トレッキングごっこ

トレッキングごっこの目的

NWJC流『トレッキングごっこ』には、高度なことは何一つありません。文字や言葉では伝わりにくい、ライディングの原点『操る歓び』と、五官で感じ取る微妙な感覚『コツ』を、童の遊び心『ごっこ』感覚で身に着けることを目的としています。

ライディングの原点『操る歓び』を満たすために

ライディングでの満足感や充実感を満たすということは、一般公道において無謀なスピードを出したりスリルを求めることや、テクニックをマスターすることではなく、『操る歓び』を満たすことだと考えています。

使い慣れた道具は体の延長でありセンサーでもある

バイクは、自分の身に接する道具ですから自分の体の延長となるもののはずです。しかし多くの人たちは、バイクという道具を扱う最低条件の免許を取得し、ブランドという標を消費するだけの、バイク=モノとしての関係になることが多いのは非常に残念です。

使い慣れた道具は『お箸』のように微妙な感覚を伝えるセンサーになっていますが、バイクの場合にはライテク本の知識やスペックなどで道具を頭で理解しても、体は微妙な感覚を感じ取れていないことが非常に多いように思います。

練習での『慣れ』は『できる』ことか?

初心者向けに様々なライディングスクールが開催されていますが、車輌取り扱い説明会のようなものから、かなり高度なものまで様々なようです。スクールを受講した人たちの中には、『スクールでは上手くできたのに…』という声が意外に多いのも事実です。

スクールの型にはまり、マネ方を習い、反復練習をし、『慣れ』を『できる』と錯覚している人が多いのは残念です。

駆動力は安定に必要な条件

半クラッチは様々な目的で使われていますが、不安定な状態を補うこともその一つです。ところが反復練習の結果、無意識に半クラッチを使ってしまうことには問題があります。

半クラッチを多用すると、エンジンの状態を感じ取ることを必要としないライディングになってしまい、バイク本来の特性を理解できないことにもなります。体がバイクからの情報を感知しなければ、無意識に半クラッチですべてに対応する悪い癖となり、ライディングでの満足感や充実感である『操る歓び』は満たされないのです。

ユックリと歩くような速度で丁寧なアクセル操作を繰り返す『トレッキングごっこ』では、文字や言葉では表現できない、感覚的、直感的なことを五官が感じ取るようになります。無意識な半クラッチという操作は刷新されると同時に、アクセルワーク(駆動力)が不安定な状態を安定させる有効な方法であることに、体が気付でしょう。

ブレーキは止まることと安定することに必要な条件

ブレーキ操作もアクセルワークと同様に、斜面でユックリと歩くような速度で丁寧にロックとフリーの境界を繰り返せば、ブレーキングの『コツ』が解り始めます。アクセルワーク同様に不安定を安定に変える有効な方法であることを体が気付くでしょう。

『トレッキングごっこ』から大型バイクへのフィードバック

トレッキングごっこで使用する車輌は特に限定していませんが、エンジン特性の良いHONDA SL230やXR230を、NWJCで『トレッキングごっこ』仕様に仕立てて使用しています。

歩くようなユックリとした速度で丁寧なアクセル操作を第一として平常心を養い、バイクの特性を五官で感じて、無意識に感覚が磨かれていく変化の過程を愉しみ、大型バイクにも確実に反映させること。そして『操る歓び』を実感しながら、ツーリングライダーとしてより豊かなバイクライフを、素敵な仲間と共有することを目指しています。

安定と不安定が童の遊び心を目覚めさせる

子供のころの積み木遊びやブランコ・竹馬など、安定と不安定を繰り返す遊びをしていた時のことを、また、自転車の補助輪をはずして乗ることができた時のことを覚えていますか?バイクを操ることとは、安定と不安定を繰り返しながらバイクの特性を五官で感じること。文字や言葉では言い表せない奥深さが、バイクを操る歓びでありライデイングの原点であると考えています。

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