バイク屋の備忘録

カブ110NWJCコンプリートで日本列島縦断 4

記事内の『カブ110EXPRESS』は、列島縦断用の車両仕様を表現したもので、NWJCの正式な仕様ではありません。

4日目 新潟上越から青森港

昨夜は、Nakaさんと村田さんへ、明日は6時には出発することを伝えて其々の部屋へ別れた。一風呂浴びて今日のルートをチェックして眠りについた。

上越辺りから、朝は寒く10度以下になる事を昨夜Naka さんから聞いていたので、インナーをウインター用に着替えて、上着はメッシュのベンチレーションが付いているジャケットだから、ロングツーリング用に用意してきたNWJCオリジナルのシンサレートの中綿が入った薄手のインナーを着込んで部屋を出た。

着替えなどの荷物をトップケースへ積み込み準備をしていると、Nakaさんと村田さんがやってきた。もう少し北まで行かない、と冗談混じりに聞いてみると、今日は戸隠神社でKさんたちと合流しますから・・まだ北上するんですか・・どこまで行くんですか・・・と返事が返ってきた。

今日は青森まで行く、と答えると、このオッサン本気なのか冗談なのか、まさか北海道では、と少し気づいたようでもあるが、でもなぁ~と半信半疑の様子でもある。怪しいなぁ~このオッサン、と窺うように見送ってくれたNakaさんの様子を思い浮かべると笑いがこみ上げてくる。

上越からR8号線で柏崎まで走り、越後国一之宮『弥彦神社』へ参拝したときに走った、海沿いの道から寺泊経由で新潟へ向かう予定だったが、初めて走るR116号線で新潟へ向かう事にした。新潟は、北海道へ行くフェリーに乗船するために高速で走って来てフェリー乗り場に向かうだけだから、今回は新潟市内をウロウロと走り、県道3号線を通って村上へ向かうことにした。

10・9・8・7

今回のツーリングで走った幹線国道は、九州のR10号線、西日本のR9号線、中日本のR8号線、東日本のR7号線。南から北へ向けて日本海側を走る一桁の幹線国道の一部を繋ぐように、県道と二桁三桁国道を走っているのが今回のツーリングルートとなっている。時間に余裕を持って列島縦断が出来れば、県道と三桁国道をメインに走り繋いで、キャンプしながらフラフラとカブ110Expressで、もう一度楽しみたいと思う。

村上では、県道3号線からR345号線に入ったが、右折してR7号線を目指して走り、サケが遡上することで有名な三面川をR7号線で渡った。
随分前の事だが、三面川のサーモンパーク内には川の中を観察できる施設があり、サケが遡上する頃に訊ねて、サケが遡上する自然の姿を見学した事がある。

毎年7月は十和田神社の祭礼に参列するため、行きは鶴岡か酒田で一泊してから、青森方面まで北上して南下しながら十和田へ入るルートでツーリングを楽しむ事がある。日程の都合で時間と距離を稼ぐ為に、岐阜から高速道で一気に「朝日まほろば」ICまで走り、R7号線を北上することもある。

見覚えのある道の駅『朝日』を右に見ながら、カブ110Expressも同じR7号線を北上して、休憩ポイントとして何度か立ち寄った事がある、道の駅『あつみ』を目指した。道の駅は日曜日だから多くの人で賑わっていて駐車場も混み合っていたから、塩俵岩の看板がある人気のない静かなところで小休止。

鶴岡を過ぎて酒田に入り、側道で休憩していると、ポツリ・ポツリと大粒の雨。毎年7月に訪れる東北だが、必ずどこかで雨に見舞われるが、今回も例外ではなさそうである。レインウエアを着込み再び走り始めると、ドシャ降りの雨となった。

酒田市内を抜けて、正面から右に見えるはずの鳥海山は厚い雲の中、一度もその姿を見ることは出来なかったのは残念である。停まる事も写真を撮ることも無く、ひたすら走り続けた。

にかほ市の道の駅『象潟』ではレインウエアもすっかり乾いたので脱ぐことにした。秋田市内を抜けて走り続けていると、青空が拡がり始めて水田には雲と青空が映し出されていた。曇り空が続いていたのでR7号線を走る事にしたが、八郎潟の中を走ってくれば良かったと後悔する。

でも、R7号線沿いの水田も綺麗だから、日が落ちるのを待つようにペースをグッと落として走る。田植えの準備が整った水田にトラクターがいないのは残念、と思いながら走っていると、北緯40度の看板を過ぎたあたりにトラクターが停まっていた。

早速脇道に入って、トラクターのある水田風景を暫らく眺めて再び走り始めた。暫らく走ると周りが朱く染まり始めて、昨日に続き夕日を見ることが出来た。

八郎潟を過ぎると、R7号線は能代から内陸へ向かい大館を経て青森県に入る。日が落ちてから差し掛かった県境の矢立峠は特に寒く、峠を登って行くと外気温がドンドンと下がって行くのを感じて、東北はまだ冬が終わっていない、と実感する寒さの中を走り続けた。

エンジン音が・・・

矢立峠を登っていると、エンジン音が僅かだが賑やかになっている事に気づく。4速から3速へシフトダウンしてアクセルを開けると、一瞬だがクラッチの繋がるタイミングが変わったように感じるが、車速は変わらない。

カブ110Expressの110ccエンジンは、フル積載状態で高回転の連続走行を毎日繰り返している。全容量1Lで交換時0.8Lのエンジンオイルは、かなり過酷な使用条件だから若干消費している気がする。

オイル上がりとかオイル下がりなどの機械的な問題でエンジンオイルが消費しているのであれば、アクセルのON・OFFによって確認できるから、それは考えられない。

普段の使用状況であればオイル交換までオイルの消費はない。高回転、高負荷の連続走行となると、エンジンオイルは常時高温でかなり過酷な条件となっているから、若干の消費もあるだろう。オイルフィラーキャップ辺りには、薄らとにじんだような汚れが付着している事から見ても、蒸発による消費は当然のことだと思う。

今回のツーリングでは、エンジンをかなり酷使して走る事を前提に、エンジンオイルはEPL PL300 10W-40に添加剤のPL500を使っているから、気にすることなくそのまま走り続けることにした。

今日の宿泊は・・・

それよりも、今日の宿泊を決めていない事の方が問題ではないか。青森か海を渡った函館か、考えながら青森を目指す。コンビニへ立ち寄りコーヒーを飲みながらフェリーの時間を確認する。

中途半端な時間に函館へ渡っても、青森で泊まっても北海道まで4時間かかるし、明日は函館から稚内まで走る予定だから早い時間から走り始めるには・・・。そんな事を考えながら走り始めた。

快調に流れているR7号線を走り続けるうちに、9時過ぎには青森までやってきた。宿泊はまだ決めていないが、ガソリンを給油して、食事をすることにした。

食事しながら、11:30発のフェリーに乗れば函館へ3:30着、函館へ着いてからカブのメンテナンスをすれば、4:00過ぎには走り始めることが出来る・・・。少しずつ考えがまとまってくると、宿に泊まるための手間が面倒になり、フェリーの中でも充分寝られるから、このまま青函フェリーで函館へ渡る事にした。

腹ごしらえも終わり、フェリー乗り場へ向かう。誰もいないガランとした青函フェリーの受付で手続きをしていると、急ぐなら津軽海峡フェリーの方が早く出航すると云われたが、急いでいない事を伝えて手続きを終える。

出航まで1時間半あるから、プロテクター等の装備を外してウエアーも脱いで、港をブラブラしながら時間をつぶすことにした。エンジン音が少し賑やかになったことも有るが、さほど気にするほどの事でもないと思うから、函館に着いてから、最終目的地の宗谷岬までを快走できるようメンテナンスをすることにした。

九州の佐多岬から大雑把に目的地を決めて、青森まで約2,200Kmを走り続けてきたが、小さなツアラー カブ110Expressは、期待を裏切ることなく、フル積載状態でも原付とは思えない走りで、速さより心地良さで走り続けて列島縦断ツーリングの日々を大いに満喫している。バイク三昧の日々に感謝!感謝!

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