スクランブラーで東北ツーリングを楽しむ その1
今年はスクランブラー5台で
今年も十和田湖を最終目的地とした東北ツーリングに出掛ける日がやってきた。昨年はNC700Xで集中豪雨の中を走ったが、今年も残念ながら天候は芳しくなさそう。
十和田湖を目指すツーリングも例に漏れず、車格や排気量に拘ることなく、速さより心地良さで走る続けることを楽しめるバイクをNWJC独自の観点から選び出し、NWJC独自の拘りにより、ツアラーとして楽しめる仕様に仕上げたバイクや、試行錯誤中のバイクに乗り、様々な角度からのチェックも兼ねてツーリングを楽しんでいる。
毎年ソロで楽しんでいた東北ツーリングだが、今年は、いつものメンバー3人に加えて、旧知の間柄であるバイク屋のオヤジT.K氏も加わり、5台のスクランブラーで十和田湖を目指し、相変わらずバイク三昧の日々を過ごしている。
スクランブラーをツアラー仕様に
いつものメンバーが駆る2014仕様のスクランブラー3台と、東北ツーリングを共に楽しむ機会を得ることが出来て、うれしい限りだ。一般道を走り繋ぎ、上越での合流ポイントに向けて、村田さんと午後から走り始めた。
2001 年に復刻したモダンクラシックシリーズ第一弾のボンネビルから始まり、2007年からスクランブラーに乗って8年目を迎え、モダンクラシックシリーズは、 楽しみ始めて14年目となり、ライダーとバイク屋、双方の立場からトライアンフに関しても、継続的な実体験により、多くのノウハウを蓄積することが出来 た。
長距離を快適に走るための装備が満載の車両が、一般的にはツアラーとしてイメージされていると思うが、車格、排気量、装備、ブ ランドなどにとらわれることなく、乗り手が、日本の道を速さより心地良さで走り続けることを楽しむ事が出来るバイクであれば、それは乗り手にとって、最高 のツアラーと云える。
ス クランブラーの270度クランクから発せられる心地よい鼓動感は捨てがたく、エンジンや、足回り、ポジション等を煮詰め、積載性も高めて、ワインディング から高速道まで、速さより心地良さで走り続ける楽しさを得ることが出来て、ノーマルのスクランブラーとは別物へと深化して、最高のツアラーとなった。
今回は最高のツアラーとなったスクランブラーNWJC2014仕様で、東北をいつものメンバーと共に楽しんできた。
スクランブラー専用スクリーン
7月に十和田を目指すと、必ず悪天候の中を走り続けることになるので、テスト中であるスクリーンを試すには最適な条件が揃うのでは・・?と思い、ほぼ完成している最終型のスクリーンをいつものメンバーの車両に装備して、いつものことだが、実走行によるチェックを依頼する予定をしていた。
今回は仕事の都合で参加できないが、メンバーの一人であるM.T氏は、アクリルやポリカーボ製品の制作などが本業で、スクリーンの制作を試行錯誤の段階から快く引き受けて頂き、スクリーンは、ツーリングの日程に合わせて出発2日前に出来上がり、準備が整った。
M.T氏のおかげで、長距離ツーリングにて実走行テストするには良い機会を得ることが出来た。今回は参加出来なかったが、バイクのこととなると他の仕事より優先していただき、感謝、感謝!
予想通り、全行程の大半で雨に降られた。雨上がりの田園風景が続く国道では、日没後ヘッドライトの明かりを目指して虫がガンガンと飛んでくる。しかし、ヘルメットのスクリーンに虫が張り付くことは無くなり、雨の中でも胸周りに雨が当たることも無く、悪天候の中でも楽に走り続けることを楽しめた、と好評だった。
スクランブラー専用のスクリーンがほぼ完成したので、2014スクランブラーをツアラーとして楽しむ為の装備は、スマホ用の充電アクセサリーパーツなど、個々の好みや使い勝手による装備以外は、整ったように思う。
いつものメンバー vs 旧知のバイク屋さん
今回のツーリングに参加した、いつものメンバーは、スクランブラー以外にも原付のカブ110や林道ツーリングをオフ車で楽しみ、複数台の車両を所有して、バイクライフを大いに楽しんでいる人達である。
今回参加した5台のスクランブラーの内、キャブ車は村田さんと私の2台のみで、他は全てインジェクション仕様となっている。キャブ車だからインジェクションに比べ云々と云うことも無く、走りも含めて何ら不足に思うことは無い。
長年スクランブラーを乗り続けている彼らは、スクランブラーならではの心地良く走り続ける楽しさが段階的に深化して行った過程も熟知している。仕様変更したスクランブラーの乗り味についても、ツーリング等でバイクを楽しまないバイク屋の知識や思い込みよりも、感覚的にどのように変化したかを把握している。それは、乗り続けている人にしか分らない感覚だから、プロも顔負けと云ったところがある。
旧知の間柄であるバイク屋T.K氏の駆るスクランブラーも、外観は2014仕様風だが、随所に微妙な違いがある。君のスクランブラーは2010仕様かね?と、冗談まじりに伝えたところ、最後尾から何が違うのか、バイク屋目線でチェックを入れながら走っていた。
それは、共にバイクを楽しむというより、明らかに情報収集という感が強く、バイクを楽しんでいる、いつものメンバーとは趣が異なるが、バイク屋として実体験をベースとした探究心は大いに結構な事だと思う。
ドシャ降りだったR252の峠を越える時でも、いつものメンバーはトレッキングごっこ同様に、スクランブラーとのコミュニケーションを楽しみながら、ウェット路面の九十九折れの峠やS字コーナーの切り返しでは、キャンプ道具などを積み込んでいるにも関わらず、ヒラヒラと軽快に切り替えし、タイトコーナーからの立ち上がりも、滑らかにスルスルとスピードが上がって行く。
バイク屋T.K氏は、前を行くキャブ車の村田さんと、同じようなタイミングで切り返すには・・、スルスルと加速していく前車のスピードに合わせるには・・・などなど、車両のセッテイングも含んだコンディションよりも、ライテクで走らせることを重視している思い込みの走りで、車両にも大きな違いがある事には、まだ気づかない様子・・・。
悪天候にも関わらず、我とスクランブラーとの一体感を楽しむとでも云うのか、いつものメンバーは大いにツーリングを楽しんでいた。宿に着いた後でも疲れた様子は微塵もなく、気負ことなく心地よい走りを満喫した会話が飛び交っていた。それはいつもの見慣れた光景でもある。
東北ツーリングを共に楽しんだ、いつものメンバーのブログもご覧ください。
いつものメンバーは、悪天候の中でも、速さより心地良さで走り続けることを楽しめる、お気に入りのバイクを駆ってツーリングを楽しんでいる。しかし、車両のコンディションやセッテイングによる心地よい走りを求めることよりも、ライテクで乗りこなすことを求めたバイク屋T.K氏のスタイルは、一般道を走り続ける長距離ツーリングにおいて、我々とは求めるものが異なるように思う。
それは、今年の春、大野へキャンプに出掛けたとき、知り合いのバイク屋S.T氏のライテクで乗りこなすことを意識した走りと同様で、いつものメンバーの目にも違和感として写っていた。
バイク屋T.K氏とは、今回のツーリングで一般道を主体に2,000Kmほどを共に走ったが、ツーリングを楽しむ目的をはじめ、様々なことに気づかれたようだった。
カブ110NWJCコンプリートと合流
大阪から山形県新庄へ転勤になった内藤さんと、山形県寒河江にある道の駅「寒河江」で、合流する予定で走っていたが、悪天候と通行止めのため迂回することもあり、大幅な遅れで迷惑をかけてしまった。
合流してからは、スクランブラー5台と、カブ110プロの組み合わせで、花立峠を越えて吹上高原キャンプ場を目指す予定だったが、天候も悪いため、キャンプは中止して鳴子温泉に泊まる事にした。
内藤さんは、NC700Xにも乗っているので、NC700Xに乗ってくると思っていたが、カブに乗ってきていたので、何故カブなんですか?と、訊ねてみた。
大雑把なルートは、Nakaさんのブログで事前に知っていたから、ルートの下見がてら花立峠を通った時に、NCで転倒してしまい、カブなら安心して走れるし、高速を使わないのであれば、スクランブラーと走ってもあまり迷惑をかけることも無いから、カブで来ましたとのこと。
いつものメンバー全員がカブ乗りで、長距離ツーリングやキャンプツーリングを楽しんでいるので、カブの実力も熟知している。カブが一緒に走る事には、誰一人として違和感を持つことも無く、東北でカブ110NWJCコンプリートと一緒に走れる事を歓迎している様子だった。
翌日は、カブ110NWJCコンプリートを伴って、鬼切部城跡を訊ねた。その後栗駒山方面へ向かう予定を変更して、R13沿いの道の駅「おかち」で、9月にカブ110で北海道ツーリングに出掛ける計画をしている旨を伝え、内藤さんと別れて、協和の唐松神社を目指して走り始めた。
唐松神社参拝後、岩木山を周遊する予定だったが、北上するとかなり天候が悪いようなので、大館から樹海ライン経由で十和田湖を目指すことにした。