GoldWingで2015年最後のロングツーリング
今年も残すところ20日余りとなり、Gold Wingを駆って今年最後のロングツーリングに出掛けた。
Gold Wingは大荒れの空模様となった西日本をHONDAのフラッグシップとしての真価を発揮して、速さより心地良さで走り続けて今年最後のロングツーリングを楽しみ、バイク屋のおっさんライダーは相変わらずバイク三昧の日々を過ごしている。
悪天候の中を悠々と
AM6:00雨が降り続いている、帰途は単調な高速道を走るか、荒れた日本海を眺めながら走るか思案していた。帰りのルートを風景と共に何パターンか思い描いてみる、角島大橋の風景が浮かぶ・・・今日の角島大橋の風景は何となくイメージできる、でも岐阜とは逆方向・・・。
山陽道熊毛ICの手前でガソリンを満タンにして、熊毛IC⇒美祢IC⇒R435経由して、岐阜とは反対方向の西へ150Kmほど走り角島大橋のたもとへ到着した。
この季節の日本海は波も荒く、海の色は空と同様に鉛色にみえて暗い感じもするが、日本の四季は風光明媚に映ることもあれば厳しい表情を見せることもあり、様々な表情の中から再び訪ねたいポイントが生まれてくる。
バイクではなかなか楽しめない雪が降る冬季も、カブ110NWJCコンプリートを駆って楽しめるから、バイク乗りの目線で日本の四季を楽しむ事ができるのは嬉しい限りである。
角島大橋の袂をAM10:30に走り始め、R191とR9で荒れた日本海を眺めながら走る。萩・益田を通り過ぎて浜田の道の駅で少し遅い昼食をとりながら浜田か江津で神楽を・・・、と大好きな神楽に誘惑されそうになるが、今日はこの悪天候の中を岐阜まで走り、Gold Wingの真価を確かめたいと思う気持ちが勝っているようだ。
石見一之宮物部神社のある大田市をすぎて、R9の道の駅キララ多伎を左折すると海沿いに出雲大社へ向かう県道を横目で見ながら通り過ぎる。突風のような横風が吹きつけるが、Gold Wingは横風にあおられることも無く悠々と走り続ける。
出雲から山陰道へ乗り、薄暗くなり始めた宍道湖のPAでは小雨になり雨が・・・、と思ってはみたが思い通りにはいかないものだ。
山陰道からR9へ鳥取県浜村から白兎海岸辺りの路面は強風により砂の轍があり、数値的には明るいはずのディスチャージヘッドライトの白い光は、雨の夜道ではアダとなり見にくくてヒヤリとすることもあったが、ハイビームのハロゲンは路面をシャープに映し出してGold Wing は何事も無かったかのように悠々と通り過ぎて行く。
外気温度は朝から9度前後だったが何ら苦に為らず、R9定番の休憩ポイント兵庫県の村岡ファームで、3シーズングローブからウインターグローブに変更する。相変わらず雨は激しく降り続いている。
R9号からR27号に入り福井県小浜からR303に入り若狭熊川宿で最後の休憩、雨足は強くまだ降り続いている。峠を幾つか超えた滋賀県木之本からは路面も乾き始め、岐阜まで50Km。あとわずかで今回のツーリングが終わってしまう。
進化しているGold Wing
Gold Wingは大陸横断を前提に開発されたようだが、日本の道路事情でも自動車道・一般道に関わらず、走り始めると巨大な車体は意外なほどコンパクトに感じてストレスなく扱えて楽しめる。
日本人の体形でも違和感のないポジションにはじまり、日本の道路事情にマッチしたファイナルレシオと水平対向6気筒のエンジンレイアウトによる抜群の安定感、5速O/D1500回転でも悠々と走れる極太トルク、違和感の無いABS、パッセンジャーも納得の極上シートなど、その他いろいろあるが省略する。
GL1500はクルーザー的な走りしか楽しめなかったが、Gold Wing1800はフレーム剛性も高く、足回りも刷新されて、ワインディングでは巨大な車体からは想像もできない軽快な走りを楽しめて、スポーツツアラーであることが実感できる。
ヤマハのベンチャーロイヤル、カワサキのボイジャー、スズキは・・・名前が思い出せない。かつてGold Wingのライバルとして各メーカーには大型ツアラーが存在していた。
1988年式の水平対向6気筒エンジンを搭載したGL1500から国内販売が始まり、基本レイアウトは変わることなく現行のGold Wing1800へと進化しているのは、HONDAのGold Wingのみとなっているようだ。
バイク屋のバイク乗りとして ’88 GL1500からGold Wingを楽しみ、違和感に思うところを改善して現行のGold Wing1800まで其々の良さを楽しみ、バイク屋のバイク乗りとして10数年にわたりBMWなど輸入車のツアラーモデルも乗り続けて、信頼性・耐久性・ランニングコスト・日本の道路事情での使い勝手など、HONDAのフラッグシップとしての質の高さをバイク屋として実感している。
North Wing JCでは北店と南店のそれぞれで仕様の違うGold Wingを使っている。
NWJCで使っているGold Wingは、メーカー出荷状態のままで、初回点検をオイル交換などで済ませただけの車両とは随分と違う乗り味に仕上がっている。それは、乗りこなす事よりも使いこなすために・・、と云える。
NWJC北店の細川君が使っているGold Wingは、メーカー出荷状態から慣らしによりアタリが出た状態でエンジンコンディションを整えただけの仕様を敢えて使っているが、低速域での安定感が増して400Kgオーバーの車重や車格を意識することなく扱える本来の性能を発揮させている。
→NWJC ヒロのバイクライフ『Gold Wing1800ナラシで九州ツーリング その3』
南店で使っているGold Wingは、今回のような条件下でも道を選ぶことなくゆとりを持って楽しめるよう、エンジンをはじめ足回りなど各部にNWJC独自のメンテナンスを加えて本来の良さ+αを発揮させている。
北店と南店では、さらに楽しむためにトータルバランスを高めるメンテナンスを施して、『速さより心地良さで走り続ける楽しさ』を提供することが何よりであると、バイク屋のおっさんライダーは考えている。
楽しみ方は十人十色
バイク屋がバイク乗りとしての実体験が乏しいと、タイヤなどの消耗品交換やボルトオンパーツの組み込み等で、本来の良さが発揮されていなくても多少の変化でそれなりに納得できることになるのだろうか・・・。
乗りこなすことが前提であれば多少の違和感など気にすることも無いのかもしれないが、車重400Kg超の巨大なGold Wingでも気後れすることなく、道を選ばず上手く使いこなせて楽しむには、実体験を積み重ねたメンテナンスによりトータルバランスを高めることが重要である、とバイク屋のおっさんライダーは経験から実感している。
バイク仲間の村田さんも、北店の細川君と同じ仕様から始まり、村田さん仕様としてのメンテナンスを追加してからは、日常の通勤快速であったり、北海道や九州へ一気に走るスポーツツアラーとなったりして、乗れば乗るほど愛着が持てるGold Wingで大いにバイクライフを満喫している。
心地好く走り続けるために
今回のような悪天候でもGold Wingのフェアリング効果が抜群であることを改めて実感した次第だが、万が一の場合でもプロテクション効果が高く、防風、透湿防水に優れたジャケット類、操作性、透湿防水性に優れたウインターグローブやライディングブーツなどのライディングギアーをライダーが装備していることが要点となる。
山口県熊毛ICから西へ150Km走り、角島大橋の袂をAM10:24出発。山口県、島根県、鳥取県、兵庫県、京都府、福井県、滋賀県木之元まで雨と風の中を延々と走り続けて岐阜へPM11:57到着。
冬季の悪天候のもと、いつになく変化に富んだ約900Kmの行程では、速さより心地良さで走り続けられるようベストコンディションに整えたGold Wingの真価も実感できて大いに楽しめた。満足、満足・・・。