メンテナンス

オイルはバイクの血液

2007-11-20

オイルの表示と中身の真実

今の状態がベストコンディション?

オートバイを長く調子よく乗り続けるためには、適切なオイル管理を行うことはライダーとして当然のこと!と思いますが、ではオイル交換さえ適切にしていればバイクが長く調子よく乗れるかというと、そうはいきません。当然のことではありますが、オイル交換はメンテナンスの一つなのです。皆さんもご存知のようにエンジンオイルには、さまざまな種類とグレードがありますが、ハイグレードなオイルを使えばエンジンが調子よくなると思いますか?場合によっては良くなる事もありますが、ではそれがそのエンジンが持っている本来の性能であるといえるでしょうか?明らかに何か不具合があって調子の悪い状態であれば別ですが、特に問題もない状態であっても、今のそのバイクがベストの状態であると言えるでしょうか?なかなかそれは判断しにくいことと思います。

日本の夏は過酷

例えば、夏場の暑いとき、空冷の大排気量エンジンにとっては、非常に過酷な条件になります。オイルの冷却効果が試される訳ですから、そのグレードや粘度によってバイクの状態は変わると思います。あるバイクは、まったくのノーマルでハイグレードな少し硬めの15w-50の粘度のエンジンオイルを使って走り続けていたのですが、油温が上がり気味で、ミッションのタッチも少し渋くなってきました。もう一つのバイクは、同じ車種で年式も走行距離もほとんど変わらないノーマルでまったく同じ仕様で、同じメーカーの銘柄のオイルを使っているのですが、年間通して10w-40の粘度を使用しても同じ様な条件で同じ様な走り方をしても何の問題もないのです。第3者もそれを確認しています。

さて、この2台のバイクの違いはと言うと、前者は車検整備や消耗品の交換、もちろん定期的なオイル交換をしっかりおこなっている一般的なバイク。 そして後者は、前者と同様の点検整備を行う以上に、エンジンを含めたバイク全体の各部点検、適切な調整を定期的におこなっていました。

メンテナンスとオイルとの関わり

具体的に差が出たのは、燃料の調整とバルブクリアランスの調整であったといえるでしょう。 エンジンに対して適切な量の燃料を適切なタイミングで燃焼室へ送ることができれば、それだけでエンジンに対する冷却効果は大きく変わります。

それが症状となって現れてきたのでしょう。 前者は油温が上がり、ミッションタッチに悪影響を与え、しいてはオイルの劣化を早め、それがまたエンジンにダメージを与えると言うような悪循環になって行きます。 ところが後者は、適切なメンテナンスを受けてベストなコンディションであることで、何のストレスもなく、前者に比べてオイルの粘度も軟らかいのでレスポンス良く、暖気の時間も短く、燃費も良いと言ったように、悪い話はありません。

このように、適切なメンテナンスを行うことで、使用するオイルも違うことがあるという事がわかっていただけたと思います。オイルに対する既成概念や定説といわれることも、適切なメンテナンスが加わりベストコンディションになることで変わることもあります。そのなかで四季のある日本においては、季節によってオイルを使い分けることも必要かもしれません。ただクォリティーの高いハイグレードオイルを使えば良いという事ではなく、ライダーの乗り方やそのバイクの状態にあわせてオイルを選ぶということが重要なことだと思います。

バイク屋さん選びの重要性

そういったことをわかっているバイク屋さんと出会うことが、オイルとメンテナンスとが深い関わりがあるということのうえで、大変重要なことだと思います。 “良いメカニックは良いライダーでもある”という言葉を聞きます。良いライダーとは早く走れるとか、高度なテクニックがあるということではありません。同じライダーとしての気持ちを理解することができて、それぞれのバイクのコンディションを把握することができる豊かな感性を持ちえたライダーのことです。 そういった良いメカニックがいるバイク屋さんのもとでバイクをベストなコンディションにし、それを維持するなかで、ベストなオイルにめぐり合うことができると思います。

ハイグレードオイルとは?

ところで一般的にハイグレードといわれるオイルですが、その明確な判断基準はハッキリ言って曖昧です。最初にも述べましたが、世界的なエンジンオイルの規格で日本でもほとんどのオイルが採用している“API”も、現在のガソリンエンジン用の最新規格は“SM”ですが、安く売られているオイルも高く売られているオイルもどれも皆“SM”です。もともとこの“API”ですが”、“SA”から始まって、時代の流れやエンジンの高性能化に伴って現在の“SM”まで進化してきたのですが、進化の方向性が、最近は、燃えた時の環境に与える影響や、マフラーの触媒に対する影響、省燃費性‥などと、まさに今現在叫ばれている環境性能に重点が置かれるようになってきています。

このこと自体は非常に重要なことですし必要なことだと思うので、さらなる進化を期待しますし、現実として新しい規格になるにつれて新たな試験や追加項目に合格しなければならないので、オイルの基本性能という点で見れば、“SM”が一番優れているかもしれません。

しかし、最新の規格を通っていないオイルでも高価なオイルは多く存在しますし(各オイルメーカーのトップグレードといわれるオイルほど)、省燃費性が求められる上でオイルの粘度が硬いことは回転抵抗が大きくなるので避けたいことですが、空冷の大排気量エンジンにはある程度の粘度の硬さは必要ですので、“SM”規格ではそのバイクにあわない事も多くあります。ですから規格は物選びの判断基準としてはあまり参考にならないと思いますし、ましてや商品の優劣ということではなく、品質の最低基準として捉えた方が良いと思います。

合成油であってもピンキリ

また、今では当たり前のように表示されている“合成油”というものも、その素となるものは、PAO(ポリアルファオレフィン)やエステル、アルキルナフタレンといった、潤滑油に適した化学製品ですが、例えば“エステル”といわれるものでもピンからキリまであって、劣化の度合いが早い物もあり、“エステル”という表現だけが一人歩きして、それが入っているから良いオイルというイメージが先駆しているのが現状だと思います。

そして現在では、VHVI、XHVI、水素化分解油、MC精製油、などといって表現されている、従来の鉱物油に手を加えて、今までの合成油に近い性能をもったベースオイルが数年前から出まわり始め(これらはほぼ同じ物)、これも現在では合成油と表示しているメーカーが多くあります。 このベースオイルは、環境性能を上げるために今ひじょうにシェアを伸ばしているもので、鉱物油に比べて熱安定性に優れ、低温時での流動性が良く、エンジンの始動性が向上し、省燃費に貢献し、尚且つ合成油よりも価格が安いといった優れものなのですが、合成油よりも明らかに劣化が早い欠点があります。

ですから今まで“100%合成油”として表示されていたオイルが、材料の一部をこのVHVIに変えて、製造コストを抑えて、劣化の度合いが若干早くなっても“100%合成油”と今までと何ら変わらない表示で売られていることがあってもおかしくないのです。

このように“合成油”という表現も、今までに比べて、その素となる材料が増えたことによって、より種類が増え、価格にもバラつきが出て来たことで、ますますユーザーにわかりにくい物になってきていると思います。

硬いオイルでも軟らかめ?

もう1つオイルの重要な要素として、粘度があります。10w-40、15w-50といった表示がそうですが、それぞれの数字が持つ意味は皆さんもある程度はお解りだと思いますので、割愛させていただきますが、数字が大きくなるとオイルの粘度は硬くなっていきます。 ところがこの数値にも実はそれぞれに範囲があって、例えば10w-40のオイルでも5w-30のオイルや逆に15w-50のオイルとあまり変わらない物もあるということをご存知ですか? 10Wという数値の範囲の中で5Wに近いか、もしくは15Wに近いかということで、同じ10Wでもメーカーや銘柄によって粘度が違うということです。 場合によってはまったく同じオイルでも、製造ロットによって違う可能性もあります。右側の40という数値にも同じことが言えます。

それぞれのオイルメーカーやその銘柄によって、この数値の範囲内で物造りが違ってくるので、同じ10w-40でも、初めから軽くエンジンが回り、レスポンスがいい印象を受けるオイルもあれば、エンジンの回りは若干重たいけれど、熱ダレしにくく、耐久性の高いオイルもあるということです。

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