておき日本神話を読書で楽しみ想像力を膨らませると日本神話にかかわる地を訪ねて見たくなる。今年は、旅バイクへと深化したカブTMやSL230TMで気負うことなく自由気ままに時間の許す限り各地を訪ね歩きたいと思う。

蘇りにかかわる神話の地は色々あり、鳥取の白兎海岸は、因幡の白ウサギ神話の舞台でR9号線を挟んだ向かい側に白兎神社があります。鳥取の赤猪岩神社は、大穴牟遅神(大国主の命)を焼き潰した岩が境内に鎮められています。和歌山県の伊太祁曾神社は、紀伊の国へ逃れた大国主の命を黄泉の国へ逃した大屋毘古神が御祭神です。その他にもいろいろ訪ね歩いて楽しんでいます。

出雲神話の八岐大蛇(ヤマタノオロチ)に関わる地も訪ね歩きましたが、バイクならではの機動力は自由気ままに楽しめて再び訪ねてみたいし神楽もゆっくりと楽しみたいと思う。また、駆け足で訪ね歩いた日本武尊の神話の地も時間をかけてノンビリと楽しみたいと、欲張りなおっさんは思いを巡らせている。

日本神話とバイクは何ら関連がないように思っていたが、何度も訪ねて解る事、乗り続けて初めて解る事、どちらも感性でふれると顕から幽へと奥深いものであると思う今日この頃である。

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