バイク屋の備忘録

トライアンフ スクランブラーをより楽しむために

キャンプツーリングを楽しむ

五月の連休は、予定していたキャンプツーリングは天候も悪く中止したので、日を改めてスクランブラーでキャンプに行く予定をしていた。今回は、スクランブラーを楽しんでいる人達が参加したいということとなり、ワンメイク・スクランブラー・キャンプツーリングとなった。

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バイク歴も長く、大型を何台も乗り継ぎ、楽しめるフィールドを広げながら、スクランブラーに潜在する速さより心地よさで走り続ける面白さや魅力に気づいている人も多い。その中にはツーリング仲間の、「バイク屋のオヤジ」も参加していた。

バイク屋のオヤジとは後日、ストリートトリプルRに装着した「ツーリングキャリア]の積載性をチェックする為に、またまた平日にキャンプツーリングに出掛けたが、バイク屋のかみさんからは「誘わないでくださいって言ったでしょ!!」と苦情がありそうで戦々恐々・・・・。

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キャンプに関しては、長く楽しんでいる人と初体験という人もいたが、スクランブラー同様に、其々の流儀で楽しんでいた。

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キャンプツーリングに参加した、スクランブラーユーザーのコメントも近々紹介したいと思う。


速さより心地よさで走り続ける楽しさ

ここ数年バイクの性能は飛躍的に向上し、排気量による速さとパワーに加え、ライダーがある程度思い通りにバイクをコントロールできる曲がり易さ等の扱いやすさに優れたバイクが多い。

そのようなバイクからスクランブラー等のモダンクラシックに乗り換えた場合、以前乗っていたバイクとの比較となれば、走らない・止まらない・曲がらないと思う人が大半のようだが、残念ながらファッションバイクだから・・・となるようだ。

併し、バイク歴が長く経験豊富なツーリングライダーは、年輪を経ることにより、一般公道に於いては、速さより心地よさで楽しむという明確なテーマを持ってスクランブラーを楽しんでいる。

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スクランブラーの問題点は灰汁の強さか?!

スクランブラーは灰汁が強いのか、ネガティブな要素が多い様にも思われるが、問題と思える箇所を対処して、それらを打ち消しながら仕上げて行くと、灰汁の強さが味わい深さとなってくる。

スクランブラーに乗り始めて7年目となった。最初は、モダンクラシックシリーズだからこんなものかとネガティブなところが目に付いたが、何故だろう?と疑問を持つうちにスクランブラーの面白さに気づいた。

乗り始めた頃は、ハンドルポジションが合わず、開いたハンドルで長時間走ると、おかしな前傾姿勢になっていることに気づいたり、エンジンは歯切れが悪く力も無い。バタつく足回りは、モダンクラシックだから・・・と妥協したいところだが、これでは楽しめないと思った。ネガティブな面は何故だろうという探究心をもって現在に至る。

ブレーキは、特にリアーブレーキが、効いているのか?と思えば、いきなりロックしたりして感覚的に、使い勝手の悪いブレーキのように思えた。

対策としては、ブレーキパットを変更することで、とてもコントロール性が上がり使いやすくなった。

シートひとつを採ってみても、長い時間乗り続けると前へ前へと押し出され、コーナーリングはフワフワとした感じで、気づくとタンクとシートの境目に乗っている。何故だろうと疑問を持ち原因を探してみればなるほど・・・と、気づく。

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対策としては、シート裏側の一番前側のフレームに乗っかる丸いゴムの部分に3mmほど厚みを増してやり、タンクと重なるところにウレタンなどで程良く厚みを増してフレームとシートのアタリを調整すれば、随分とポジションが安定して、乗り味もスクランブラーなりのシャープさが産まれて一体感が増す。

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オリジナルパーツの企画は、総てツーリングライダーの目線から始まっている

オリジナルパーツとブレーキパット・スプロケット等は、純正以外のパーツも含み、舗装路から未舗装までフィールドを広げながら、長距離ツーリングなどテストは、幾度となく繰り返している。亦、いつものメンバーにもモニターを依頼して、意見や感覚的な情報もデーターとして継続的に蓄積している。

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その結果、荷物の積載をはじめ、WPサスペンション等、より楽しむ為に必要と思われるオリジナルパーツの多くは、コダワリをもった、ライダーの目線から産まれている。

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スクランブラーの魅力は・・・?

スペック的な数値より、270度クランクから発せられる心地好い鼓動感のあるエンジン特性は、穏やかさと落ち着きのある乗り味を生み出して、快感速度とでも云うのか心地好いと感じられる速度域が高速道も含み日本の道路事情にとても合致していると思う。

勿論、速さより心地よさで走り続けることを楽しむには、それなりのメンテナンスと、より楽しむためのカスタムが必要となることは云うまでも無い。

スクランブラーは、メーカー出荷状態からイニシャルメンテナンスを施すことにより、スクランブラーの持ち味が顕著になる。蓄積したノウハウのフィードバックによりカスタムされたスクランブラーでツーリングを楽しんでいる人たちは、ライテクで巧く乗りこなす事より、上手く使いこなすことの楽しさ面白さに気づいている。

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亦、カタログや雑誌等より得た情報は、何かに特化していることが高性能であるかのような表現もあるが、疑似体験による先入観を以て其々のバイクを捉えてしまうと、型にはまった使い方や楽しみ方となり自由度が無くなるが、一つの提案として受け取ればスクランブラーも更に楽しめると思う。

この記事の車輌・パッケージ(仕様が異なる場合があります)

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