バイク屋の備忘録

ボンネビルとNewタイガーXRXで木曾へ

久々に明君と木曽方面へ、ボンネビルとNewタイガーXRXでツーリングに出掛けた。暖かく春めいて来たかと思えば寒さが戻ってくる、この季節に大型バイクでツーリングに出掛けるには、雪や凍結などもあるから天候をチェックする必要がある。今回も、能登方面へ行く予定だったが、日本海側は雪や傘マークで天候が悪そうなので、晴れマークの木曽方面へ出かけることにした。

ボンネとタイガーXRX

NewタイガーXRXに違和感を覚えた明君

タイガーやストリートトリプル等のトリプルエンジンがお気に入りの明君は、ナラシを終えた新車のNewタイガーXRXに違和感を持っていたようだ。

新しいけれどもどこか物足らない感覚、違和感は、彼がお気に入りだったベストコンディションの旧型タイガー800に比べると、低速域からのトルクも細く扱い難くいので、本調子ではない事にすぐ気付いたようだ。当然のことだが、新車だからベストコンディション、ということは有り得ない。

早速、違和感を取り除くために、テスターチェックだけでは不完全なところへのメンテナンスを実施して、NWJC独自のメンテナンス終了後には、NewタイガーXRXの基本性能をチェックするツーリングを予定していたようだ。

バイク乗りとしてバイクライフを楽しむバイク屋ならではの拘りが有れば、新型と云えども違和感には「こんなものだから」という対応が出来ないのは当然だろう。

バイクに乗らないバイク屋やメカニックは、実体験が無いから違和感を持つことも無いし判らない。だから部品交換やテスターチェックで「OK!!」となる、ライダーが持つ違和感などには「こんなもんです」という対応は、残念ながら極自然な対応ではないか。しかし、違和感を持っているライダーからすると無念なことである。

タイガーXRX

天候により目的地をどこにしようか、と相談するうちに出発時間が少し遅れた。東海北陸道から中津川ICまで高速を走ったが、タイガーを駆る明君のペースがいつもより速い。ボンネで心地よいと思える速度ではない。

土岐JCから中央道に入ると、スカイラインGTRが走っていた。後ろに近づくと一気にペースが上がり始めた。

GTRの後ろに続いたタイガーXRXは、エンジンコンディションを整えたことにより本来の実力を発揮しているから、心地よさに酔いしれているのか・・・、滑らかに力強く吹き上がるエンジンに右手が誘惑されているのか・・・、グングン加速して離れて行く。心地よいと思える速度域ではないから付いて行く気にはならない。

瞬く間に遠ざかり見えなくなったが、暫らくするとペースを落として満足そうに悠々と流しているタイガーXRXが見えた。エンジンコンディションが整い、胸の痞えがとれたように違和感が消えたようだ。

ボンネビルT100

お気に入りの1台であるボンネは2005年式だが、復刻した初期型からボンネを楽しみ、バイク屋として違和感に思うところを刻々と取り除き、NWJC2014仕様へと深化したボンネは、日本の道を速さより心地良さで走り続ける楽しさがある。

ボンネやCB1100のクラシックスタイルのバイクで、ツーリングに出掛けると悠々と走り続ける楽しさがある。が、ボンネは、CB1100ほど気軽に楽しめないところがあった。エンジン・足回りなどには違和感があり、対策を加えて出掛けると次の違和感が頭を持ち上げてくる。その違和感を打ち消すことを楽しみながら繰り返すと、トータルバランスが高まり、心地よさに深みが増してくることを楽しめた。

ボンネビル NWJC仕様

荷物を満載してロングツーリングやキャンプツーリングを楽しんでいるバイクは、何と言ってもビッグオフ系のツアラーが多いように思う。NWJC2014仕様のボンネであればロングツーリングやキャンプツーリングでも何ら問題なく楽しめるのだが、先入観やカテゴリーなどに惑わされて、クラシックなスタイルをファッションバイクだと勘違いすると、残念ながら本来の良さを見失うことになる。

ボンネやスクランブラーでチョイ乗りを楽しむ人は多いように思うが、ロングツーリングを楽しんでいる人は意外に少ないのではないだろうか。コンディションが整っていないボンネやスクランブラーを駆って、ロングツーリングやキャンプツーリングが楽しいとは言い難いのは事実ではあるが、NWJC2014仕様であれば、ボンネやスクランブラーのバイクらしい魅力や楽しさを満喫できると思う。が、楽しみ方は十人十色でもある。

今回のツーリングでは、ボンネにNWJCオリジナルパーツと新たな機能パーツを組み込み、レーダー機能のあるナビの取り付け位置を変更してウインカーなどのパイロットランプの視認性もチェックしながら、今シーズンは更にフィールドを拡げて心地よく楽しむために、エンジンをはじめ足回りなどをチェックすることも兼ねて楽しんで来た。

今シーズンは、クラシックスタイルのボンネやCB1100を昨年以上にロングツーリングやキャンプツーリングで楽しむ為に、ツーリングアイテムの充実を図りたいと考えている。

木曽路

中津川ICからR19号を北上して権平トンネルを抜けて駒ヶ根に向かうルートを走ったが、外気温度計は4℃を表示していた。ウインターグローブだが手が冷たく、グリップヒーターがほしいところだ。

トンネル手前で脇道に入ったが、雪が深く除雪もされていないので引き返すことにした。木曽路はまだ冬。でも、トンネルを超えると山は少し赤味を帯びて春の訪れを感じさせる。次回はしだれ桜の咲くころに訊ねたいと思う。

トラクター

清内路

帰りのルートは清内路を通った。山梨へカブ110コンプリートで出掛けたときは、テカテカの凍結路面を恐る恐る走ったが、今回は同じワインディングをボンネで軽快に走り抜けた。どちらも季節ごとで其々に面白みがある。

今回は、新しいブレーキローターを前後に装着して走らせている。純正に比べると前後共に制動力も高く、掛け始めのフィーリングが好い。リアブレーキのコントロール性は格段にアップしている。が、少し強めに掛けるとロックしそうになるから、使い慣れるまで少し丁寧な操作が必要である。

左折して旧中山道に入り馬籠宿へ向かう途中の九十九折れの登りでも、ボンネはアクセルワークに機敏に反応して、軽快に右へ左へと切り返して登っていく。峠を下りはじめると、新しいブレーキローターでのブレーキキングが楽しい、Fサスもしなやかに追従して安心感がある。速さより心地良さでボンネとの一体感を楽しめた。昔ながらのバイクらしいボンネのアナログ感は満足、満足。

清内路

レーダー機能付きナビ

権平トンネルを抜けてからジョンディアのトラクターを見て、駒ヶ根で昼食を取り、清内路を抜けて馬籠宿経由で土岐市に向けて流れに乗り心地よく走り続けていたら、ナビから取り締まりポイントの案内が流れた。取り締まりをやっているのが目に入ったが、レーダーは反応していない、かなり近づくといきなりレーダーが反応している。

何度も遭遇しているが、これがスピード違反取り締まりのスタイルである。スピードを出していたら減速しても間に合わない。もし、スピード違反で検挙されていたら心地よいツーリングが、一瞬にして悲劇と化してしまう。
知らない道を走っていると、ついウッカリということも多々あるから要注意である。

奇遇にもナビの取り付け位置を変更してパイロットランプの見やすさをチェックすることも兼ねたツーリングだったが、今シーズンのツーリングは、スピードの出し過ぎに注意しろという暗示のようだ。

そろそろ春めいて来たから、冬の間出かけていなかったいつものところも訪ねて、今シーズンも大いにバイク三昧の日々を過ごしたいと思う次第である。

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