ユーザーボイス

東京都 Y・Tさん / ボンネビルT100 / 9,776Km

東京でボンネビルを購入して1,000Kmの点検時には、ベストコンディションで乗りたいと思い、NWJCのHPで見たバルブクリアランスなどエンジン調整のことが気になり、エンジン調整も含む点検を購入店に依頼したところ、お店の方にはやっても変わらないからお金の無駄ですが・・・どうしてもという事であればやります。と伝えられたが依頼したそうです。

点検後に乗ってみた感じは、お店の方に云われた通り、変わったかな・・という程度でしたが・・・・・。


ボンネビル

NWJCのHPで見たバルブクリアランスなどエンジン調整の重要性という内容とは程遠く、やはり、エンジン調整はあまり効果が無いのでは・・・と思いましたが、やはり納得がいかず、車両を持ち込むので点検を依頼したいとのことでした。

今日の岐阜までが、今までで一番長い距離でしたと言われ、メンテナンス内容についての打ち合わせ後、仕事が忙しいので後日メンテナンスが終了した時点で車両を引き取りに来ます、と言われて新幹線で東京へとんぼ返りされました。

その週末に再度来店され東京へ向けて帰路につかれました。帰り道の途中で海老名SAまで無事に走れたことと、メンテナンス後の乗り心地について途中経過をわざわざ連絡して頂きました。

その内容は、シャクリが無くなりアクセルを開けた分だけ前に出るし、スクリーンが付いているからハンドルが重いと感じていたが軽くなった。全く別の車両に乗っているようで、何がどうなったのか考えても頭の整理がつかない・・・。と不思議な感覚を嬉々として連絡頂きました。

お客様の要望

普段は200~300Kmのツーリングですが、乗り心地は悪いし、アクセル開けても前に進まない感じだから、気持ち良く走れるようメンテナンスを依頼したい。

診断&メンテナンス

1,000Km時の点検から約8,000Km走行していますから、バルブクリアランスは走行距離が少ない初期ナラシの段階では変動が大きいこともあります。測定にはシックネスゲージを挿入する感覚的な要素も有り個人差もありますが、最近の車両は全てに於てバルブクリアランスは広くなる傾向にありますが、最小値より狭くなっている個所もあり、測定の誤差か調整作業なのか少し疑問がありました。

バルブクリアランス
  IN EX
基準値 0.15~0.20 0.25~0.30
測定値 No.1 0.18  0.23 0.21  0.26
No.2 0.14  0.11 0.26  0.25


エンジン調整中

エンジン調整を終えて、足回りを前後ともWPサスペンションに変更して、フロントの接地感を高めて安定感のある走りを楽しめる当店推奨のステムベアリングに変更しました。


ステムベアリング

ステムベアリングの交換はハンマー等で打撃を与える作業でも可能ですが厳禁です。性能を引き出すためには専用工具を使用することが必須です。


ステムベアリング交換

エンジンは調整+αで、足回り、ファイナルレシオなど各部をチェックして、心地良く走り続けることを楽しめる、バイク屋North Wing JC推奨のNWJC2014仕様に仕上げるメンテナンスを施しました。


完成

お客様のインプレ

先日は、ボンネビルのメンテナンスで大変お世話になりました。

昨年の夏、HONDAスティード400・YAMAHA SR400以来20年ぶりに無性にバイクに乗りたくなり急いで大型免許を取得、11月からボンネビルに乗り始めて1年。最初は嬉しくて乗る度に興奮してましたが、次第に乗れば乗るほど何とも言えない物足りなさがずっと気になってました。

そんだけ唸るんならもっと前に走ってくれっていうパンチの無さ、丸太に乗っかってるみたいな浮いた感じ、道路の継ぎ目でジャンプしそうな感じ、実際にこのバイク失敗だったな、と本気で後悔したこともありました。

今回メンテナンスをお願いして、言うまでもありませんが劇的に楽しくなり、期待した以上のバイクになってます。今までのパワーが散らかって逃げていた感じから、ダイナミックに馬力を感じるし、何よりバイクが喜んで走ってくれることが嬉しいです。エンジンの音も以前とは粒が全然違いますね。粒がはっきりした感じです。

じっくり走っても粘り強く、少し元気に走っても信頼性を感じます。心地良さのレベルがまるっきり別世界で自分自身このバイクに惚れ直しました。しっかり道路を蹴っている感触があって気持ち良いです。中でも一番嬉しかったのは、ステムベアリングです!!これかなり嬉しいです。超低速の時に感じるんですが、ハンドリングが本当にスベスベで何とも言えない密度の濃さが気に入ってます。今まで停車の時にけっこうふらついてましたが、止まる寸前まで安定しているっていうのはすごい幸せです。これからは苦手なUターンにも挑戦してみたいです。

あと、ノロイ車の後でも溜息が出なくなりました。1速落としたり上げたりを繰り返して妙に忙しい感じがしてましたが、右手の微妙なスナップだけでバイクがしっかり反応してくれるので楽しいですね。一般道が楽しくなるという意味が少しわかった気がしてます。

ひょっとしてアルミリムにしたらもっと一般道が楽しくなるかも、なんてことを考えながら来年はアルミリムやポジションランプなどでも相談したいと思っていますので、よろしくお願いします。

追伸

燃費がかなり良くなった印象です。帰り道は高速に乗る前に岐阜各務原IC付近で給油し、そこからは新東名の駿河湾沼津SAで給油しただけです。以前だったらそろそろガソリンランプ点く頃なのに、なかなか点灯しなかったので逆に不安になったくらいです。

メンテナンスMEMO

『最初は嬉しくて乗る度に興奮してましたが、次第に乗れば乗るほど何とも言えない物足りなさがずっと気になってました。』というY・Tさんの声は、新しくてもコンディションが整っていないバイクに乗り続けていた、ライダーの気持ちが如実に表れていると思います。

新たにバイクを手にした最初は感動も有り楽しく思えますが、感動は時間に反比例していますから、コンディションが整っていないバイクではその傾向が益々強くなり、新たな感動を求めてボルトオンパーツを組み込むパターンが一般的のようですが、心地良い走りを得る為には、パーツの組み込みだけでは根本的な解決は至りません。

今回のメンテナンスは、マフラーなど一般的なボルトオンパーツを組み込まず基本性能+αを引き出すことを望まれていました。それは、過去SR400に乗っていた時、ボルトオンパーツの組み込みから始まり、手を入れる程につまらないバイクになった経験があり、SR400の轍を踏まない選択をされたようです。

ファイナルレシオをロング化した場合でもエンジンコンディションが整っていないと、頻繁にシフトを繰り返してトルク感のあるエンジン回転を維持することが要求されます。が、エンジンコンディションを整えてボンネ本来のエンジン性能を発揮していれば、ファイナルレシオをロング化しても、5速のまま微妙なアクセルワークだけで低速域の流れでも楽々と走ることが可能となります。

バルブクリアランス調整について

測定は、カムとアジャストスクリューやバルブリフターの隙間にシックネスゲージを挿入して計測しますから、感覚的に誤差が生まれる場合があります。バルブクリアランス調整作業の経験が浅い場合は、一応作業が出来たという程度ですから、本来の性能を発揮しているとは限りません。

感覚的な事が求められる作業は、経験が感覚を養うという事が云えます。心地よい走りは、メカニックとしてライダーとしての実体験を数多く蓄積した経験が求められますから、レシピは同じでもさじ加減とでも云うのでしょうか、乗り味には大きな差が生まれてきます。

それぞれのバイクが持つ良さを引出し、速さより心地良さで走り続ける楽しさを満喫して、乗れば乗る程に愛着が湧いてくる。そんなバイクライフを提案したい、とバイク屋North Wing JCでは常々考えています。

この記事の車輌・パッケージ(仕様が異なる場合があります)

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