回想録 BMW K1200LTの巻き
K1200LTが発売となり1999年4月1日、試乗車?を用意しナラシを始める。
低速が無くてとても扱いにくい、渋滞などはクラッチを頻繁に使いながらで疲れる。
とにかく低速が無くて乗りにくい、雑誌では中々のことが書かれているようだが現実とは、かけ離れている
知り合いのバイク屋がLTを購入したが、Uターンで・・・。とにかく使いにくい。
工業製品の説明や雑誌の紹介は、読者から見れば疑似体験であり現実は甘くない。
1,000Km前後の走行後各部をチェックする。
エンジンの調整もカウルがフルカバーで分解のみにも時間が掛かった。
バルブクリアランスが基準値より大きく16バルブ中8箇所を調整した。インジェクションはキャブ車とは違い噴射タイミングには燃料がでてくるのでバルブクリアランスは重要である。基準値に整え、スロットルボデーで同調を整える組み付け後試乗してみると、低速が別物のように扱いやすくなりLTの重量をまったく感じなくなり、TOPギアーでアイドリング付近でもノッキングもなく使える、Uターンも随分と楽になり、無機質な工業製品が、血の通う半完成の道具になり始めた。
重量のある車両はHONDA・GL1500以来だが、メンテナンス前の状態はGLのほうが格段に扱いやすく高速はLTのほうが新しいだけフレームもしっかりとして安定しているが、何かなじめない。
フロントタイヤが何処か遠くにある感じで旋回時のキッカケがよくわからない。
BMWの大型ツアラーK1200LTを楽しもうと、北海道等へのツーリングにも使って色々試すうちに、タイヤ交換の時期がきた。同じタイヤを装着するが少し疑問も・・・・。直進性は良いが旋回性がいまイチ。
このK1200LTの扱いはエンジン特性のみではなく足回りも大きく関係していると感じている。
2回目のタイヤ交換の時期がやってきた。BSのリプレイスタイヤが発売になっていたのでそれに交換した。
フロントタイヤのラウンド形状が旋回しそうな予感がする。見事にアタリ!!旋回性が大幅に向上した、これなら楽しめる。ここにたどり着くまでにLTはもう15,000Kmを軽く超えている。エンジンと足回りが上手くマッチして楽しめる道具に仕上がってきた。
高速を一切使わず国道と県道を走り繋ぎ800Kmほど走ってきた時、追い禁でトラックの後ろをフラフラと走るがストレスが溜まらない。細い県道でもヒラヒラと軽快に流せる。乗りはじめから世話が焼ける事が色々とあったが、血が通い始めたので大いに楽しめた。バイク屋としてお恥ずかしい限りだが、ライダーとメカニックの目線からでなければ判らないことも沢山あると思う。
一般ユーザーがプロライダーといわれる方々と同等に乗れるとは思えないが、車両のコンデションが悪ければ、それはけっして楽しくはないし、積極的に操ることはある意味とても大きなリスクも背負うこととなる。
コンディションが整っていないバイクで有名ライディングスクールへ通ってもある意味、無意味だと思う。
アクセサリーやマフラーの交換などは、ある程度道具として完成してからでなければ本当の違いは判らないし、じっくりと付き合っていくことは難しいと思う。プロライダーといわれる方々が雑誌などにインプレを書いておられるが、全て本当のこととは思えないし、セールスポイントは雛形に沿った作文のところも多く見受けられる。