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Honda最後の空冷CB1100を心地よく楽しむために

ホンダ最後の空冷4気筒CB1100は生産が終了しました。CB1100をこれからも乗り続けて楽しみたいとか、最後のBigはCB1100だからコンディションを整えて楽しみたい等、ライダー諸兄より問い合わせや相談が増えています。

2010年から発売となったCB1100も2001年から発売となったトライアンフ空冷ボンネビルと同じく丸形ヘッドライトとツインショックで昔ながらのバイクらしいスタイルと乗り味が魅力です。

ボンネビルT100やスクランブラー900と同様に定番の西から東北へのキャンプツーリングなど長年楽しみ、バイク屋のバイク乗りとしての実体験に基づいた独自のメンテナンスに関しても多くのノウハウを蓄積してきました。

バイク屋として乗り続けることによって判ることが数多くありますが、近場のチョイ乗り程度ではコンディションの良し悪しに関しては判らない事がほとんどであるのが現実です。

エンジンコンディションと足回りについては、いつもの話ですが空冷エンジンはオイルよりもガソリンで冷やすほうが効果的ですからバルブクリアランスの適正化は必須項目となります。

しかし、一般的にはオイルクーラーやマフラーにサスペンションなど、ボルトオンパーツへの交換が相変わらず主流のようです。

エンジンコンディションが整っていない車両の足回りはボルトオンパーツでサスペンションを交換してもその良さを存分に発揮できないのが現実です。しかし、硬いとか軟らかい等の変化があることは誰にでもわかる程度のことですが、その違いが良くなったと勘違いしている場合が大半であるのも事実です。

プロのサス屋さんはそこのところは重々承知のことですが、売るがための提灯記事による疑似体験と実体験に基づいてエンジンコンディションを整えてからの足回りのメンテナンスに関しては、世間一般のパーツ交換のみの情報とは少し違いがあるのが現実です。

メンテナンスレポート

長年乗り続けてきたCB1100をこれからも楽しむために垂井のY・Tさんより相談があり、車検とメンテナンス後のレポートが届きましたのでメンテナンス時の写真も添えて御紹介します。

最後のBigバイクとして、あるいはホンダ最後の空冷直4をこれから楽しみたいライダー諸兄にとって、「旧いから」とか「こんなものです」とした一般的な対応とは異なる、バイク屋の実体験に基づいた提案が素敵なバイクライフの為のヒントになれば何よりであると思います。

Y・TさんのCB1100は16,000Kmの走行距離です。まずは伺っていた症状の確認のためバルブクリアランスのチェックから始めました。計測値は基準値外の箇所が16バルブ中9バルブありました。低回転域で力が無いとかヒートぎみでタレ感がある等の原因の一つとしての裏づけとなりました。

CB1100本来の性能を引き出すためには、不調と思われる症状に対してマフラー交換やオイルクーラーなどの部品交換をしても殆ど改善することはありません。それらは測定や調整などによる基本に忠実なメンテナンスにより、エンジンコンディションを整えてからの提案であることをお伝えする次第です。

ホンダCB1100 車検とメンテナンスでコンディションを整えて

CB1100車検整備でお世話になりました。垂井のY・Tです。本当に車検とメンテナンスありがとうございます。

まるで別物のCB1100になっており、非常に感動していると共に驚いております。基本に忠実なメンテナンスとエンジン調整の大切さを痛感しております。

CB1100のなんか良くない?と思っていた個所

① 低速トルクが少ないかな?(一本橋の練習でエンストしやすい自分の技術の無さかも)
② エンジンの吹き上がりがいまイチ(回転は上がるけど 思ったよりパワーが上がらない)
③ エンジンの発熱量が多い (低速走行の練習で熱ダレぎみ)
④ タイヤ交換後 100Km/hの高速走行時微振動が多い(手が痺れる)
⑤ 道路のギャップ通過時 フロントフォークが落ち着かない。底付きかな?

NWJCさんからの提案

① ②③…バルブクリアランス調整などでトルクアップとエンジン冷却性能はupできる。
⑤…フォークオイル交換でスムーズさup。CB1100は手の痺れは出やすいけど改善する。
④…タイヤ交換時バランス取りは普通するけど何故かな・・・バランス取ってないのでお願いしました。

車検とメンテナンス後の感想

★低速トルク

車検終了後に車両を引き取り自宅まで帰る際 お店の前の信号を右折する際 スムーズに加速する。

岐大バイパスの渋滞で リアブレーキを踏み アイドリング状態でクラッチを繋いでみると、あっれ バイクが力強く前に出ようとします。

アイドリング発進を試すと 自分が上手くなったのでは?と思う位 易々と発進で来ます。こりゃすごい

★エンジン吹きあがり

3,000回転迄は 力強いトルクを感じて 高めのギアで走行可能です。

一旦 3,500回転を超えると・・・何これって感じで?今まで聴いた事がない力強い排気音になると同時に体が後ろに置いて行かれるような加速が始まり ひえー! 昔の2stかと思うほどです。

★エンジンの発熱

発熱は当然しますが、ギアの入り等 全く変わらず至ってスムーズです。排気の圧力を感じる為に手をかざすと 今までになくパッパッと非常に強く感じます。

こんな感じを楽しみながら 帰宅してましたが、なんかもったいなくて、気が付けば、

岐大バイパス~揖斐川堤防~大野町~谷汲山~横蔵寺~303号 藤橋~夜叉ヶ池~木之元~361号 高月~浅井~伊吹~関ケ原~自宅

と、特に303号では、カーブもリラックスして進行方向さえ向けばスーと曲がり、楽しくて約160km一気に走りました。

なんか、楽しくて楽しくて、高速も走って手の痺れの度合いを感じたくなりました。

★ツーリングで各部を再チェック

6/28、仕事が公休なので海でも見に行くかと、朝から養老SAより東に向け走り、エンジンの力強さを感じながら、浜名湖SAで三ケ日ミカンジュースを飲み休憩。

CB1100は、90km~100kmで走行。手の痺れ等なく快適。ホイールバランス取りの重要性を再確認…。一方、人間は暑くて、暑くて溶けてしまいそう。

でもエンジンは、100km巡行で発熱が増えてきているのを太ももで感じますが、至って快調。全く問題なし。

休憩後、よっしゃって事で目的地を御前崎灯台に決め更に走行。掛川ICで下道に降りて灯台を目指すが、人間が先に参りそう(笑)

道の駅「風のマルシェ御前崎」でマグロシラス丼で栄養補給して灯台へ。浜岡原発の横を通り、風力発電風車を見ながら海岸線走行を楽しむ。

岬到着で写真を撮り、たっぷり水分補給と首に濡れタオルを巻きなおし帰宅する事に。

帰りは相良牧之原ICから東名で。浜名湖SAで休憩。三ケ日JCT~浜松いなさJCTで新東名。100km巡行を体験。新城ICで降り、道の駅「もっくる新城」で休憩。その後、新東名・東名・尾張一之宮PAで休憩。養老SA経由で自宅迄暑さと格闘しながら帰宅。

CB1100は絶好調でした。

手の痺れは殆どなくタイヤ交換後大阪往復で感じた痺れは「何だったん」ってな感じです。

6/28の走行 482.8km 燃費26.7km/L(ハイオク)

あーー 楽しかった。涼しくなったら また出かけたいです。

コンディションを整えるメンテナンスの大切さを身をもって感じました。
本当にありがとうございました。

レポートY・T 

あとがき

コンディションを整えたことで「CB1100の車格が一回りコンパクトになったと思えるほど扱いやすくなった」と、来店時にY・Tさんより伺い、価値ある1台であり良き相棒となれば何よりです。

ホンダ最後の空冷直4のCB1100の良さを存分に発揮させて楽しむためのメンテナンスは、トライアンフ最後の空冷モダンクラシックであるボンネビルT100やスクランブラー900と同様で、エンジンコンディションから始めるのが最良であることをCB1100の良さを楽しみたいライダー諸兄にお伝えする次第です。

ホンダだからエンジンコンディションは問題が無いと思っておられるライダー諸兄が多いのも事実ですが、経年変化や劣化に関しては、ホンダもトライアンフと大差が無い事をお伝えしておきます。

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